(1)中国軍艦が初めて尖閣諸島周辺の日本の接続水域(connecting zone)を航行した。これまではEEZ(排他的経済水域)内を航行することは度々あったが、それよりも近い接続水域を初めて航行した。
ただちに国際法に抵触する違法行為というわけでもなくて基本的には公海とされている接続水域だから、中国としては日米の南シナ海での「航行の自由」(freedom of a voyage)作戦への対抗シッペ返しという挑発行動というところだろう。
(2)今回注目を集めたのが同時間帯(深夜~早朝)にロシア軍艦3隻が狭い尖閣諸島の間の接続水域を初めて航行したことだ。こちらの方もわざわざ尖閣諸島の島の間の狭い接続水域を軍艦3隻が航行したとなれば、公海の「航行の自由」(freedom of a voyage)を反証してみせたことの意図が透けて見える挑発行動以外には考えられない。
しかも中国ではケリー米国務長官も出席して米中戦略・経済対話が行われており、南シナ海の中国の埋め立て領域化、米国の航行の自由に対して批難の応酬をくり返している最中のことだった。
(3)ただ中国軍艦が度々尖閣諸島の日本の領域に潜入したとの報道がくり返されてきたが、EEZのことでこれまで国際法上公海とされるより近い接続水域にまで入ってこなかったのはせめてもの中国の配慮だったと認識してもいいことだ。
日中ともに自国の領土と主張する日本が実効支配する尖閣諸島問題では中国軍艦の日本のEEZ領域潜入ばかりが強調されているが、今回の接続水域にまで潜入航行した中国の対応が初めてあったことのように中国軍の挑発行動の危険レベルについても、もっと広い認識、解釈で国民にありのままの情報を発信する必要性があった。
(4)国際間の問題は起きていることが客観的に正しく広く国民に知らされていることが大切で、両国間の現場で実際に起きている現実、事実を正しく認識、は握できなければ、問題は都合よく解釈増殖されて相手国への不信を強くするだけの結果になって問題解決を複雑にするだけだ。
今回の中国軍艦による初めての日本の接続水域への航行は、これまでの中国のくり返されてきた挑発行動が一定の配慮のもとに行われてきたという裏返し(inside out)でもある。
(5)南シナ海問題は中国が一方的な埋め立て領域化で問題を発生させたものではあるが、それに伴って米国が強い懸念を示して日本も同調して南シナ海の「航行の自由」作戦を展開しての、それに対する対抗手段としての中国軍艦による初めての尖閣接続水域への潜入という挑発行動になったことが十分に伺えるものだ。
日本(民主党政権時代)の尖閣諸島国有化を発端としての日中領有化問題の顕在化と同じ軌跡だ。
(6)とはいってもEEZからさらに近い接続水域まで中国軍艦が潜入したとなれば、危険度はレベルアップしたということだ。あとはさらに近い領海ということになり、完全な領海侵犯にまで発展すれば事態は取り返しのつかない深刻さを招く。
日本が米国に同調、追随することによる国際関係の緊張増幅をあらわす結果であり、安保法制への教訓としてもよく考えなければならないことだ。
ただちに国際法に抵触する違法行為というわけでもなくて基本的には公海とされている接続水域だから、中国としては日米の南シナ海での「航行の自由」(freedom of a voyage)作戦への対抗シッペ返しという挑発行動というところだろう。
(2)今回注目を集めたのが同時間帯(深夜~早朝)にロシア軍艦3隻が狭い尖閣諸島の間の接続水域を初めて航行したことだ。こちらの方もわざわざ尖閣諸島の島の間の狭い接続水域を軍艦3隻が航行したとなれば、公海の「航行の自由」(freedom of a voyage)を反証してみせたことの意図が透けて見える挑発行動以外には考えられない。
しかも中国ではケリー米国務長官も出席して米中戦略・経済対話が行われており、南シナ海の中国の埋め立て領域化、米国の航行の自由に対して批難の応酬をくり返している最中のことだった。
(3)ただ中国軍艦が度々尖閣諸島の日本の領域に潜入したとの報道がくり返されてきたが、EEZのことでこれまで国際法上公海とされるより近い接続水域にまで入ってこなかったのはせめてもの中国の配慮だったと認識してもいいことだ。
日中ともに自国の領土と主張する日本が実効支配する尖閣諸島問題では中国軍艦の日本のEEZ領域潜入ばかりが強調されているが、今回の接続水域にまで潜入航行した中国の対応が初めてあったことのように中国軍の挑発行動の危険レベルについても、もっと広い認識、解釈で国民にありのままの情報を発信する必要性があった。
(4)国際間の問題は起きていることが客観的に正しく広く国民に知らされていることが大切で、両国間の現場で実際に起きている現実、事実を正しく認識、は握できなければ、問題は都合よく解釈増殖されて相手国への不信を強くするだけの結果になって問題解決を複雑にするだけだ。
今回の中国軍艦による初めての日本の接続水域への航行は、これまでの中国のくり返されてきた挑発行動が一定の配慮のもとに行われてきたという裏返し(inside out)でもある。
(5)南シナ海問題は中国が一方的な埋め立て領域化で問題を発生させたものではあるが、それに伴って米国が強い懸念を示して日本も同調して南シナ海の「航行の自由」作戦を展開しての、それに対する対抗手段としての中国軍艦による初めての尖閣接続水域への潜入という挑発行動になったことが十分に伺えるものだ。
日本(民主党政権時代)の尖閣諸島国有化を発端としての日中領有化問題の顕在化と同じ軌跡だ。
(6)とはいってもEEZからさらに近い接続水域まで中国軍艦が潜入したとなれば、危険度はレベルアップしたということだ。あとはさらに近い領海ということになり、完全な領海侵犯にまで発展すれば事態は取り返しのつかない深刻さを招く。
日本が米国に同調、追随することによる国際関係の緊張増幅をあらわす結果であり、安保法制への教訓としてもよく考えなければならないことだ。