もりしげ「サクラサクラ」2巻読了。
皮肉な事に生まれる時代は我々は選べないですから
どうしても上の世代が犯したツケが下の世代に回ってくるものです
それに対して服従するでもなく嘆くでもなく自分達の力で変えていこうとする意思
そういうものを表現したいのかな・・・って思いました
最後の世代も新世代も両方ともある種悲しい存在ではありますけど
だからこそ今もう一度抗って自分達の意思を貫いて新しい時代を作って行こうとしている
その姿はきっと単なる王道ラブコメって印象以上のメッセージ性が含まれてるのでは・・・、
と個人的に解釈しています
勿論深読みの可能性もありますけど
少子化云々は置いといてちょっと現実でも似たような事があったり
どうも他人事には思えないのですよ
今自分が次の世代のために頑張ってそのツケを解消出来てるか?って言えば間違いなくNOですし
そういう新しい時代を作っていく姿勢には学ぶものがあるんじゃないかと
改めて読んでいて思ってしまいました
ただ決められたシステムに従うのではなく
しっかりと自分の意思と覚悟を提示して最後の世代の幸せを守った春くんの勇姿
元々桜子と春っていうのはある種の出来レースだった訳ですけど
桜子の素行の悪さを知ってからは都合良く彼彼女らを引き離そうとした
でもその間にきっかけや接近があって段々通じ合っていた訳で
思い通りになったようで
思い通りには決してなっていない
そういう流れが非常に秀逸だったなと
決められるよりも
決めていこう、と
散々思い通りに動かされてきたからこそ、ここからはきれいな復讐を見せて欲しいですね
自分達の時代は自分達の手でしっかりと作ってしっかりと幸せになろう。
そういう意思を感じさせる実はかなりのメッセージ性に長けた作品だと思っています
こういう作品が出てきた事は個人的には嬉しいですね
王道ラブコメと
シビアな設定を乗り越える展開との二枚看板
これによって作品に深みが出ているのが流石だと思いました
これからもこの調子でどんどんとグッと来る展開を生み出して欲しいと思う
状況を投げ出さず状況を嘆かずそれでも懸命に青春を楽しもうとするみんなの姿が素敵でした。
で、王道ラブコメの部分なんですが
この作者は本当にラブコメっぽいシーンを描かせたら外れがなくて最高ですね
私個人的には桜子が大好きでめっちゃお気に入りのヒロインなのでどんどん進展して最高でした
ボディタッチによる意識っていうのも元々鈍感だった春的には自然な流れではあるし
何よりそれによりラブコメっぽさが更に増したのは大きかったですね
どのシーンを切り取ってもニヤニヤするし
目の保養にもなる
そんな正に横綱相撲とも言うべき鉄板のラブコメ模様に終始ニヤつかざるを得なかった2巻目でもあり
同時に桜子というヒロインの可愛らしさといじらしさに夢中になってしまったのが個人的な事実
桜子の魅力は大和撫子ド真ん中を往くキャラデザにあると思います
正に日本人好みの風貌というか・・・
それでいて気品もあるのが最高なんですが
なのに性格はちょっと尖ってると言うのもまた予想外でギャップがあって好きなんですよね(笑
王道から逃げないキャラ設定というか、王道をキレイに撃ち抜いてる感覚が実に素敵です
それでいて絵柄が昔より洗練されてるからより可愛く思えるという
いい仕事してますね~、と思わざるを得ない
相変わらずのお色気シーンも読んでて嬉しいし楽しいし
でも女の子視点と男の子視点を使い分けてるような印象なので
そこまで偏っている感覚もない
割とフラットに読める隙間が実に良いですね
本当にこのメイン3人の物語なんだな~、って思えるのが良い
少年誌に於けるサービス含むラブコメのイメージを過不足なく地で再現している印象なので
変化球が多い今となっては逆に新鮮味を感じられるのも個人的に面白いです
どんどん可愛くなっていく桜子、
どんどん男の子になっていく春の姿は
ただただ追い駆けているだけでオートマティックに楽しめる安定感がありますね
勿論今はまだ表面化していないポテンシャルを秘めた敷島さんのいずれの参加も期待しつつ
本当に頭の中に描いている王道ラブコメってものを綺麗に楽しめる内容に感動した
桜子の問いかけも大胆な行動も天然の目配せも
春の興奮も我慢も高潮もどれもこれも良いシーンばかりで
もりしげさんの真骨頂を見せてもらったような気分になれました
そういった基本であるラブコメパートの面白さと丁寧さは保証されてると思うので
王道に思いっきり浸りたい人にも推したいタイトルではありますね
前述のようにメッセージ性も加味されている事からそれ以外の部分も順当に楽しめるだろうと思います
シンプルな部分とシンプルでは済まされない部分が上手く融合してるのが良い塩梅だと思う
キャラの可愛さも奥深いメッセージも沁み入る最高の2巻目でした
いつか彼らの行動が実を結べば良いと思う
まだまだ美味しい設定は眠ってるようなので続巻以降も、勿論期待です。
それにしても肌と肌が触れ合う描写が多々あったのは本当に良かったですね
良かったというか、有り体にドキッとしたというか(笑)。
それでも軽薄な感じがあまりしないのは
キャラ自体がしっかりしてるからなんだろうなあ・・・とつくづく思います
桜子はただ単にヒロインヒロインしてるだけじゃなく行動力も反骨精神も宿ってるしね。
ストーリーがきちんと面白くて、お色気も十分と正に理想に近い内容で個人的に大満足でした。
オマケとしてダブルヒロインの設定も載ってるのも嬉しかったです。
桜子も、敷島さんも相当感情移入出来るヒロインですね。素晴らしい。