備えよ常に! 備えあれば憂いなし
地球の地下深くには推計で500億トンもの
天然水素が埋蔵されているという。
地質学者は、鉄を豊富に含んだ石と水が科学
反応を起こして水素を生成する[蛇紋石化作用]と
水分子を放射線が分解する[放射線分解]の
どちらかによって地下で生成されたという。
既に、豪で天然水素の生産が始められては
いるが、埋蔵状態も不明なことが多く、世界の
埋蔵地や埋蔵量の確認も進んでいないため
当面は、可能な限り化石燃料由来エネルギーを
使用せずに水素を安定的に安価で供給できる
製造方法に頼らざるを得ない。
世界で注目されているのが、日本の高温
ガス炉による水素製造技術。
高温ガス炉は、炉心の主な構成材に黒鉛を
中心としたセラミック材料を用い、核分裂で
生じた熱を外に取り出すための冷却材に
ヘリウムガスを用いた原子炉だという。
この高温ガス炉に、水素製造施設を接続し
温度850度で水を分解して水素を製造する。
日本は3月28日、これに成功した。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、
大洗研究所に設置されているHTTR(高温工学
試験研究炉)を用いて、高温ガス炉として
世界で初めて、炉心溶融がおきないことを
実証する安全性実証試験に成功した。
商用化に向けた関門の一つをクリアしたが、
この後、日本原子力機構は24年に、水素製造
施設を高温ガス炉に接続する審査を原子力
規制委員会へ申請し、審査が順調に進めば、
28年には水素製造を始める計画とされる。
従って、実用化が進み、安価な水素を安定的に
入手できるのは、まだ数年以上先になる。
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