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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界経済の危機度。 dangerous limit of world economy

2016-05-27 19:54:03 | 日記
 (1)安倍首相が昨日のG7伊勢志摩サミット首脳会議の最初の議題の「世界経済」で08年のリーマンショック直前と似ている(報道)と経済データを示して言及して「世界経済は分岐点にある。政策対応を誤ると危機に陥るリスクがある」(報道)と強調した。

 出席首脳の中からは「現状は危機とまで言えない」(同)との反論も出たといわれて世界の認識は一致していない。
 安倍首相が示した経済データも数値上はリーマンショック時と似ているが、専門家からは今回は時間をかけてゆっくり変動したもので、リーマンショック時の急激な変動とは経済環境の違いがあるとの意見もある。

 (2)しかし安倍首相はG7サミット首脳会議での議論を通して、来年4月の消費税10%引き上げを世界経済の変動を理由に再度延期する布石を打ったと受け取られている。

 先の国会党首討論で民進党の岡田代表は安倍首相が約束した来年4月の消費税10%引き上げを実施できなければアベノミクスの失敗として総辞職すべきだと迫っており、矛先(ほこさき)をアベノミクスの失敗から世界経済の変動に変えたとみられる。

 (3)その民進党はG7サミット首脳会議前日の25日に消費税10%引き上げを来年4月から2年間延期する法案を国会に提出した。安倍首相の今回のG7サミット議論による消費税10%引き上げの再延期への布石と民進党の2年間の引き上げ延期の方向性は一致しているが、その政治責任の見方は前述のとおり異なっている。

 党首討論で岡田代表は来年4月は引きあげられる経済状況になく、2年間延期して2020年のプライマリーバランス(primary balance)黒字化目標は堅持して、19年4月には何としても消費税を引き上げる必要性を主張した。

 (4)これに対して与党からは「民進党の増税延期は『無責任』だ」(報道ー『』は本ブログ注)という声が聞かれた。
 消費税引き上げはその税収増を社会保障の不足する財源に充てることが決定しており、財源不足が続くことへの批判だ。

 しかし「無責任」なのは政府、与党の方ではないのか。少子高年令化社会の到来があきらかな日本社会の中で、これまで有効な手立て、政策を取ってこなかったのは長期自民党政権のほうだ。

 (5)今さら少子高年令化社会の中で社会保障の財源不足を今日的社会の国民投資(税負担)に全責任を押し付けて、次世代社会に問題を先送りしないなどと言われてもそれこそ政府、自民党の「無計画」、「無責任」政治といわざるを得ない。

 1000兆円を超える国家累積赤字の膨大な負担をどの時代のどの世代がどれだけ公平に負担するのか、計画的行程表を示す必要がある。

 (6)G7サミット首脳会議でも世界経済の安定推進に対して財政出動(日、米、加、伊)か構造改革(独、英)かで意思の相違が見られる。
 オバマ大統領は「金融改革、構造改革もバランス良く」(報道)と述べているが、長期的な視点からの世界経済の持続的な(sustainable)安定には構造改革(innovation of organization)は避けて通れない。

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