いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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連合のレジリエンス(反発力)。 resilience of JTUC

2022-04-19 20:45:57 | 日記
 (1)労働組合をたばねる「連合」(JTUC)が政権与党の自民党との距離を縮めている。芳野友子連合会長がこれまでの支持政党の立憲民主党が先の衆院選での政権構想で共産党との選挙協力を進めて敗北したのを受けて、共産党との選挙協力を批判、否定して対立姿勢をみせて自民党幹部との会食、会談を重ね、自民党党大会に招かれてあいさつし(これはこれまでもあったことだが)、自民党政策会合にまで参加して連合の理念を説明して(報道)協力を求め、一層踏み込んだ自民党寄りの姿勢を示している。

 (2)自民党麻生副総裁は講演で労働者の賃上げを企業に一番要請しているのは自民党、政権だと強調して、連合と協力する姿勢を示している。夏の参院選を控えて、野党分断、選挙戦を有利に運ぼうという自民党の思惑が透けてみえるものだが、立憲の共産党との選挙協力に拒否姿勢を示した連合がその行先としていきなりこれまで連合の理念に反する大企業優先政策の自民党、政権に近づく姿勢を示していることには、理解を超える利害の方向変換にみえる。

 (3)麻生副総理は労働者の求める企業に一番賃上げを要請しているのは自民党、政権だと言っても、大企業優先の賃上げ事情であり、日本企業の90%以上を占める中小企業には余裕は波及せずに、雇用はどうなのか、非正規の待遇はどうか、社会保障はどうか、年金、少子高令化、男女格差問題はどうなのか、労働環境の改善にはつながっていないのが現実社会だ。

 (4)岸田首相が成長と分配の好循環社会の実現を掲げて、中間所得層の拡充を目指して連合の理念と近い政策、理念を打ち出していることも、連合には好感を持って迎えられているのかもしれないが、政治には総与党時代の様相であり、本来保守、右寄りの政権批判で経済、政策バランスを取り労働者の身分、生活、雇用を守り、支える立場の連合までが政権寄りとなれば政権の独断、独走、横暴を許すことにもなり、総与党時代の偏向、危うさを指摘し、是正する政権の揺り戻し、レジリエンス(resilience)を失うことになり、国民にとっては不幸な選択だ。
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