超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

(アニメ)琴浦さん 第12話(最終回)「伝えたい言葉」 感想

2013-04-02 01:00:36 | アニメ














今期最高のアニメ!(私の中で)。













それくらい明らかに熱量が違ってたんですけど・・・
もう完璧過ぎて何の言葉も要らない「大団円」という形容しか似合わないくらいの収まりっぷり
2期3期への期待もなくなるくらいに全てやり切って終わった、という印象で
はっきりと名作扱いしちゃってもいいんじゃないでしょうかね
それくらい素晴らしい最終回を見せて貰って大満足でした。

物語、特に原作が続いている場合だと大抵「途中で区切りを付ける」印象のラストが往々にして多くなる
だけどこれ観てたら、もうこのクールだけで全部が過不足無くまとまった感触で
本当に一つのアニメ作品として完成している気がするんです
それもちょくちょく複線は出してきた訳だから、
全部が全部自然だし
納得も出来るし感動も出来た
もう何の引け目もなく今期最高の傑作です!と推せるアニメになってくれた事が個人的に嬉しかった
それもこれまでの積み重ね描写によるお陰なんですよね。正に全部の回が必要だと思える凄いアニメでした。


お母さんは、文句を言いつつ態度の悪さは出しつつ(笑
何かもが元には戻れない中でもプライドを捨てて会いに来てくれました
それは後だしでも何でもなく、和尚の誘いにのってわざわざ様子を観に来てくれてた時点で
内心心配ではあったんだろうな・・・と今になって感じますねえ
その他にも9話の彼氏の事を心配する内面描写だったり
事件があったことで
押さえつけてた親心が復活した・・・という事実だったり(夜道を心配してたのが顕著でした)
水面下では色々とフラグがバシバシ立てられてた事に気付くのはそう遅くなかったです
親っていつまで経っても親でしかないし、
拭い去るための必要以上にキツい態度も自分への未練を断ち切る為の愛情の裏返しだった
敢えて憎まれ役を買ったのだとしたら、、、本当は最後までずっと琴浦さんの事を考えてくれてたのかもしれない
そんな母親との会合のシーンはドキドキしつつも、ビックリするくらいにあたたかくて・・・。
彼女もまた擦り切れた人生を送らざるを得なかった一員ですが
また再びここからやり直そうとしている
その様子が、
ここまで描いてくれた事自体がここまで観てきた視聴者にとってのご褒美でした
お互い色々と抱えてきた中でも、時を経て成長すれば和解することだって出来るんだ、という
確かなメッセージ性がこのアニメには宿っていた気がします
同時に、何度でもやり直せるんだ!というメッセージも・・・。

気が付けば全員の成長を見させてもらった気がする
最終的に居場所を求めて全力で他人にぶつかれるようになった琴浦さん
初期の「私にかまうな」「どうでもいい」って態度からは一転して随分能動的になった
そして、前回で揺ぎ無い琴浦さんへの愛情を見せてくれた真鍋くん
多少軋轢があっても信じて一緒にいられる力強さを手に入れる事が出来ました

悲しみを背負いつつも、隠して微笑む森谷さん。
このアニメは彼女が裏の主人公だったのかもしれない、とか何となく思いましたけど
元がアレだった分一番「成長」「進歩」を感じさせてくれるかなりの好人物だったんじゃないでしょうか
正直個人的な好感度も天井知らずに上がってしまいました。森谷さん可愛いよ森谷さん。
嫉妬に狂って暴走していた彼女が、
恋敵の恋を応援出来るほどに優しくなれたという事実
ただわがままなだけのガキから、しっかりと大人になれた彼女の姿
気付けば主人公と同じくらい感情移入せざるを得ないキャラに仕上がったその手腕に拍手です。
近年ここまで化けたキャラって早々いない気がするなあ・・・。


