超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

異国迷路のクロワーゼ 1~2巻/武田日向

2011-07-03 14:02:20 | 漫画(新作)





武田日向「異国迷路のクロワーゼ」1~2巻について。詳しいネタバレは避けてお送りします。




この漫画は2年に一冊ってペースで出てるんですね。
だから最新刊が出たのも2年前なのです。
で、ここで一つ因縁がありましてですね、その2年前に一本レビュー書いてアマゾンの方に投下したんですが
それが未だに反映されてないって事態なんですよね(笑)。自分の記憶が確かならばね。
その後何だかんだで書くタイミングは見失なっちゃってたんですが
いい機会なので今書く事にします。
改めて読んで思ったんですが、この漫画は2巻の時点で名作と断言しても良いレベルですね。
個人的には「GUNSLINGER GIRL」好きな方にはウケるんじゃないかな~。
まあ湯音は一応元気な体ではありますけどね。


この漫画を読んだきっかけ、っていうのは結構変わったものでして
姉の友人が「あんたの弟こういうの好きでしょ?」みたいな感じで薦めてきたって話で
渡されて読んだんですけど
一度も会ったことのない人に「好きでしょ?」とか言われても、とか
そこまで見透かされてるのか?とかその時点で思って
多少穿った目で最初は読んだんですけど
気が付けばめちゃめちゃ感動してた、っていう(笑)。「確かに好きだわ」って正直思いました。

日本の長崎の少女が、
異国パリの地で奮闘する物語。
でも、それって湯音だけじゃなくて
相手も相手で戸惑いがあったり、文化の違いで困惑したり
すれ違ってしまったり・・・っていう
思った以上に「文化圏の違い」ってテーマをガッツリ書いてる物語なんですよね。
だから単純に海外の景色がどうとか
日本情緒云々の作品ではなく
もう少し深い所までツッコんでいる作品なんですけど、
その分お互いの最大公約数?いや、この言い方は少し違うかな。
互いの気持ちを重ね合わせて分かり合えた時の感動は言葉には出来ないくらい素晴らしいですね。
非常に丁寧な作画に、丁寧な心理描写。
奥深いテーマ。
もうこれだけで鉄板レベルなんですが、その上、やっぱり安易に悪者を作らない良さもありますよね。
一見敵に見えても
その実考えがあって、その中で自分がどういう行動を取ればいいのか考える。
その結果少しでも分かり合えたら良いんですけど
それをじっくりじっくり
グツグツスープを煮る様に描いてくれてる物語。
この漫画を読んで何度も泣きそうになるんですけど、それはきっと
人間の根本的な優しさとか思いやり、それをしっかり描いているからなんだろうなあ、って思います。
これは単純にどんな人間が読んでも面白い漫画なんじゃないですかね。
これをそのままのクオリティでアニメにしたら
正直とんでもない事になる予感もするんですけど
でもやっぱり原作が良すぎる事による不安はあるかもしれない。漫画的表現に於いて高レベルですから。
その分これから始まるアニメにも、アニメならではの魅せ方を期待したいですね。




ちなみに私的に特に好きなのはあの孤児の子供に湯音の気持ちが伝わった話と
汐音さんとの関係の話、
それと2巻の最後の話は本当の意味で鉄板でしょう。
鳥肌が立つくらい素晴らしかったと思う。





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