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いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

復興構想会議ビジョン。(気合いと夢がない) dreamless vision

2011-06-26 19:21:52 | 日記
 (1)首相の私的諮問機関として発足した復興構想会議が3か月近く12回の会議の結果、提言された内容は、①「防災よりは減災」、自然の脅威に立ち向かうことなど考えずに「逃げる」ことを基本とした防災教育の徹底だった。

 ②地形、産業の特性を5種類に分けての復興プラン、③規制緩和、権限委譲の特区、④原発の早期収束と事故対応、⑤再生可能エネルギーへのシフト、⑥そして復興財源の臨時増税アウトラインごときでは、被災地の復興に「風穴」を開けることなど不可能なほど夢のない(dreamless vision)気合いのない「平凡」な提言に終始している。

 そもそも同会議発足当初から、学者、専門家、知識人、自治体関係者など集めるだけ集めたメンバーの会議では満足な発言時間も確保できないという出席者の戸惑いも聞かれ、現地指揮で多忙の自治体関係者をわざわざ東京官邸に呼んでの被災者感情を慮(おもんばか)らない官邸同会議の不見識には、震災発生当時の学者、専門家の原子力委員会の機能しない不見識、不条理とダブルイメージとなる予感さえしていた。

 学者、専門家、知識人ほかの復興構想会議は、被災地から隔絶された冷静な立場から大局的な復興構想理念の構築を期待するという一方の見方もあるが、前代未聞の大震災で壊滅的な被害を受けた被災地、被災者感情に「飛び込んで」の生活者意識改革の「共有性」が復興ビジョンに求められていたのではないのか。

 (2)復興構想会議がまとめた提言は、専門的知識をいかした大局的な基本理念とはならずに、被災地自治体で対応考察できる極めて現実的で復興突破力、改革力に欠ける内容で、3か月の月日の経過の大きさが被災地、被災者の復興対効果に結びつかない「危機意識に乏しい」復興机上論となった印象が強い。

 3か月の間、政局は復興支援、原発事故収束への対応に不手際、遅れが指摘されて、首相の退陣表明、時期、首相資質問題に揺れ続けていたことから、同会議の熱意もどうだったのか、提言はありきたりで平凡な骨子内容だった。

 (3)復旧、復興、原発事故収束の目途も見えない被災地、被災者に「悲惨のなかの希望(同会議復興ビジョンの表題)」、「夢」を見せること(dreamless)が出来る内容とはとても評価できずに、まして「復興」推進イメージ、モチーブパワー(motive power)をふくらませるものではないのが残念だ。

 復興構想ビジョンは行政のタテ割り抵抗に苦慮したとされるが、行政機能、形態(州構想、東北各県の連携連帯)の革新性、経済特区(地域経済、農水産業改革)、被災地雇用政策の確立、生活者理念の革新性(効率、利潤と幸福感、人間性比較)、地域本来の歴史、慣習、特性、土着性の推進など「気合い」の入った革新性のある「夢」を提示しなければ、「復興」力は遠い。

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