いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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IT企業の低賃金。 low wages of IT corporation

2024-07-10 20:11:58 | 日記
 (1)日本は足りないものがいくつもあるが、ITエンジニアも不足が伝えられている。時代は情報化、IT、AI時代で、ITエンジニアはひっぱりだこと思っていたら、人材不足は情報サービスが71.7%と高く、「正社員が不足している」と回答した企業の割合51%(帝国データb調べ)を大きく上回っている。

 (2)IT業界はGAFA+といわれる米国巨大IT企業が世界市場を独占して、国家的機能をも目指して欧米各国、日本でも法制化で規制強化が進んでいる。多分にITエンジニアもそこに吸収されて、IT事業の立ち遅れている日本では人材不足が目に見えていると考えられる。
 拍車をかけるのが世界比較での日本のITエンジニアの低賃金(26位ー23年)だ。2位米国の年平均9万ドルに対して3分の1の日本は3万ドルと低く、人材が集まらない要因となっている。

 (3)今年の春闘は少子化対策として賃上げをしない企業には人は集まらないとして、大企業中心にこれまでにない平均5%超の高い賃上げを実現したが、専門家の分析では日本のIT業界は多重下請けで所得持ち分が減っていくうえに集中して偏在する構造的問題があると指摘する。
 医師不足と共通する日本的産業社会構造が問題で、毎年医学系大学から卒業生が出てインターンを経て医師になるのだから医師不足はあり得ずに、設備、環境の整った都市部大病院に医師が集中、偏在して地方など多くの病院での医師不足がみられる構造的問題だ。

 (4)そこで時代のITエンジニアの思いもしなかった人材不足に低賃金だが、日本の経済構造が大きな要因ともなっている。企業は円安、株高、物価高で企業収益は向上しているが、その多くは株主増配対策、将来の設備投資向けの増え続ける内部留保に向けられて労働者に利益(富)が回らない企業統治(コーポレートガバナンス)が原因とみている。

 (5)岸田首相が掲げる成長と分配の好循環社会は実現せずに、賃上げも物価高が上回ってマイナス成長が続いている。IT業界ではパラドックスとして旧態然とした多重下請けの中間搾取が低賃金の構造的問題として指摘されている。
 
 (6)日本経済は円安、物価高で個人消費が伸びずにGDPで独に抜かれて4位となり、近い将来に人口世界一の印にも抜かれることが確実とみられている。It業界がこれでは日本の経済構造改革が必要だ。
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