超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

THE NOVEMBERS「paraphilia」全曲レビューその3「keep me keep me keep me」

2012-09-01 23:25:32 | THE NOVEMBERS 全曲レビュー






9月最初の更新です。通算27曲目。








3.keep me keep me keep me






まず、「○」って形の人間と「△」って形の人間が居るとして
それらが共に行動したり、話をしたり、行きたい方向に目を向けると
確実に重なり合わない部分が出てきますよね。
見た目だけで違うんだから
何を考えてるか、何を思うのか、何をしたいのか、そのどれもが一緒なんて事はあり得ない
「○」の大きすぎる欲望や願いは「△」には受け入れられず
「△」の足りない、欠けた部分は「○」にとっては理解すら出来ない
だからこそぶつかって、不協和音が鳴って
一緒に歩く事が出来ない
言ってしまえば、ある種「分かり合えない」なんてのは最早事実であり当然の事象でもあるから
それに対して「なんで?」って思う事自体がその意味では不毛な行為だったりすると思うんですけど。


「間違いは持ちきれない
 償いは置く場所がわからない
 本当は誰も悪くないと
 誰かが言っていた」

そう、本当は誰も悪くないっていうのは一つの真理だとも思うんですよね。
だって、元々生まれ持った形なんて、物心が付く頃には自分の力で変えようもないでしょう?
「○」である自分を悲しむな
「△」である自分を恥じるな
それが確かな自分自身の形なのであれば
それを受け入れて進むしかない、削れる箇所や補填出来る箇所にも限界は存在する
ならば、持ちきれない間違いと、置く場所が分からない償いを抱きながら
あなたはあなたのまま進みなさい
結局、正しい選択ばかりをする事は出来ないし
生まれ持った形が違う以上誰も傷付けずに生きるなんて事も不可能で。

「割り切る」、、、ってのは御幣があるかもしれませんが、
時には納得する事も前に進む為には必要な事でして。
そうやってここまで生きてきた
から、そういう狭まの時間には、こういう曲が必要なのかもしれない・・・と
個人的には思います。
何かに懺悔する様な気分で聴きつつ
今までの自分の選択に何らかの意味があったと信じて、
迷いながらも
自分を保つ、という辛い道を選んだ
そんな愚かでありながら、芯を捨てなかった人間に捧げる精神の鎮魂歌です。
サウンドとメロディは淡々として、歌は囁くように優しく歌っている
多少地味目なナンバーではありますが
きっと歌詞の一つ一つにハッとする要素はあると思うので
じっくりと、部屋で出来ればひとりで浸って欲しい、そんな派手さはないながらも重要な一曲です。
間違ってても、間違ってはいない。というのは若干矛盾してるようですが
感覚的にはよく分かりますね。
確かに失ったものはあったけれど、
失った事で得たものもきっとあるはず。
そんな事を思わせるノベンバ流のヒーリング・バラッドです。







「もう大丈夫だよ 忘れにいこう」






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