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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

フロンティアを見失って。 missing a frontier

2012-07-27 19:54:17 | 日記
 (1)就職情報サイトの大学卒業予定者を対象にした調査で企業を選ぶポイントとして、「社風が良い」が55%と過半数を超えた。さらに「安定している」(42%)、「将来性がある」(40%)と続き、従来高かった「給与、待遇」、「福利厚生」は大幅に下がっていると言われている。
 雇用不安の時代を反映して、実利よりは安定と随分と現代若者の委縮感(daunted)に驚かされる。

 大学を卒業しても8万人の就職先が決まらない雇用不安の時代に、その難関を乗り越えてきても半年の内に二人にひとりが離職、転職すると言われる現代就職事情だ。
 そもそも冒頭調査回答率は30%を切る関心の低さで、それだけ余裕を持って構えられない、対応できない深刻な学生内心事情ということだ。

 (2)厳しい学生の就職事情の中で若者が当然のように萎縮している。社風が良いとか安定しているとか将来性があるとかは、かっての企業選択の普遍的な定番で経済黎明(れいめい)期、高度成長期の就職供給過多、優先時代の定番選択肢であって、現在のような需要過多、雇用不安の時代では突破力(breakover energy)、フロンティア(frontier)、ベンチャー(venture)志向の活力が感じられない、あまりに後ろ向きで委縮性の強い印象がある。安全思考のレトロ(retro)回帰だ。

 (3)これが委縮した現代若者思考の構造論なのだろう。大学も雇用不安社会を見据えての今や入学早々からの保証人を含めた就職指導ガイダンス、説明会の時代を演出してパラドックス(paradox)として若者の危機意識を強めている環境はある。

 企業の介在を強めて(許して)1年生からのインターシップ、果ては就職内定まで出して本来の大学教育、専門教育に弊害が出て教育問題化している。そうしておいて、企業は受け入れ後に大学生(就職者)の基礎能力不足のために自前補足教育をしなければならないなどとは、大学も企業も存在理由、本質論を見失った調整総合能力不足の時代だ。総合調整能力の起点となる政治の貧困が要因だ。

 (4)そこで社風が良いとはどういうことか。企業は人材資本育成による商品開発、成果主義で利益利潤をあげる環境システム整備(組織・生産ライン・現場)が基本目的だ。
 そういう企業構造の「流れ」を「円滑」に連携、継続、相乗して効果、付加価値をあげる環境づくり、工夫、対策の独自性が社風だ。

 「円滑」ということが企業人間関係には大事で、企業目的に一致結束できる効率的な手法で、効果(利益)に結び付くシステムだ。
 企業利益、利潤にだけ特化しての人間使い捨て(消耗品)であったり、負担過重性であったりではない良識、知識、発想の「自由性」、「応用性」、「創造性」の能力開発システムだ。

 (5)しかし、前提としての社風が良い以上に、自分の考え、存在で「社風」を変える、良くするという「フロンティア」性こそ若者思考には必要だ。
 安定している、将来性があるというのも同じ前提論であって、自分の考え、存在で変える、良くするという若者特性のフロンティア、ベンチャー思考とは異質なものだ。
 若者も、企業も、時代も突破力のないスケールダウンしている。

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