いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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共産党の自衛隊活用論。 practical use theory of the SDF of japanese communist party

2022-04-14 20:14:45 | 日記
 (1)共産党の志位和夫委員長は党代表歴としては経歴が長い。なにしろ前任者が理論原理主義者の不破哲三さんで現在は国会議員も辞めている。志位委員長はそれまでの共産党の革命政権路線から立場を変えて、自衛隊(SDF)も国民の一定の理解、定着支持を受けているとして即時違憲解消から「段階的解消」を掲げて国民政党としての立場に変換して、志位委員長の現実主義路線が一時国政選挙で勢力、支持を伸ばした時期がある。

 (2)民主党政権の誕生、その後の少数野党の林立、国民、政治の保守化思想の台頭で次第に共産党は埋没していき、前回衆院選では立憲民主党との政権構想選挙協力が国民の不安批判を受けて不発となり立憲ともども議席を減らして、立憲枝野代表は責任をとって辞任したが共産志位委員長はそんな歴史(議席を減らしての委員長交代)は共産党にはないとして現在も共産党志位執行部は存続している。

 (3)その志位委員長が近々発売の自著「新・綱領教室」で、有事の際には「自衛隊を活用する」(報道)としたことについてすでに党大会で「自衛隊の段階的解消」を目指しつつ「急迫不正の主権侵害の場合、自衛隊を活用する」方針を決めているとして、綱領(platform)に矛盾しないと主張した。

 (4)共産党は自衛隊を違憲としており、「段階的解消」論もよくわからない原理原則であり、国民に一定の理解があり災害救助などで支持が定着していることを受けての「すぐ」には違憲として自衛隊を解消するとは言えない「段階的解消」を主張しているもので、現実主義転換での国民政党向けのメッセージであり論理的矛盾はある。野党からも都合主義との批判は強い。

 (5)自衛隊を「違憲」というならいつでも自衛隊解消を訴えるべきだし、一定の存在理由を認めるなら「違憲」というべきではなく憲法上制約を強めればいい。さらに「急迫不正の主権侵害の場合、自衛隊を活用する」となれば、近年の尖閣諸島領有権での中国の領海侵入が相次いでウクライナの露の軍事侵攻が進行中で、中露とは一線を画した日本共産党の政治路線とはいえ国民の安全保障上の不安が広がる中で主権侵害には自衛隊を活用するという自民党(与党)政権ばりの発言となって、共産党の理念原理主義を一層わかりにくくしている。

 (6)日本政治の総与党時代の中で、無党派層の行き場がなくなっている政治状況にはっきり与党政権と対峙する受け皿として、国民に迎合するだけでない共産党の原理原則主義の主張展開が必要だ。
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