で、個人的に初期から大好きだった思い入れの深い百合子部長というキャラクター。
最後の最後で、ようやく「復讐」に対する執着を断ち切れた彼女
そのきっかけは何でもない
一番近しい人間の不幸によるものでした。
今までは他人を利用してまでも、罪悪感を抱えながらも執拗に自分の目的を選択し続けてきたキャラだけに
ようやく諦めることが出来たその描写は個人的にすっごく感慨深くて最高でした
今までの「ごめんね」という気持ちを面と向かって伝えるシーンでは
またもや少し泣いてしまいました・・・

気が付けばここまでリアルな美少女キャラも久々に触れたかもなあ、とか思ってしまった
何もかもがきれいなわけでなく、純真であるわけでもない
理想を詰め込んだようなキャラではない
でも彼女が最初から最後まで持っていた要素のひとつに「誠実さ」というものがありました
純真さが欠けていた代わりに、他人の事を思い遣れる誠実さを所々から感じれた
それはある意味矛盾なのかもしれませんが
その矛盾も含めて非常に人間くさいキャラクターだった、という事です

そして室戸くんへの恋する少女っぷりも可愛くて面白かった要素の一つでした(笑
なんかこう・・・色々な意味で「脆い」キャラだと思うんですけど
外見や態度と比べてある種のギャップというか
いじらしいなあ、と感じられる塩梅が素敵で
この最終話でもモジモジしながら真意を聞くシーンや室戸くんの鈍感にプリプリするシーンなど(笑)
彼女の乙女としての可愛さもたっぷりと観られてその意味でも後悔無く満足出来ました。
本当に・・・奥深いキャラクターだったと思います。大好きですね。

室戸くんは成長、というよりは唯一最初から完成されていたキャラクターで
でもどこまでも百合子の側に居るよ、って覚悟を見せてくれたのは進展ではあったのかな、と思う
彼が素敵だったのは百合子部長の復讐を止めなかったこと
「復讐は何も生まない」のも事実だけれど
事実だけで済まないどうにも出来ない感情だってあるはず
それを認めつつ、例えそれが間違っていたとしても敢えて傍観を選択するその意思は
結果的に百合子自身にとって本当に為になる選択になってたのが
彼女に対する揺ぎ無い想いを感じさせてくれました
それくらいの覚悟があるなら、きっといつまでも側に居てくれる・・・はず!・・・たぶん。や、きっと!


最後の最後は琴浦さんと真鍋くんの恋愛の結実で締めでした
もう今となってはこの二人に差異も何もないので
気持ち良く観終える事が出来ましたね
正にベストカップル以外の形容が見当たらないくらいのお似合いっぷりでした
琴浦さんの健気な気持ちも、真鍋くんの純粋な気持ちも最後まで歪みなくて楽しかったですね
もう既にくっ付いてると思ってた二人だからこそ、敢えてハッキリさせる~って方向性が良かったなと
真鍋くんはより屈強なイケメンになれた感覚で観てて清々しかったですね(笑)。
最高の最終回をどうもありがとうございました!
一生心に残る作品になったと思います。
大傑作でした。










総評としては、以前も感想に書いたんですけど
すごく誠実な内容のアニメだったと思います
正直みんな最初からきれいな良い子ちゃんだったわけではありません
所謂「ピュアさ」とかそういうものからは大きく外れた人物ばかりのアニメだった
でも、その反面誰もが心の奥底に誠実さはしっかりと抱えていて
誰もがきちんと「反省」と「成長」を遂げる事が出来た

要するに、人間は簡単に間違うし安易に他人を傷つけてしまう生き物だって事実を描きつつも
それでも、純真さを失っても誠実であり続ける事は出来る
何度でもやり直せる
そういう事を最初から最後まで一貫して描きつつストーリー自体も過不足なく纏め上げて隙をなくした
キャラも、ストーリーも、テーマも、遊びも全部が詰まって一つの作品として完成されていた
その「ブレのなさ」に心底感銘を受けて痺れさせてもらった最高のアニメでしたね。
多分クール通して涙腺を刺激された数は今まで観てきたアニメの中でも群を抜いて多かったかもしれない
(私にとっては)それくらいの名作としてやり切ってくれた作品でした。


素晴らしい「結実」の表現の数々に心から感謝を。




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