bloodthirsty butchersのライブを観に渋谷に行って来ました。
25周年記念CDBOXのツアーという事で、何と初期から順々に現在までの楽曲を演奏していくというスタイル
今ではあんまりライブで演奏されなくなってる楽曲もじっくり聴けて本当に嬉しかった
というか、単純に圧巻だったし
あまりにも良い曲が多すぎて、歴史の深さを垣間見つつ
面白かったのは、所謂最もファンに支持を得ている年代の楽曲が良かったのは勿論
最近の曲になればなるほど、どんどんクオリティだとか鮮やかさが増していってるようにも思えて
その点では古参のファンにも強くブッチャーズの「今」を強烈に認識させる公演だったのは間違いない
ここまで傑作しか作ってない事が容易に分かるある種の証明のようなライブでもありました。
つくづく偉大でストイックなバンドだという事を再確認出来て最高の気分でした。
後は、本当に4人編成である事の「必然」が強く感じられたっていうのかな
自分も勿論3人時代から聴き始めた人間なんですけど
今や4人なのが「当たり前」になってる
誰が欠けても今のブッチャーズの音にはなり得ないそれぞれの密度の濃さが非常に素敵で
その様子は正に「芸術」そのものでした。ここまで芸術性に溢れた演奏をするバンドも早々いないですよね。
自分の知る限り、ブッチャーズみたいなライブを行うバンドはブッチャーズしか知らないから
ブッチャーズがライブを続ける以上はきっとそれを体感する為に通い続けるんだろうな、と
そんな事もまた改めて確信出来た素晴らしい名演でした。
大好きな曲「だけ」を聴けた、そんな一夜で。
◆クガツハズカム
開場してから1時間くらい開演まで待ち時間ってあるじゃないですか?
何とその時間を使ってOpening Actを用意してきた、という素晴らしいサービスが
チケットには一切記載されてなかったので多少驚きつつ
これがホントに・・・良かったんです。
失礼な形容かもしれませんけど、場が葬式みたいな空気になってる感じがして(笑
それは勿論表現力が長けているという事の証明な訳ですけど
透き通った淡い声で底なしに暗い内容の歌詞を歌う
あまりの暗さに正直驚きましたが、
でもここまで振り切ってればある意味聴きやすい(?)とも言えなくもない。
普段はきのこ帝国というバンドをやってるらしいですが、正直音源欲しいって思いました。
というか、多分買うと思う。時折MCしてたけど、ほぼ最前だったのに何言ってるのか全く分からなくて(笑
一つも聞き取れなかった。でも、だからこそああいう音楽が生まれるのかな・・・と納得もしつつ。
吉村さん粋な計らいどうもありがとう!
◆bloodthirsty butchers
開演時間5分過ぎくらいに開始、終わったのは2時間半後という長丁場のライブでした
そもそもブッチャーズって殆どがスロウテンポの楽曲なんですけど、でもその辺はバランス取りつつ
適度に動かすナンバーも選んで入れて組んでいったからか不思議と最後までダレなかった
各アルバムから1~2曲選出されるんですけど、個人的に意外な選曲が来たりと
案外予想通りでもなく、最後の最後までワクワクしながら聴けましたね。
その辺もまた、良い塩梅のワンマンライブだったかと。
最初期の楽曲は流石に今聴くと全然方向性違うなあ・・・とか感じましたけど
意外とそういう曲をひさ子さんが弾くのが似合ってるようにも思えたり
小松さんがかなりの頻度で笑顔で叩いてたり
結構貴重なものを観た気がする(笑
特に「omaega daikiraida」なんかは今にも通ずるオルタナ感があって違和感なく楽しめた気がする
個人的にも思い入れが深い「なんだかかなしい」はホント聴けて良かったなあ・・・
大好きなんです、この曲。荒唐無稽な物悲しさがあるというか。
そして名曲「Lost In Time」はヤバかったですね~・・・もう歌詞に感情移入しまくりだったんですが
バンド演奏に関しても元気に暴れ回ってる印象でガッツリと衝撃を身に取り込みつつ
思わず歓声が上がった「2月」!
物悲しい詞が身に沁みる、感傷が心に沁みる出来栄え
それを更に上回ったのが「8月」の熱量の篭った歌とアンサンブルの極まりで
後半ひさ子さんのギターソロは、まるでギターが泣き叫んでるみたいに痛みを感じる鳴りでした
そういったモヤモヤ感を爆発するまで高めきった名演に最初の絶頂を感じつつ・・・。
凛とした佇まいで奏でられた「襟が揺れてる。」から、
イントロで大歓声が沸き上がった「ファウスト」で観客の心を完全に掌握!
