超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

岩海苔 「We wish a Merry岩海苔~エンダァァ Happy New 岩海苔~」@下北沢La Cana 14.1.19

2014-01-22 11:09:31 | ライブレポ


















岩海苔のワンマンを日曜日に観て来ました。


















あの、この日は出席率100%だったらしいです
要はチケット買った人が誰一人欠かさず来たって事ですね
当然ソールドアウトだったんですが、その宣言の時点でいいムードが生まれた気がして
同時にみんな岩海苔ってユニットが大好きなんだなあ・・・という事実をまざまざと感じれた気がする

私自身は実に2年ぶりの岩海苔ライブだったんですけど、やっぱりこの空間は格別だなあ、と思いました(笑
お互いその場でセトリを決めて交互に歌う~、という自由さ
海北大輔と岩崎慧の声の相性の良さ
そして二人が織りなす独特のトークセッションが終始面白くて
終わり際にはこれまた珍しくライブを観ながら「爆笑する」という体験が出来ました
観ていて、聴いていて、すごくアットホームで温かい気持ちになれる上に歌の威力は凄まじく
トークに於けるツボもしっかりと押さえてくれるその塩梅にゆるいながらも強烈なプロ意識も感じました
確かに選曲や流れはとっても自由ですけど、自由ながらも観客の「聴きたい」にちゃんと応えてくれる
場数を踏んで来たからこその成熟や手さばきを存分に堪能する事が出来た出色の一夜でした

あと、去年海北大輔を生で何回も観た割に岩崎慧はご無沙汰だったんですが
久々に岩崎慧の歌を生で聴いたらやっぱりこの人いい声してんな、とか表現力巧みだなあ、とか
岩崎慧の歌うたいとしての実力や良さを再確認出来たのも個人的には大きかったです
今年はロストも勿論セカイイチのライブにも足を運ぼうかな、と
やっぱり「素」の威力が高いミュージシャンは鍛え抜かれた良さがあるなって。
















気が付けば下北沢のハコに行くのは随分久々でした
去年は一度も行ってないので妙な懐かしさを感じつつ・・・
ラ・カーニャに来訪するのは初めてでしたがこのハコもまた小ハコながら音の良い空間でした
会場に着くと普通に自販機で岩崎慧が買い物してたり早くもアットホーム臭が(笑

一曲目は岩海苔オリジナルの新年のテーマソング
歌詞はコミカルでベタな感じだったんですが、それを歌う二人の歌声がきれいすぎて
歌詞の内容が少し高尚な感じにも聴こえるギャップが面白かった
そして単純に歌としてもユニークで聴き応えありましたね
気楽に聴けて沁み込む塩梅が素敵です

じゃんけんで勝った岩崎慧から先鋒でここからは各々が自由に歌うパートへ
まずはセカイイチの持ち歌「あかり」からだったんですが、、、これがまたすこぶる良くて
リズム感の良さ、抜ける歌声の気持ち良さ、歌詞のメッセージ性の高さ・・・と
やっぱりセカイイチ、岩崎慧って好きだなと思わせるには十分のパフォーマンスを発揮されてましたね
Cメロの部分なんかは普段のコンサート以上のリアルな熱気が生まれてて実直に興奮出来ました
天然歌うたいとはこういう事なのかな、ってつくづく感じてました

海北さんは続いて「約束」、
普段ベーシストなんでこうやってギター掻き鳴らしてるの観てると新鮮ですし
ギターのテクニックも優れてるなあなんて改めて感心してしまいます
歌ってる最中岩崎さんがずっと源ちゃん(ロストインタイムのドラム)の物真似をしてたのもまた面白かった(笑


続く「快楽主義者」が凄くノリが良くキャッチーさを大いに感じられて楽しかったんですが
途中で所謂渋谷系のコミカルな動き(クネクネしながら歌う)を挟んで来て
それがまた曲調に合ってて笑いも同時に生まれてました
笑いは生まれてるんだけど、歌詞は批評性が高いものになってるのでそれもまた不思議な空気を生んでましたね
しかもまた渋谷系の動きがかなり上手でその辺もさすがと妙な部分で感心させられつつ(笑
海北さんは「ハローイエロー」と何気にテーマ的に地続きっぽい選曲でそれもまた流石だなあ、と
この曲では源ちゃんがリハでやってた矢野顕子っぽく歌う演出をやってて、
海北さんの物真似が観れたのもまた良かったですね
でも、そんなに似てはいなかったです(笑 この曲は確かにメロディが矢野さんに似合う感じでもある。

