中国の国営通信社の報道では、10月10日に国有企業の
鉄鋼大手、東北特殊鋼集団(遼寧省)が経営破綻し、
破産処理手続きに入ったと伝えた。
負債総額は500億元(約7700億円)超。
今回の破綻までに9回にわたって債務不履行を繰り
返してきたが、流石に10回目ともなれば党中央の構造
改革路線に従わざるを得ず、引導を渡した格好だ。
中国政府は、今年5月に党が支配する傘下の直轄
企業、中央企業の子会社群のうち、鉄鋼や石炭企業を
中心に345社のゾンビ企業を淘汰する方針を発表した。
赤字体質であっても、成長性や特殊な技術を保有し
再生の可能性を備えていると判断される企業には
債務を株式に振り替えて、負担軽減を図り、存命を
認める方針も明らかにしていた。
現在、一定の合理化も進んでいるとされ、主要な中央
企業は106社にまで整理が進んでいるとされる。
だが、このトップ企業の下には、5~9層にも及ぶ子会社
群がぶら下がる多重構造を備えており、それぞれが
地方政府と密接に結びつく利害関係を持っている。
子会社群は、多重的に競合していたり、共存共栄を
図る関係になっていたりと非効率さが顕著だ。
政府は構造改革に備えて赤字企業数の30%削減、
赤字子会社の債務30%圧縮、1000億元のコスト削減を
推し進める方針を打ち出している。
345社のゾンビ企業の多くは石炭業種や鉄鋼業種で
占められており、過剰設備の削減などを通じて、今後
3~5年で石炭の生産能力を10億トン削減、粗鋼生産
能力の1億~1億5000万トン削減を目標としている。
しかし、東北特殊鋼の破綻は、政府の姿勢を強調する
ための破綻であって、鉄鋼市場の回復の兆しを先取り
した中小の製鉄企業は地方政府の旗振りでフル操業
状態になっており、過剰生産が継続されている。
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