いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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私的な財津和夫論。(第23回) private essay about k. zaitsu

2011-08-02 19:39:08 | 日記
 「私的な財津和夫論」の第23回は、「ロンドン・オリンピック」です。
 23 ロンドン・オリンピック
 来年の夏にはロンドン・オリンピックが開催される。開会式のオープニングセレモニーにあわせて、「ビートルズ」の再結成の話題が出ている。ポール・マッカートニーは否定しているが、現在も音楽活動を続けるポール(B)、リンゴ(Ds)に故ジョン・レノンとジョージ・ハリソンの子息(G)を加えた「ビートルズ」だ。

 革命的な音楽シーンの現役としてのビートルズのはじまりからすべて、ひとすじにリアルタイムで体験した「至福」の時間を持つものとしては、上記のようなビートルズ再結成構想は余興としてはいざ知らず、やはり「ビートルズ」にはなり得ないものだ。

 しかし、世紀のアスリート・レジェンド(athlete legend)ロンドン・オリンピックとなれば、セレモニーに世紀のミュージック・レジェンド(music legend)の「ビートルズ」がからまない訳にはいかない。
 当時の「ビートルズ」が何らかのアレンジメント(arrangement)で映像で楽曲で登場するのは期待していいのではないのか。
 いまだ現役のローリング・ストーンズ、エリック・クラプトンなどビートルズに影響を受けた多彩なミュージシャンも多く、ロンドン・オリンピックのセレモニーもまた楽しみです。

 ビートルズサウンドに触発されてチューリップとして音楽活動を始めた財津和夫さんは、日本のミュージシャンとして「ビートルズ」を歌う天性のメロウなハイトーンボイス、発声法、歌唱力、完成度では抜きんでた「特別」な存在です。

 チューリップとして5年目を迎えた1976年6月5日にビートルズ・カバーアルバム「all because of you guys」(すべて君たちのせいさ)を発表します。
 ビートルズのアルバム「help」からすぐれた楽曲(I need you, the night before,
another girl)を中心に選曲して、We can work it out, lady madonna, hey judeと日本にも特に支持の多い有名曲や初期のhere there and everywhere, your mother should know, black bird、mother my dear、中後期のfor no one(リボルバー)、two of us(let it be)などビートルズ・ヒストリー、クロノロジー(chronology)を幅広く踏襲したビートルズ珠玉のカバーアルバムです。

 財津さんのすぐれたボイス、発声法、歌唱力の完成度の高さに加えて、ネイティブ(native)な英語の発音のすばらしさもひかります。当時、英国人のピーター・バラカンさん(同アルバムスタッフ)に相当教育を受けたと聞いたことがあります。財津さんの英語の発音では、必要なところで舌がそのとおり内にまるまって発音されているのをよく見ます。

 1976年6月に発売された同アルバムが手元にあります。ジャケットはピンク地にチューリップメンバーがイラスト(masato Tsukamoto)で描かれてまるで「ゴルゴ13」のいづれもハンサム仕立ての雰囲気で上田さんだけがなぜか例外の扱いです。

 ジャケット裏には、東芝EMIスタジオでのレコーディング風景の写真(kenji Taguchi)。草野さん、新田さんのプロデュースコンビにデザイン大野さん、写真田口さん、バラカンさん、西田さんの当時強力スタッフによる、チューリップの財津さんならではのビートルズ・カバーアルバムです。

 このアルバムのために財津さんが制作したエピローグのアルバムと同名タイトルの「all because of you guys」では、「僕たちが言いたいことは 唯ひとつ 信じてほしい 音楽をやっている(または、やめられない)のは すべて君たちのせいなんだ」とビートルズを歌っている。
  〔転載禁止です〕

 

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