ツアー先で出会った女性に「腐女子」の方が居た、という話になり
自分(岩崎慧)と海北さんを観てそういう関係に見立てていたらしいです
その時点で思いっきり笑ってしまったんですが
素の温度で「けいちゃん、ビール取って」と海北さんが声を掛けたりすると、
後ろの方で思いっきり萌えてたらしくそれが気になってたらしいです(笑
それでどっちが攻でどっちが受なんだろう?って話題になると
「この話はちょっと危険な気がするから止めよう」
「ハローイエロー(危険信号)どころの話じゃない 笑」と慌てて止めていました(笑

ソロの曲「解体新書」を歌う岩崎さん
この曲もまたナチュラルな魅力に満ちていて良かったですね
ポエトリーリーディングの曲なんですが会場の音が良いので余計に気持ち良く響いてました

海北さんはそんな「久々にソロの曲を歌った」という事実を受けて自分も久々に、と
まさかの「背中のバラッド」を歌ってくれました!これは感激しましたね
しかも当時風ではなく今風のアレンジに置き換えて若干洗練された印象だったのも凄く聴いてて心地良かった
最後の父ちゃん、もなくなりより自然に名曲然として鳴らされた感覚で素直に感動出来たと思います
往年のフォークの名曲っぽくて、実際に名曲だとも思えてやっぱり個人的にこの曲好きだなと
より海北さんらしいテンションにブラッシュアップされてたのが良かったです。

その曲に感動して岩崎さん「神通力」を歌ってました
これもまたソウルフルな歌声が魅力的ですこぶる気持ち良かったんですが
実はスランプの時に生まれた曲らしくこの曲を書けてからはまた曲が書けるようになった、という
ある種救ってくれた曲なんだそうです 海北さんは10代で既に家族に対する感謝の歌を書けてるのは凄いと
岩崎さんのセンスを絶賛されてました
海北さんはその頃進路を巡って色々大変だったらしく、
大学に進学しない事に腹を立てたおじいさんに塩を撒かれてたりしてたそうです
でも無事にCDを出したら普通に連絡が来たそうな(笑)。父親が厳格で度々殴られてたらしい。


カバーとしてROGUEの「終わりのない歌」を歌う海北さん
伸びやかな歌声が高らかに響いてこれまた素敵な仕上がりでした
このバンドのボーカルの方のラジオに「将来ミュージシャンになる」的なはがきを本名で出したらしく
それがきっかけで本格的に目指す決意が芽生え、先日実際に群馬のラジオ局で再会出来たらしい
その話を聞いて有言実行って偉大だな・・・としみじみと感じましたね。能動の人だ。

源ちゃんの絵描き歌「犬の腹の如し」を歌ってると
なんと源ちゃんがいきなり登場(笑
海北大輔と岩崎慧のユニット、それもワンマンなのに来てるって本当に仲良いんですねー
パリコレのように無言でポーズを決めながら去っていく姿に海北さん笑いが止まらなかったらしく
ずっと笑いこけてました 
そして岩海苔の持ち歌「ノーミュージックノーライスのテーマ」を二人で熱唱して第1部は終了
物販で岩海苔の音源を購入しつつ後半に備えて休憩を挟みました。


これもまた岩海苔の持ち歌「イワーノリスマスのテーマ」を一緒に歌いながら第2部開始
非常に胸を打つ切なげなメロディなんですがやはり歌詞はどこかコミカル・・・なのが
岩海苔の持ち味なのかもしれません
黒沢健一さんには「グッドメロディの無駄遣い」と称賛されてるらしい(笑
でも本当に聴く価値、観に行く価値はある仕上がりでしたね。

後半は海北さんが先鋒を務めます
去年の代表曲「30」を小気味良く歌うと
岩崎さんがまさかのロストの「手紙」をカバー
これが凄く良くて原曲よりもテンポ遅めにねっとり歌ったかと思えば
途中からギアを上げて疾走感を出したりとアレンジの仕方が本当に秀逸でした
ただ単に相方の持ち歌を歌うだけじゃない「工夫」があったのがプロだなあ・・・と
岩崎さんマジで凄かったです。

その流れを受けて海北さんも再びカバーナンバー「愛燦々」
これがまた・・・すっごく沁みる出来栄えでした 海北さんの声・テイストにぴったりの選曲で
会場で聴いてるのにどこかの電車の中で窓の外の景色を眺めながら聴いているのかのような、
要するに「トリップ感」が強くあってなんだか泣きそうな、
或いは逆に微笑みたくなるような
感情に作用するタイプの抜群のカバーに仕上がってて。このパートはお二人ともすごかったですね(笑
なんかまた聴きたい・・・

