THE NOVEMBERS全曲レビュー通算18曲目です。「Misstopia」の5曲目「パラダイス」です。
5.パラダイス
この曲はライブで初めて聴いたんですけど
その時から歌詞が印象的だった曲です。とはいえ、ちゃんと意味を理解したのは音源になってから。
世界に閉じこもって失うものもあるけれど
世界から飛び出して失うものもある・・・そんな内容の詞に思える曲。
そんな経験に対しての復讐を楽曲の中で行っているような曲なんですけど、
ここで重要な事は
諦める事を示唆してない事ですね。確かにそんな人と人との関係性の中で奪われたもの、失ったもの
その逆も然りで色々と軋轢も後悔も、痛みも悲しみも生まれたけれど
搾取されるのはいつだって弱者側だけれども
そこで跪くのではなく
むしろそこから好きなように、やりたいようにやればいい、っていう。動くのを止めたら、
それはもはや死ですから。もっと考えて、悩んで、その上で遊んで。
世界や街に置き去りにされたのならば
こちら側が逆に世界や街を置き去りにしてしまえばいい。
その選択も考慮も、全ては自分の心と手次第で。そんな真摯で必死なメッセージと共に
繰り返しのリフや純真なメロディが光る、
ノベンバの重要アンセムの一つ。だと個人的には感じる一曲です。
【愛 やすらぎ いたわり 平和 希望 どれも祈りみたいでしょう】
誰もが平穏な日常を望んでるけれど
実際本当に平穏な日常を過ごせてる人なんて一握りしかいないと思う。
信じては裏切られて
不意に大切なものをなくして
どうでもいいいさかいに巻き込まれたり、自意識の闇で苦しんだり
そんな穏やかな感情のまま生きれる事なんて
それこそ夢物語なんじゃないか?とも思いますけど
でもこういうフレーズって
本当に純真に静かに、感じたままに暮らして生きたいって思うから出るフレーズであって
決して諦めにはなってないんですよね。最初から諦めてるのは
やってないのと同じだから、
少しでも、より良い暮らしを、より良い感情を、よく考えて自分の手で掴み取ろう、と。
そんな現状をありのままに描いた後で
その後の行動を示唆させるような・・・って考えるとこれも一種のアジテーション・ソングなのかもしれません。
何度精神の淵で彷徨っても、確かに望む事柄がまた残されている、と。まだ頑張って遊べるはずですから。
悲壮感を漂わせつつも、その実描いているのは確かにその先のこと。
だからこそそんな悲惨の中にある美しさが際立つ、そんな一曲でもあると思います。
それが何よりリアルで。
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