アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

映画「ペンタゴンペーパーズ」

2023-08-15 17:11:33 | アンティマキの焼き菓子とパン

   ウォーターゲート事件の数年前に、実際に起きた事件を元にした映画。ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 - Wikipedia

   1970年代初頭、長引くベトナム戦争に対して、国民の間で反戦機運が高まっていたころ、国の最高レベルの機密文書作成にかかわった人物は、政府が国民に流している戦況報告に嘘があることを知ります。その彼が機密文書を持ち出して、ニューヨーク・タイムズがスクープ。その機密文書の名前が「ペンタゴン・ペーパーズ」。

   当時大きくなりかけていたワシントン・ポストの編集主幹(トム・ハンクス)は、この事件を追うことを決意。しかし、偶然手に入った秘密文書の残りも、ニューヨーク・タイムズに先取りされてしまう。だが、政府はタイムズ紙に記事の差し止めを要請。窮地に立たされたタイムズ紙にかわって、ポスト紙の編集主幹はさらなる文書の入手を試み、スクープを狙う。法律違反となるとポスト紙の将来が危うい。危惧する、ポスト紙の発行人(メリル・ストリープ)と彼との丁々発止のやり取りが見もの。

  最終的に、ポスト紙は記事の掲載を成し遂げますが、それを法律違反とする政府との間で裁判となります。そしてその裁判で・・・・

  政府の嘘を、自社の存亡をかけて暴こうとするジャーナリストたち。彼らに対し、当然のことながら筆頭株主?は反対しますが、発行人は最後にジャーナリストの矜持に組します。迫力ありました。

  いつも思うのですが、日本ではこういう映画はほぼつくられない。それどころか、政府に関わる事件が何か起こっても、大手メディアが追求し続けることはとても少ない。大いに不満です。

  

   

 

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映画「無言歌」

2023-08-15 16:30:50 | 映画とドラマと本と絵画

   監督は王兵。中国のドキュメンタリー映画の監督ですが、彼にとっては初の長編劇映画だそう。舞台は、文化大革命直前、反右派闘争によって捕まった人たちの収容所です。

   ゴビ砂漠にある収容所は、穴倉。草も木も生えていない土地で労働に従事する人たちは、さまざまな理由によって投獄されている。ついこの間まで反右派闘争の先陣を切っていた人もいる。若い人だけではない。老人も病人も穴倉に置かれたベッドだけが自分の場所。わずかな食べ物だけで生き延びるために熾烈な争いも起きる。人肉嗜食の疑いをかけられた受刑者もいる。見渡す限り薄茶色の砂漠の風景の中で、黙々と働く人たち。党の方針は突然変わることもあり、看守たちも翻弄される。

「1960年、中華人民共和国の反右派闘争によって、多数の人間が甘粛省の砂漠にある政治犯収容所に送られ、強制労働についていた。董建義(ヤン・ハオユー)は、自分の死体を妻が持ち帰ることのできるように手配してほしい、と李民漢(ルウ・イエ)に言い残して命を落とす。その後、董顧(シュー・ツェンツー)が夫を探して上海からやって来る。彼女は夫の死を知らされ、泣き崩れる。数えきれない人間が葬られている砂漠で夫の死体を見つけることは不可能だと周囲の誰もが考えたが、彼女だけは決して諦めることなく、夫の死体を探し続ける。」(無言歌 (映画) - Wikipedia

   セリフは少なく、音楽はない。文字通り「無言」歌。「歌」は彼らの心の中だけにあるということなのだろうか。暗く、単調なのに、つい見続けてしまいました。遣る瀬無い。

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