超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

日々是・・・/かがみふみを

2010-03-16 00:42:37 | 漫画(成年)

かがみふみを「日々是・・・」読了。

全1巻。4コマと通常形式の漫画が混じってる仕様で、読み易さは抜群。



最初タイトル見た時、どういう意味だろう?と思ったんだけど
日々のコレクション、略して日々コレ→日々是、って訳ですね。
英語だとCollections of Daily Life、
日常の一コマ一コマを丁寧に拾って繋ぎ合わせて、それを一つにまとめたような作品、
それが「日々是・・・」。
ちなみに久々に成年誌での連載作品。
若い二人の同棲生活を描いた作品という事で、ニヤニヤ度も高く
実際に同棲生活を経験しているかのようなバーチャル感、
それを感じさせてくれる絶妙なリアリティが宿っています。
それも本格的にリアル、って訳でもなく
あくまで漫画らしい微笑ましい部分も同時に描いているのがグレーゾーンが好きな自分にとっちゃ非常に好み。
今いる恋愛系の作家の中でも最も「中間」を描くのが上手い作家の一人だと思う。
高尚でも低俗でもない。上手く真ん中、っていうか。


んで、読者を「ああっ、もう!」って気持ちにさせるのが相変わらず上手い(笑)。
私はかがみふみを作品では「まちまち」2巻、「きみといると」2巻にレビューを付けさせてもらっているんですが
(どっちも一般誌連載)
それらと何ら変わりない恋人間のやりとりや会話センスの面白さ。巧みさ。こそばゆさ。
もういちいち胸キュンポイントを的確に突いてくる感じで、
読んでる最中何度もたまらない気分になってきてしまうんですよね。
それでいて、本当にこういう二人がいたらいいなと。
そんな世界素敵だなぁ、とそう思えるんですよね。
かがみふみをの作品ってそういったある種のファンタジー、メルヘンチックな部分と
前述のリアリティのあるディティールや機微が上手く混ざり合ってるから好きです。
で、それを十二分に補給出来るのがこの作品。
 一応成年雑誌での連載なので、そっち系のシーンは当然込みなんですが
それを含めて個人的には老若男女にオススメしたい作品。・・・ま、一応18歳以上にね。
そういったシーンですらも微笑ましいというか、むしろ感動してしまうというか。
というか、元々感動的なものだと思ってますけどね。幻想かもしんないけど。


んで、セリフもまたいちいち良い。個人的に特にグッと来た発言↓

「そうだ今日からずっと「またね」じゃなくて「いってらっしゃい」なんだね」

「でもさ・・・大事なのは物そのものより思い出の方だよ
 それを大事にとっておけばいいんだ
 でないと部屋がせまっ苦しいまんまで二人のこれからのいい思い出作れないだろ」

「えへへ・・・疲れてるのに突かれちゃった」 「突かれちゃって余計疲れちゃったか」

「普段いちゃいちゃするのもうれしいけど やっぱりひとつになるのが一番」

「うれしい・・・二人で選んだはじめての家具だね」

「だってたまきはオレの頭の中で幾多の苦難を乗り越えてやっとかえってきたんだぞ
 オレの中では感動の再会なんだ!」



なんて言えばいいんでしょう、一つの恋人同士の成長記録を覗いてる気分になるというか、
人生をきちんと感じられるというか。
最後、親に挨拶に行くところで物語は終わるんですが、その終わらせ方も好きなんですよね。
想像の余地があって。
でも、きっと多分この二人なら大丈夫なんだろうな。
って思えるのはやっぱり最終話がドラマチック過ぎたせい?
いやいや、過程でも十分安心出来ますから。
等身大の良作、って感じで実にスッキリした読み応え。面白かった。


あと個人的にかがみふみをからは田中ユタカ的なエッセンスも感じられて、
それもとても気になる部分の一つですね。
「きみといると」はそんな彼の金字塔的な作品になりそうで、それもまた期待なのです。
絵も相変わらずほんわかした感じで良い。
これからも応援してく。





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