いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

東京都の変な買いもの。 tokyo metropolitan strange shopping

2012-04-18 19:34:51 | 日記
 (1)東京都知事が訪問先の米国でいきなり(都の関係者もほとんど知らされていなかったと言われて)東京都が尖閣諸島を買い上げる(tokyo metropolitan strange shopping)構想をブチ上げた。注目される米国訪問を利用したセンセーショナル(sensational)効果を狙った意図的、政策的行動だ。

 歴史的にも、国際法上も、実質実効支配上も日本固有の領土(a territory peculiar to japan)とされる尖閣諸島は70年代に同海域周辺海底に豊富な地下資源のあることがわかって、中国、台湾が突如領有権を主張し出して、近年は日本の排他的経済水域(EEZ)を挟んで中国漁船や中国艦船とのあつれきを生んできた。

 (2)日本はそれ以前から一貫して日本の領土と主張し、中国も一旦はその事実を認めていた歴史的経緯もある。現在も実質日本が実効支配下にある尖閣諸島だ。生活圏のない無人島なのでてっきり国の所有かと思っていたら個人の所有で国が1年契約の年間2500万円で借り上げていることがわかった。

 所有者個人と都知事が長年の知り合いで(報道)、東京都が尖閣諸島を買い上げることで秘かに法制上の確認、準備を進めてきての、買い上げ可能を受けての今回の都知事の発表になった。

 (3)日本政府が歴史上、国際法上、実質実効支配上も日本固有の領土と位置付ける尖閣諸島を今更個人としてではなく行政自治体の東京都が都民の投資(税金)で買い取る必要性については、中国、台湾の領有権主張に対する東京都(というより都知事本人として)のガツンとした抗議権を理論的に理路整然と発信して前面に出たい都知事「独自」の政治的意図、野望にもとづく行動という理解だ。

 従って東京都のほとんどの関係者はこの都知事の行動をまったく知らされていなかったと言われているのも当然の結果だ。日本政府の外交上の弱腰政策に対する都知事のアンチテーゼ(anti these)としての独断的自己主張だ。

 (4)これを受けて副都知事は買い取り財源を国民の関心、寄付を期待することを表明しているが、日本政府が実質実効支配する尖閣諸島をわざわざ国民、都民の寄付、投資(税)で所有権移転する意味などまったく理解できないことだ。

 中国、台湾が後発で領有権を主張していても、日本の実質実効支配下にある尖閣諸島とその外にある排他的経済水域(EEZ)には近づいても容易には入ってこれずにいる(侵入しても排除される)のが現実だ。
 どこから見ても行政自治体の東京都が尖閣諸島を買い上げる意義も意味も見当たらない話だ。

 (5)東、南シナ海への進出、支配下を目論む中国はこの東京都の行動に早速強く抗議する姿勢を示して、外交のさらなる火種に発展する様相だ。
 あきらかな不法行為の10年尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件でも、中国は正当性を主張して中国政府上げての徹底した経済貿易、文化交流の中止、制裁措置を強めた。

 今、官房長官の尖閣諸島の国有化発言まで出て来ては、問題を自ら不安定な状態にさらして複雑化させるだけだ。

 (6)領土、領海問題は、国際法上、国際関係上の同意、了解にもとづく実質実効支配以外はいかなる証明力、説明力も持たないのが現実だ。千島4島も日本固有の領土でありながら、現在はロシアの実質実効支配下にあり、ロシア領土という国際的認識のようにだ。

 東京都が問題をことさら国際関係上、複雑化後退させる意図は理解されないだろう。

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