超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12巻(最終巻)/伏見つかさ

2013-06-07 17:20:34 | 俺の妹がこんなに可愛いわけがない


















*ネタバレかますので注意。
























あの・・・正直嬉しいです
こんなに最高の結末は中々ないかもしれません
まさかストレートに桐乃と京介がくっ付くラストとは予想していませんでした
じゃあどういうラストになるのかと思ってたかと言えば、ぶっちゃけもっとお茶を濁すかと
ここまで関係をハッキリさせて終わるとは思ってなかったなあ・・・
告白した上キスして、更にプロポーズまでするだなんて
冷静に考えると京介は変態とかそういうレベルじゃないですね(笑)。
両方とも頭おかしいよ!
でも・・・この手の作品って結局最後はごまかしたり曖昧なまま「続くのだ~」って感じで終わったり
義妹エンドだったりと逃げるオチが本当に多いように昔から感じてたので
その意味じゃ正攻法で攻め切った、という印象ですね
よく誤魔化さずに書いてくれた、
これではっきりとこの言葉を口に出す事が出来ます。

「俺妹の原作は最高の内容で、名作だった。」って。

ぶっちゃけ桐乃エンドじゃなかったら
「個人的には良作でしたね。」ってお茶濁した感想書くつもりでしたもん
これで心からこのメディアを祝福賛辞出来ます。
それまで溜めに溜めた分だけ桐乃とのイチャラブ成分が噴出してしまったような素晴らしい最終巻でした
本当は言葉なんて必要ないくらい素晴らしいとすら思ったんだけど、敢えて言葉にしてみました
私は初めっから桐乃とは恋愛的な意味合いで結ばれて欲しいと思ってたので
その意味じゃ最終巻にしてようやく見たいものが見れた印象
桐乃派としては本望とも言える終わり方でした。


色々感じた事はあるんですけど・・・
ただ、他ヒロインが好きなら分からないですが
桐乃に感情移入してきて彼女の禁忌的な恋心を応援して来た人にとっては
正に最高、過不足がない終わり方になっていると思うのですよ
何一つ誤魔化さなかったし、
流石に行為には及びませんでしたけど(笑
でも一応Bまではやったしちゃんとした告白のシーンも、一生愛すと決めたプロポーズもあって
期間限定で恋人になった後もキスしてたり何だかんだいって延々と付き合うんだろうなあ・・・というオチ
加えて桐乃の前で他のヒロインを振ったりと正に聞く耳持たずの妹への溺愛っぷりが本当に凄い
結婚式まで挙げちゃう始末だし、
ここまでやったら今まで散々イチャイチャを望んできた読者としては満足せざるを得ませんでした
もう京介も本当にくそバカで、だけどある意味めちゃめちゃ潔くて格好良いし(笑)。
桐乃は桐乃で読んでるこっちが蕩けてしまうくらいに可愛すぎるし
今までの二人は何だったの?って思うくらい
濃厚な愛し愛されっぷりを貫くエンディングは賛否両論だとは思いますが
あくまで個人的な感覚ですともう最高にニヤニヤしちゃって堪らなかった、というのが本音なんです
桐乃は昔っからこういう関係になりたかっただろうから夢が叶って良かったって気持ちもあるし
京介もようやく自分の本当の気持ちに向き合える事が出来たし・・・
後半は完全に妹至上主義になってた事から
自然に受け入れられたかな、と
何より京介の横にいるのはいつだって桐乃でいて欲しい、という想いが個人的にはあるので(笑)。
私的にはこのまま二人だけの世界を貫き通したまま強く生きて欲しいと願う
それは無責任な後押しのつもりでは全然なくて
京介なら、
桐乃なら、
きっと大丈夫。という確信めいた想いが胸の中にあるからです
これまでどんな困難も意地と根性で解決してきた二人なら、そこまでの想いの強さがあれば、ずっと。
そう期待させるような最後でもあったので迷わず肯定しようと決めました
これが最終巻を読んで私が感じた事の総て、でした。

「俺妹」は正直最後までどういうエンディングにするのか予想の付かないお話でした
途中他の女の子と付き合ったり、なんとなく家族として好きだ~ってオチが鉄板なのかな・・・と
一度悟ったこともありました
だからこそここまで正攻法のオチには驚かざるを得なかったというか
まあ有り体に終始ニヤニヤが止まらなかったんですけど(笑
その意味じゃ最後までドキドキしながら読めたかな、って
最初から結末が分かりきっている物語と違って
実妹という最大のネックがあったからこそ「どうなるんだ?」っていう期待と不安があった
だからこそ一つのラブコメディとしては珠玉の作品だったんじゃないかなあ、って読み終えて思います
最初からこういうオチになるでしょ、って予想していた人はそこまでいなかったはず。
なんで、こういう流れになったのは私得以外の何者でもありませんでした

