仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

昆虫未来学―「四億年の知恵」

2013年06月15日 | 日記
藤崎 憲治著『昆虫未来学―「四億年の知恵」に学ぶ 』(新潮選書)を読みました。めくってみたという方が正確ですが。
700万年という人類の軌跡に対し、昆虫は4億年もの進化の歴史を経て現在に至っている。それだけに昆虫の能力は合理性に富み、彼らの習性には生き延びるための知恵が溢れている。そんな昆虫に学び、共に新たな未来を築こうという。これがこの本のねらいです。

「今から5億4300万年前、この時期に多様な動物が、いっきにあらわれ、“食うー食われる”の連鎖が始まったとあります。この時期に、なぜ多様な生き物が現れたかというと、これより以前の時代は、「霧により遮られていたが、太陽光が強まるとともに視界が開け“目”をもつ動物が出現したことに起因する」とあります。

光が地上に届き、生き物たちに眼が出現したのです。

何か、阿弥陀さまの光明によって、阿弥陀さまを見る眼が恵まれることと似ていて有りがたく思われました。

昨日の新聞(25.6.14共同通信配信)にも“緑に光るうなぎ”の研究が紹介されていました。
「 ニホンウナギの筋肉に含まれる緑色蛍光たんぱく質の遺伝子を特定し、青い光を当てると光る仕組みを解明したと、理化学研究所の宮脇敦史チームリーダーや熊谷安希子特別研究員らが13日付の米科学誌セル電子版に発表した。… 下村脩博士がオワンクラゲから発見し、ノーベル化学賞を受賞した緑色蛍光たんぱく質と異なり、UnaGは酸素がなくても光る。このためがん細胞を検出したり、がん組織内部を調べたりするのにも使えるという。」(以上転載)

こうした生物の特性をまねることを【バイオミミクリー】というそうです。

・【バイオ】:生物、生命、【ミミクリー】:真似る
・【バイオミミクリー】:『生物の天分を意識的に見習う、自然からインスピレーションを得た技術革新』

標記の本には、さまざまなバイオミミクリーが紹介されています。同書を紹介したネットからの転載ですが、

◇【シロアリ】
・シロアリの塚の内部は、外気が0^40℃に変化しても、30℃程度に保たれる仕組みを見習う。

◇【モルフォチョウ】 ★Keyword=【構造色】
・0.1ミリほどの鱗粉は細い筋があり、青色の光の波長の1/2間隔で棚のような構造物が並ぶ。干渉により青色光だけが反射される。そのもの自体に色があるのではなく、光の波長以下の微細構造による発色現象。
【構造色】と呼ばれ、カード、紙幣などにも使われている。

◇【タマムシ】
・これも【構造色】だが、透明な20層にも及ぶ多層膜によるもので、CDの記録面が光る様子はこれと同じ。

◇【スズメバチ】
・親の腹部は極端にくびれるため液体しか通らない。★敵に対して毒針を自在に使えるよう腹柄(ふくへい)を細くした結果と思われる。親は餌を肉団子状にして幼虫に与えると、幼虫はこれをアミノ酸液にして親へ口渡す。親も子供を頼りに生きている。このアミノ酸混合物は、燃焼しにくい脂肪を燃やす作用があり、スポーツドリンクに応用されている。

他にハエの眼を模した太陽電池パネルの反射防止コーティング。ヤモリの足裏の微細構造の解折から生まれた手術用の接着テープなどなどです。
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