(1)新聞紙面を見ても特定秘密(specific secrecy)の話題、記事ばかりが目に付いて、日本もいつのまにこんな変な国になってしまったのかだ。
隣国共産主義一党独裁国家の中国を情報統制で国民の考えていることがわからない、「顔の見えない国」だと批判してきた自由主義陣営の日本だが、似たり寄ったりの一部権力者の野望、野心の独善、独断、独占の秘密主義国家になり果てることになるのだろうか。
(2)今回の特定秘密騒動の発端は、10年の尖閣諸島沖での中国漁船による海保庁巡視船追突事件を当時の民主党政権が事件概要を国民に広く知らしめることをせずに、尖閣諸島を取り巻く中国との関係悪化を背景に中国政府が抗議する中で一旦は逮捕した中国漁船長を容疑不十分のまま釈放して帰国させたことだ。
(3)事件の一部始終は海保巡視船からのビデオに収録されていたが、これを公開するかで国会でも論議になってしかし政府は公開しなかった。これに対して海保庁職員(当時)が職務上容易にダウンロードできた同事件映像を勝手にネット上に公開して、事件の概要が国民に広く知れることになり情報不開示と超法規的措置の政府の対応に批判が高まった。
(4)政府は中国との関係悪化を考慮して秘密裏に超法規的行為に訴えてまで同事件を中国の抗議に応じる形で処理しようとして、しかしこれに危機感を抱いた海保庁職員の危険にさらされる現場職業意識による国民に全容を知らせるべき使命、利益優先判断(本人談趣旨)の結果、事件映像はネット上に公開されメディアニュースで広く知らされることになった。
(5)事件映像公開は中国政府の領有権問題への強硬姿勢、やり方、現場の危険、緊迫感がよく伝わって、国民がこれを知ること(nationalize)は国民の問題共有性、国益保護意識に貢献したものと評価できるものだ。
ところが昨年末に政権交代した安倍政権はそうとは考えずに、すべて重要情報は都合にあわせて国民に隠して、政府自らの政治、外交、防衛シナリオで意のままに進めようと秘密漏えい、取材制限の厳罰化(severe punishment policy)の特定秘密保護法案を国会に提出して弱小野党を巻き込んで共同責任で成立を急いでいる。
(6)尖閣諸島沖中国漁船追突事件が特定秘密保護法成立後に起きたとしたら、その時に事件映像はもちろん特定秘密に指定されてこうも簡単に関係者がダウンロードできることはないだろうが、仮に事件映像が入手できたとしたら厳罰化したって人によっては国民に知らせるべきだと判断して積極的に公開するものも出るはずだ。
(7)秘密漏えいの厳罰化は、パラドックス(paradox)としてその性質上政権にとっても政治ダメージを強め(specific secrecy strengthen the damage of political power)、受けるものだ。
適用を進めれば進めるほど尖閣ビデオ問題(隠すことではなく公開すべきだ)のように問題の本質はさらに顕在化して、特定秘密保護法は政権の首を自ら締めかねない。
(8)秘密を厳守すればするほど、疑心暗鬼を生んで覗(のぞ)こうとするのが世の常だ。米国の例に見るまでもなくだ。
隣国共産主義一党独裁国家の中国を情報統制で国民の考えていることがわからない、「顔の見えない国」だと批判してきた自由主義陣営の日本だが、似たり寄ったりの一部権力者の野望、野心の独善、独断、独占の秘密主義国家になり果てることになるのだろうか。
(2)今回の特定秘密騒動の発端は、10年の尖閣諸島沖での中国漁船による海保庁巡視船追突事件を当時の民主党政権が事件概要を国民に広く知らしめることをせずに、尖閣諸島を取り巻く中国との関係悪化を背景に中国政府が抗議する中で一旦は逮捕した中国漁船長を容疑不十分のまま釈放して帰国させたことだ。
(3)事件の一部始終は海保巡視船からのビデオに収録されていたが、これを公開するかで国会でも論議になってしかし政府は公開しなかった。これに対して海保庁職員(当時)が職務上容易にダウンロードできた同事件映像を勝手にネット上に公開して、事件の概要が国民に広く知れることになり情報不開示と超法規的措置の政府の対応に批判が高まった。
(4)政府は中国との関係悪化を考慮して秘密裏に超法規的行為に訴えてまで同事件を中国の抗議に応じる形で処理しようとして、しかしこれに危機感を抱いた海保庁職員の危険にさらされる現場職業意識による国民に全容を知らせるべき使命、利益優先判断(本人談趣旨)の結果、事件映像はネット上に公開されメディアニュースで広く知らされることになった。
(5)事件映像公開は中国政府の領有権問題への強硬姿勢、やり方、現場の危険、緊迫感がよく伝わって、国民がこれを知ること(nationalize)は国民の問題共有性、国益保護意識に貢献したものと評価できるものだ。
ところが昨年末に政権交代した安倍政権はそうとは考えずに、すべて重要情報は都合にあわせて国民に隠して、政府自らの政治、外交、防衛シナリオで意のままに進めようと秘密漏えい、取材制限の厳罰化(severe punishment policy)の特定秘密保護法案を国会に提出して弱小野党を巻き込んで共同責任で成立を急いでいる。
(6)尖閣諸島沖中国漁船追突事件が特定秘密保護法成立後に起きたとしたら、その時に事件映像はもちろん特定秘密に指定されてこうも簡単に関係者がダウンロードできることはないだろうが、仮に事件映像が入手できたとしたら厳罰化したって人によっては国民に知らせるべきだと判断して積極的に公開するものも出るはずだ。
(7)秘密漏えいの厳罰化は、パラドックス(paradox)としてその性質上政権にとっても政治ダメージを強め(specific secrecy strengthen the damage of political power)、受けるものだ。
適用を進めれば進めるほど尖閣ビデオ問題(隠すことではなく公開すべきだ)のように問題の本質はさらに顕在化して、特定秘密保護法は政権の首を自ら締めかねない。
(8)秘密を厳守すればするほど、疑心暗鬼を生んで覗(のぞ)こうとするのが世の常だ。米国の例に見るまでもなくだ。