また、もう一つラブコメディとして珠玉だと感じる点として
他の一度でも京介に想いを持ったヒロイン達全員に真っ向から京介が対峙する
所謂鈍感で済まさない誠実があるなあ、という部分ですね
あやせ、黒猫、加奈子、櫻井、そして麻奈実・・・
分かりやすい言い方で言えばこの子ら全員を京介が真っ向から振るシーンがあります
想いを伝えなかったままに終わったヒロインは、
想いを受け取ってもらえずに終わったヒロインは誰もいない
これって何気に凄いことなのでは、、、と思いつつ
そこに思い遣りというか
一人一人のヒロインにページを割いてあげる優しさなんかも感じたりして
そういう誠実な描き方もまたいいな、と思ったのでした 時折泣きそうにもなりましたけど
彼女らへの引導がある意味京介の桐乃に対する想いが伊達じゃないって事を証明してたのも事実
そう考えるとこの作品はハーレムにする必然性のあった物語なのかな・・・とも思えてきて
そこもまた個人的には褒めどころの一つですね
でもだからといっておざなりにされたキャラは一人もいない、というのもいいなと感じました
京介は結果的に一番選んじゃいけない道を選んでしまった訳ですけど
個人的には桐乃に一番感情移入してましたし
桐乃ちゃんの願いを叶えて欲しい、とも思ってたので
正直な話彼にはありがとうを言いたいな、と・・・。桐乃を選んでくれて、本当にありがとう。


それにしても最終巻もまた読みやすくて面白かったですね
ラノベ=読みづらいもの、独自の世界があって入りにくいもの、という勝手なイメージは
この作品が初めて壊してくれました
尻上がりにきちんと盛り上がる構成に至極入り込みやすい文章
くっ付きそうで中々くっ付かない展開にヤキモキさせられたりと
本当にフルで楽しみ切れた感じがします
11巻で思いっきり拡げた風呂敷を一つ一つ丁寧に畳んでいく展開は正に「気持ち良い。」の一言
全員の想いに応えたし、桐乃の秘密も想いも明かしたし、物語はこれ以上ない形で本懐を遂げたし
最後に麻奈実との対決が待っているという構成も最高に燃える事が出来ました
大分傷跡もついちゃった気もしますけど、
その分選び取れたものの大きさと尊さが胸に沁みる・・・
そういう巻だったと思います
誰が何と言おうと個人的にはそう思います
最初のカップルデートから、ホテルでお泊り、そして告白にプロポーズ、
しかも桐乃も告白しようと思ってた、という嬉しいサブ設定も込みで(笑)。
その後の桐乃への軽い胸タッチから
麻奈実の前での改めての愛の告白、
そして結婚式・・・の後も変わらずにキスする二人の光景と
もうおなか一杯食べさせられた印象でおかわりの余地もないような至福の内容でした。
とにかく、桐乃を少しでも好き、或いは大ファンって人は必ず読むべきかと
特に何も語らずとも見たいものはバンと広がっていると思います
私自身絶対に桐乃派だという想いなので
これ以上ないくらいの最終巻だと感じ名作だと思えた、というのが本音の本音ですね。
最後の最後にイチャラブっぷりを120%のボリュームで見せ付けてくれた伏見さんに私は感謝をしたい。
印象に残るシーンしかないような素晴らしい12巻でした。面白かった!











それにしてもこの巻の桐乃の可愛さは筆舌にし難いものがありますね・・・
何とか表現しようと頑張っただけど表現し切れませんでした
読み手が蕩けちゃうくらいの可愛さ、
とでも言えばいいのかな
それくらいの天使と王子様っぷりを繰り広げる怒涛の結末に是非目を通して欲しい
実妹エンドは色々波紋もあるだろうけど、個人的にはこれ以上の正解はなかったと思いますし
同時にこれこそが私が心の底から望んでいたエンディングだったので賛辞以外に言う事は一つもないです。

個人的には大好きな「恋風」と同様の結末を辿ってくれた事が嬉しくて仕方がない。
やっぱりその題材で描いたならば逃げずにここまでやり通して欲しいものだ。
本心から思う。


最後にもう一言だけ、
作中のキャラには誰にも祝福してもらえなかったので私が敢えていいます
「京介、桐乃、おめでとう。これからも末永く幸せにね。」って。
また何度も思い返すと思いますし
ずっと心に残るような内容になったかな、と。
ここまで本気で読み手を楽しませてくれた事に、本気で感謝します。
ラノベは基本苦手ですがこの作者が書いたものならまた次回作も読みたいな、って思います。
愚かしくも、間違いを地で往きながらも、それでも美しく素晴らしかった結末に敬意を表して。
改めて、ありがとうございました!!