そこからの「プールサイド」は、やはりこの日もまた素晴らしい出来でしたね。
変な言い方になるんですけど
センチメンタルな感情の渦が、そういった背景が場を完全に支配して「それだけ」になる感覚
ここがまるでどこかも分からなくなるくらいに音に完全に持ってかれた印象
その圧倒的な陶酔感はある意味危険レベルだとも感じつつ
時折泣きそうになりつつ、
個人的にはライブハウスで聴いてる感覚はなく自分の精神の中だけでこの曲は鳴っている感じでした。
大名曲だと思います。
意外にもライブで聴いて良かったのが「happyend」。
音源では大好きですが、ライブで全然演奏されない事から不向きなのかな?って思ってたし
実際始めは地味な印象もあったんですが、その渋さが気付けば癖になってました。
終わった時の反応もすっげえ良かった気がする。
MCでは25周年について少々語って
「失いたくないものはギリギリまで失いたくない」
「気付けば動いてる感じだから、続けようって感じではなかった」等
ニュアンスですがそんな話をされてましたね
BOXは記念という意味以上に、保ち続けるという目的もあるんじゃないかな、と思います
これからもそういう試みは絶えずやって欲しいですね
この音楽が必要な人、絶対この先も増えていくと思ってるので。
これも是非聴きたかった名曲「方位」、
このアルバムの時はまだ学生だったのでライブ行けなかったんだよな(笑
一応門限があったので。それにライブハウスに対してまだ距離があった頃だったし。
軽快なリズムを身体に大いに染み込ませ刻みつけた後で
これまた荘厳な名曲「サラバ世界君主」、音源よりも輪郭がはっきりとしたアレンジで面白かった、し
意外と盛り上がりにも貢献する曲でもあるんだな~と発見もまたありましたね。
「JACK NICOLSON」でもう一回涙腺を刺激されました
どうしようもない老いだとか、転んでケガをするって事だとか
そんな物や事象を抱えつつ
それでも懸命に「先」を目指し歌い転げる姿に実直に勇気を貰えた気がする
アウトロのバシッと決まった格好良さもまた至福のワンシーン
最も普遍的なブッチャーズの名曲って実はこの曲なんじゃないかな?って少し思ったり。
この曲もすっげえ反応良かったなあ。
個人的に大好きな「B2」は一番テンションが上がったかもしれません(笑
歌の抜けがこの日一番に良かったように思えました。というか、歌が本当に素晴らしいのこの曲は。
「一人頷きを何回も重ね」って歌詞が聴く度にグッときてしまうし
もっと評価されるべき楽曲だと思う
そして、この曲もアウトロの展開が鳥肌レベルで
あまりにも職人的な技巧を感じさせる超ストイックな夢中感と集中力に圧倒され
ひさ子さんのまるで少年が草原を駆けずり回ってるかのような自由奔放なギターフレーズに絶頂を感じた
やって欲しかった曲が、想像以上のクオリティで届けられた事が本当に嬉しかったですね。
良い思い出がまた一つ増えました。
音源とは微妙に違う感触が面白かった「yeah#1」は洗練された良さがあった
何より「理由」「アハハン」「ギタリストを殺さないで」辺りかと思ってたからチト意外な選曲
でもそれも嬉しかったし、
続く「フランジングサン」はもう鉄板の出来栄え
身を焦がされるかのような光に溢れた音像に理屈じゃない凄みを感じつつ
それ以上に歌がガッツリと心に突き刺さった「僕達の疾走」の美メロを噛み締めつつ終了
最後が「僕達の疾走」というのがドラマを感じさせるなあ・・・とか思いつつ
これまた「ocean」抜きという練り込まれたセトリが面白かった
定番で固めずに、
ちょっと意外な選曲をちょこちょこ挟んできたのがファンのツボをくすぐった感触で
でも、終わってみればどの曲も完成度の高い仕上がりで、印象に残ってない曲は一曲もなかった。
だから、本当に極まった曲しか作って来なかったんだな・・・というのが
非常によく分かるライブで。
本当にこの日の公演を観れて良かったです。
熱演を、ありがとう!!!
セトリ
1.SHE'S BREAK
2.omaega daikiraida
3.karasu
4.なんだかかなしい
5.Lost In Time
6.2月
7.8月
8.襟が揺れてる。
9.ファウスト
10.プールサイド
11.happyend
12.方位
13.サラバ世界君主
14.JACK NICOLSON
15.B2
16.rat music for rat people
17.yeah#1
18.フランジングサン
19.僕達の疾走
encore
20.新曲(デストロイヤー)
21.banging the drum
新曲は若々しいエッセンスの曲で、
最後の「banging the drum」は吉村さんの力強いボーカルがグッと突き刺さった
同時に、ドラムがテーマの楽曲だからか小松さんの気合も物凄かった
最高のエンディングだったと思います。
超豪華セトリでしたが、
豪華って事以上に、「ブッチャーズは一度も間違えずにここまで来ている。」という事実を
きちんと証明してみせたような、渾身のワンマンライブだったと思います。クガツさん含めて至高でした。
こういう絶対にこの日でなければ観れないものが存在するからライブって面白いなあ。
最後に、やっぱり私はブッチャーズが大好きです!!
これからも、悪い大人の手本でいて下さいね。
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