超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

LOSTAGE「LOSTAGE」 全曲レビュー

2010-09-13 01:54:03 | 音楽(全曲レビュー)



久々の全曲レビューです。今回はLOSTAGEの「LOSTAGE」です。


と、言ってもね、このアルバムに関して言えば
もう飽きるくらい書いてる気がするし
それに加えてツアー何箇所も参加したもんだから、そこのレポでも普通に感想書いちゃってるんですよね。
個々の楽曲を。
しかし!それでもこの全曲レビューシリーズでこのアルバムを取り上げなければ
自分的に嘘になってしまうというか
ちょっとダメだなっていうか。基本的に全曲好きなんでツアー参加はやたら楽しかったです。
という訳でツアーの感想なんかも交えつつ、の全曲レビューって事で。
これ、傑作だと思います。2010年の。




1.ひとり

イントロの段階でガツンと来る。一言でキラーチューンですね。
正にLOSTAGEが演るべき曲、というか
非常にらしさ溢れる、ロックのダイナミズムに満ちた楽曲になっています。
メロディとかも良いんですけど
聴くべきは、やはり間奏の部分とか、繰り返しのリフ。
オルタナティブ・ロックの見本のような、アンサンブルの気持ち良さはいつ聴いても相当にノれる。
再始動の作品の一発目、
としては申し分ない楽曲です。個人的に印象的だったのは新代田かな。初日の。



2.断層

とっても切れまくりのロックチューン。
狂気どころか殺意すら感じさせるボーカルの凄まじさはいつ聴いても圧巻。
聴き手にショックを与える気マンマンで
人畜無害、って言葉の正反対を往くソングライティングにワクワクさせられるばかりです。
ロックバンドはこうであって欲しい、というか
ロックバンドがやるべき曲、というか。
また一つ新たな定番が生まれた気も。 ピリピリした空気感が非常に刺激的。
ライブではどこでも鉄板でした。
五味兄はオオカミのようでした。



3.BARON

で、これは前2曲と違ってメロディ重視の曲ですね。
もちろん、カチッと決まったバンドサウンドもとても気持ち良いんだけど。
聴かせどころが最初から定まっている感じで
それを考えると今作の中では親切な部類の楽曲、に入るかも。詞も含めて。
 これは、やっぱり渋谷クアトロが一番だったかな。広がり的に。



4.裸婦

サックスを取り入れた楽曲。ライブでは時々ゲストで来てました。本人が。
途中まではいつも通りの
不穏な空気感漂うムードで進むんですけど
サビになると、ふと感情がポロッと零れ落ちた、みたいな
メロウな感じが一気に広がっていくのがたまらない!って一曲。何気にすごく好きです。
 これは間違いなく初日の新代田、ですね。音もデカかったな。



5.カナリア

これもまた、グツグツと煮えくり返ってるかのようなロックチューンで
いきなり聴き手に食って掛かるような歌も素敵なんですが
個人的には歌が終わった後のバンドサウンドの高まり、も是非!といったところで。
むかっ腹に来た時とかに聴いても気持ち良いかも。
そういったうっぷんを晴らしてくれる、みたいな良さがLOSTAGEにはあります。ベース音が特に躍動的。
 この曲はかぼちゃ屋かな。ハイライトだったのは。



6.TOBACCO

とても純度の高いギターポップ。唯一、と言っていいくらい浮遊感というか
ポップな感触がある。コーラスワークも賑やかで聴いてて楽しいです。
とはいえ詞はとても意味深、というか
引っかかりのある感じになっていて
逆にこれ不穏なんじゃないの、って思えるのが、実にLOSTAGEらしい、というか。
ある意味ラリってるかのような
そんな感覚も持ち合わせている面白い楽曲です。
 どこが良かったかというと、どこも良かったんだけど敢えて選ぶとしたら渋谷クアトロ。



7.喉

すっごく地味なんですけど
すっごく地味なのが、逆に楽しい、というか。すごく突き詰めてるんですよね。音を。
ギッと神経を集中させてるかのように鳴らされる一音一音
と思ったらギターが主張する部分もあったりして。
これは柏が一番秀逸だったかも。



8.眩暈

8ottoのマエノソノマサキをゲストに迎えての一曲。
煙がモクモクと出てるような、モワッした空気の一曲ですが
じっくり聴くと、やはり良い。
LOSTAGEは先天性のある曲だけじゃなく、聴き込む系の曲も得意なんです。って事を証明する一曲。

「借り物はそう借り物」

ってフレーズが微妙に突き刺さったりします。 この曲は、かぼちゃ屋かな。



9.夜に月

改めて聴くと、とてもスタイリッシュな曲ですね。
この中では割と薦め易く、聴きやすくもある感じ。
それでも洗練された雰囲気もきちんとあるので、必要以上に譲渡してない感じがとても好きです。
ギリギリでこっち側、LOSTAGE側、っていうか。
一旦歌い終わったあと、また再開するっていう構成も凝ってて好きだ。
ファン人気も高そうです。 この曲は渋谷タワレコのインストアが一番ガツンと来たかな。岩城のドラム!




全体的にまとめると
それこそ90年代中ば~後半にかけて出てきたようなストイックなロックバンド
それはブッチャーズであったりeastern youthであったりNUMBER GIRLであったりfOULであったり
NAHTであったり、もしくはそれ以前のバンドだったり。
を好きな人、好きだった人にとっては、正しく求めてる音というか
それらの影響を受けつつ(多少推測)も、新しいものを生み出しているな、っていうか。
その流れの中にいつつ、それらのどれとも違う音を出しているのがまた凄いって言うか。
 最近ストイックな、カツカツに鳴らしているようなロックバンドがいないな、
って思ってるような方には是非聴いて欲しい一枚であり
同時に若い世代にも
ストイックなロックンロールの良さ、切れたサウンドの良さを知って欲しいというか。
LOSTAGE的にも、また新たな名刺代わりの一枚、が出来たんじゃないかと思います。
2枚目のファーストアルバム、的な。
そんな表現が特に似合う一作ですね。
時間も短めなので、正直何度でも聴けてしまう。のも素敵です。





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