クロス・マネジ 第26話「矛盾」 感想

布石。












以前、6話で能登さんのパスの精度を見せるというパッと見地味なお話がありましたけど
それがその後の試合での決め手に繋がった～という流れがありました
そこから考えると、
今週の内容もきっと蝶蘭戦への布石の一部なんでしょうね
既に「どうやって戦うのか」「どうやって勝ち目を見い出すのか」の答えが提示されてる為、
随分と読みやすくなった気もして個人的にすごく楽しかったです
こういう戦術をシコシコ練っていくお話が人気に繋がるかどうかは未知数ですが
ただ、安易な根性論で済まされてしまうよりはずっと好感が持てる
リアリティにこだわってきた作品なので
ここまで来たらそのリアリティを貫き通してもらいたい。これで益々試合描写が楽しみになりましたね。

WJだとその週その週の盛り上がりが評価されるという縦の楽しみが重宝される傾向がある
だけどこの漫画は縦ではなく横の楽しみが垣間見られる作品だと思ってます
3話のなっちんが不器用に足掻いて櫻井がスマートに問題を解決するお話が22話の内容とシンクロしてたり
加藤さんが一度挫折して諦めかけた身だったからこそ先週の言葉が頼もしく感じられる
能登さんの描写だってそうだし、
早見先輩を初期に出したからこそ櫻井のマネージャーとしての成長を感じられたエピソードもあった
その場その場の盛り上がりよりもどんどんと繋がっていく構成に力を注いでる気がして
今のWJでそれをしっかりとやれてる作品って貴重だと思うのです
初期に散々つまずき転んだからこそ、
最近の成長や結実に深みを感じられるのも事実だと思うしね。
小松さんは（実は）熱いキャラとして描かれてたけど何気に4話で悔し泣きする描写もあったり
凄く緻密で堅実な作品だと個人的には思ってるんですね
そのクロマネならではの利点・・・が如実に出ていて読み応えのある回であったかと
特になっちんと深空の特訓、もとい複線は後々重要な場面で使われるでしょう
それによって説得力も増すと考えると
やっぱり良く出来た構成だなあ～と
これから「最強」に挑むのだからこれくらい勝てる要因の仕込みは必要だと思います
ここ数週は危機を脱出したのかまた初期のペースに戻っていて中々読んでいて心地良いです

・・・でも最近は、パッと終わって続きは単行本でね♪って嫌なケースも増えてるのでやっぱ気をつけないと
特にこういう地味にファンが見受けられる作品はそういう商法に利用されるのも有り得ますからね
アンケ出しはやっぱ重要や。


「仕込み」「布石」という表現を使いましたが
勿論単体で読んでも十分面白いのがクロス・マネジのいいところ
櫻井がサッカー通だからこそ、そしてラクロスとサッカーが似てるからこそ
サッカーで例える流れも分かりやすくて面白かったですし
勝ち方も「ああ。なるほどな・・・」と思えました
実際のエピソードを用いて勝ちまでいける～という実感を出させる手法は上手いですね
これからは守備を徹底的に鍛錬、そしてカウンター狙いというシンプルな作戦もまた好みです
蝶蘭戦でそれを実践し切れるかどうかはともかく、善戦への道のりは確かに整った
後はその様子をじっくり読めるのを拝むだけ・・・ですね
色々と読み応えのある良回でした。

あと、なっちんのデリケートな反応も面白かったなあ（笑
扉絵も思わず笑っちゃったし、
深空の無謀な作戦提案もクスクス出来た
若本の反応もまたらしくて（櫻井も結構無茶振りするのね）、でも友人想いなのは伝わったし
複線回とはいえコメディ描写の数々で円滑に読めたのも個人的にはプラスでした
既に物凄いワクワク感が蓄えられてるのでこの先を読むのも楽しみです！







ちなみに今週のパートカラー（赤味がかかったカラー）のページで、
クロス・マネジが1P紹介されています。・・・というよりはラクロスの紹介ですけど
まだ推す気は残ってる？って思えて嬉しかったですね
次は是非Cカラーを下さい・・・（切実）。

今週もこの漫画の堅実な一面がよく出ていて面白かった。先週の引きもただ人気取りの為の引きでなく
ちゃんと意味があって納得も出来るものだったのも私的には大きかった。
相変わらず自分をワクワクさせてくれる大好きな作品です。