いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

世界がおかしい時。 when the world is strange

2022-04-15 20:26:01 | 日記
 (1)露によるウクライナ軍事侵攻に世界の耳目が奪われているが、世界は愛国(心)主義とか極右勢力の台頭が顕著になり時代が戻った印象が強い。プーチン大統領が軍事侵攻に掲げたのがウクライナ国内の親露派勢力に対する抑圧があるとする反ナチスへの対抗手段であり、今どうしてナチスなのかと首をかしげるものだった。

 (2)中国は香港統制で愛国心を踏み絵にして民主派勢力規制を強め、香港政府トップの行政長官にあらたに政治経歴のない香港民主派規制強化の元警察幹部を起用する方針だ。仏大統領選では当初現職のマクロン大統領がウクライナ仲介外交の期待で優勢と伝えられたが、終盤では極右「国民連合」のルペン候補の経済政策への支持が高まり、中道マクロン候補(1回目投票1位)と極右ルペン候補(同2位)での2回目決選投票となった。

 (3)政治の流れは愛国(心)主義、極右思想の台頭が著しい方向に向いているといえる。露には第2次世界大戦での独の軍事侵攻が念頭にあり、プーチン大統領はNATOの拡大をそれに被らせてのウクライナへの反ナチス攻撃として正当性を主張しているとみられるが、ウクライナ軍事侵攻の名目も時代感覚の古さがみえておかしな世界観の復活になっている。

 (4)NATOが露と対峙するように旧ソ連領国を含めて拡大しているとはいえ、核保有世界一国の露でその露から石油、ガス、石炭の天然資源の供給を多く受けているEU、NATOが現実的脅威、恐怖となることなど考えにくい地政学的関係をみれば、プーチン大統領が19万人もの露軍を投入して自軍にも多くの犠牲、被害を受けてまでウクライナを軍事侵攻する意味が米国がNATO非拡大の約束を果さないからだけでは説明がつくものではない。

 (5)逆にこれまで中立国であったスウェーデン、フィンランドもウクライナ危機でNATO加盟申請を表明して、NATO拡大、結束強化を引き出している逆効果となっている。プーチン大統領がウクライナをナチスというならそれは独裁者プーチン大統領の方であり、プーチン大統領も表面的には露国内での支持も高く、長期政権の足場も固めていることから政権安泰とみられている中での米国、国際社会からの反発、批判を覚悟のウクライナ軍事侵攻の目的、意味ははっきりとはみえてこない。

 (6)ヨーロッパ中心の極右勢力の台頭がかっての独の露侵攻の悪夢となって、露のウクライナ軍事侵攻の先制攻撃に駆り立てたとも考えられる。プーチン大統領が独裁強権政治であることが反面教師として極右勢力の台頭に警戒感を示したともみられる。

 (7)世界は確実におかしくなっている。中国はウクライナ戦争が自国の人権抑圧問題に影響を及ぼすことを懸念してか、態度をあいまいにしたままで露の立場を擁護するような発言もみられて、欧米日などの露への経済、金融制裁強化は露を追いつめてはいるがウクライナでのジェノサイド、都市破壊を止めることはできすに、露からの資源禁輸措置はエネルギー不足、物価高騰を招いて降りかかるジレンマだ。
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