昨年から続いてるTHE NOVEMBERS全曲レビュー、今回から「paraphilia」の楽曲に突入します。
まずは一曲目の「philia」から。通算25曲目です。
1.philia
この曲はライブでもお馴染みの一曲ですけど、非常に洗練されてる美しい一曲で。
シンフォニックなサウンドの響きと、それがもたらす神秘性、漂うような趣のあるボーカル、
その総てが綺麗に調和している正に恍惚とも言うべきナンバーで
何度聴いても飽きない質の高さと、
スッキリとした聴きやすさなんかもあったりして、割とノベンバってバンドを知るには最適の一曲かもしれません。
この楽曲から積極的にバンド以外の音のアプローチも広がってきた気がするので
その点でも一つの転機作としてファンの間ではお馴染みなんじゃないかと。個人的に思ってる事ですが。
また、各々の中にイメージを植え付ける楽曲というか
映像や景色が浮かびやすい良い意味で抽象的なサウンドとフレーズになっているので
聴いてる間に様々な情景が聞き手の中に浮かんでは消えるような、
イマジネーションを刺激する楽曲でもあると思う。
その音の懐の深さを考えると、っていうか感じると、更に素晴らしい楽曲として心に残る気もして。
人間の青さと、憧れる白い感情が上手く交差した代表曲の一つなんじゃないかと思います。
実際良く聴いて想像して楽しんでる楽曲の一つでもありますね。名曲です。
【意味を失い 耳を失う】
誰かと誰かが分かり合うのって
剥き出しになるのって、
出来るようで実は出来ないんですよね。本音だ裸だって言っても、それは本音でも裸でもなく
その水面下では隠してる感情が常に蠢いていて裸のようで裸じゃない。
そんな状態のままどこまで純粋にいられるんだろうか、って
そういう事をこの曲は歌ってるような気がします。
その内に本音は馴れ合いに変わり、
意味を失って
それに気付けるような耳も失って気付かないフリばっかして
誰かと誰かの関係性は永遠に止まったままで。
だからこそ、
その秒針を抜け出したい、止まった時から先に進みたい、気付いた時にはそういう関係でいたい。
そんな風に互いが互いを救う関係を必死で求めるような要コミュ二ケーション・ソング。
人間らしい感情をいかに純粋に鳴らせるかって部分に神経が注がれている気がして
その意味でも過度に、でも誠実にストイックな楽曲だなあ、と。
【これから全ての出来事を忘れにいくけれど 生まれ変わりはしないかもしれない】
人間違う生き物同士、衝突って事柄からは絶対に逃れられない
元々のキャパシティや価値観が違うのだから
何度やり直し、仕切り直しても
結局本当の意味で分かり合える事は、一つになれるなんて事はないのかもしれない
でも、逆に言えばそれを承知で再びスタートラインに立つって意思を表示しているとも取れる訳で
楽観でも妥協でもない、真に現実を見据えたリアルな言葉だけが置かれていて
その真摯な言葉選びにも感銘を受ける一曲でもあります。
とはいえ、ノベンバの詞は聴き手によって解釈が違うと思うので、私なりの今現在の答えではありますが
例えこれが正解ではなかったとしても、感じた事が全てではあるので、やっぱり素敵な詞だなと。
何気に後々の「再生の朝」にリンクする部分もあるように思えるそんな一曲でもあります。
ライブで聴くと、正にイントロの時点でハッとするような即効性がよりはっきりと鮮烈に響きますね。
特に中盤の仕切り直し時に使われる事が多い気がする。
何気に生で聴くとゆらゆらと踊れちゃう一曲でもあるかもです。大好きな曲ですね。
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