そういうしみじみするパートの次に「Daylight」を持って来て盛り上がりを演出する構成もさすが
会場みんなで歌って拍手して、海北さんにラップを無茶ぶりする岩崎さんも面白くて(笑
バンドのライブみたいな熱気と興奮が生まれてた地力にさり気に感動しました
ここで再び「犬の腹の如し」を歌うと
また源ちゃん登場
今度は黙々と海苔とビールをつまみながら、という芸の多彩さ(?)もまた面白かった
ちなみに絵描き歌のタイトルがなぜ「犬の腹の如し」なのかというと
今の金髪の源ちゃんの頭がゴールデンレトリバーの腹みたいだから、という理由だそうです
「誰がゴールデンレトリバーのお腹やねん!」と何故か関西弁でツッコミしてました

前回のワンマンでも聴いた「ばらの花」、
あの時以上に洗練されてた気がして原曲好きとしても納得のクオリティ
溶けるような歌声のハーモニーは段々と熟成されつつある手ごたえを感じました
最後は「岩海苔のテーマ」を和気あいあいと歌いながら本編は終了
源ちゃんもノリノリでタンバリン叩いて踊ったり笑いと多幸感に包まれながら終わりを迎えました

アンコールはなんと時間の都合でなのか?その場で敢行されました
まずルーパー(同じフレーズをループさせる機材)を使って「どーもすいません」という言葉をねじ込んだ
「石コロブ」からスタート 若干名曲台無し状態になってましたが(笑
それでも普通に成立してしまうセンスに脱帽
この頃には海北さん「ニャー」ってフレーズをループさせたり口調が可愛らしげになってたり
相当酔っぱらってる印象でした お酒を飲みながらのまったり系ライブだったので(笑
岩崎さんも「可愛いおっさんがおるわ。可愛いんだけど、何度見てもおっさんなのよ」と適度にイジりつつ
何故かいきなり長渕剛の物真似をやり始めて堪らずに爆笑してしまった(笑
爆笑してしまった、と書いても細かい雰囲気は伝わらないかもだけど
酔っぱらってる雰囲気の上にいかにも酔っぱらいがしそうな行動を重ねられたので堪らなかったんですね
なんつーか、「楽しすぎ」って形容が最も似合う瞬間の連続だったと思います
最後の最後は「岩海苔さよならのテーマ」で最高に心地良いメロディで締められました
この曲を小ハコで聴いてると本当に家庭で聴いてるかのような居心地があるから不思議です
ぽっかぽかのナチュラルな温かみを存分に感じながらほろ酔い気分でライブは終了
お酒はドリンクチケットで引き換えた一杯しか飲んでないはずなのに
何故か自分まで酔っぱらった気分になってしまった
とてつもない「居心地の良さ」が往々にして感じられた岩海苔らしさ満点のライブでした
今度はあんまりタームを置かずに参加出来たらいいなあ、なんて思います。最高の夜をどうもありがとう!













セットリスト
(第1部)
1.岩海苔ニューイヤーのテーマ(岩海苔)
2.あかり(岩崎慧)
3.約束(海北大輔)
4.快楽主義者(岩)
5.ハローイエロー(海)
6.解体新書(岩)
7.背中のバラッド(海)
8.神通力(岩)
9.終わりのない歌(海)
10.犬の腹の如し(岩海苔)
11.岩海苔ノーミュージックノーライスのテーマ(岩海苔)

(第2部)
12.イワーノリスマスのテーマ(岩海苔)
13.30(海)
14.手紙(岩)
15.愛燦々(海)
16.Daylight feat.海北大輔(岩)
17.犬の腹の如し(岩海苔)
18.ばらの花(岩海苔)
19.岩海苔のテーマ(岩海苔)
  
アンコール
20.石コロブ(岩)
21.岩海苔さよならのテーマ(岩海苔)

















多分岩海苔好きな人はそれぞれの本業に負けないくらいこのユニットを気に入ってると思う
なので今後も定期的に新曲を出したりライブやったりして活動を続けて欲しい
次はワールドカップの季節らしいですが、それもまた楽しみですね
貴重な瞬間だらけの3時間超でした。

個人的ハイライトはのっけから掴まれた「ニューイヤーのテーマ」、
渋谷系の物真似との調和が神レベルだった「快楽主義者」、
生で聴けて本当に嬉しく洗練されたテイストもまた気持ち良かった「背中のバラッド」、
ソウルフルな歌声が胸に響いた「神通力」、
工夫溢れる「手紙」のカバーにトリップ感の強かった「愛燦々」のカバー
この日一番の盛り上がりを演出出来ていた「Daylight」、
そして心からあったかい気分にさせてくれた「さよならのテーマ」が特に印象に残った・・・って
そういう曲多すぎですね(笑 でも基本ラフなスタイルながら歌はどれも一級品っていう
そのバランス感覚こそが最も岩海苔らしいのかなと改めて思いました。
素敵な瞬間の連続でしたね。




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