■政府は06年2月、「入院している人の半分は治療の必要がない」として、当時38万床あった病床のうち介護型療養病床(13万床)を全廃し、医療型療養病床を4割減らして15万床にする方針を決定。達成に向け、「医療の必要度が低い」と判定された人の入院費を減額し、そうした入院患者を多く抱えていた場合は病院経営が成り立たなくなるようにした。
■どんなサンプル調査をして「38万床の半分は不要」などという結論が出て来たのでしょう?そこに加えて「終末医療相談」という露骨な文言が盛り込まれているそうですから、実質的には日本人の最高齢を75歳に決めました、というような恐ろしい印象を受けてしまいます。生き残りたい者は貯金しろ!というメッセージも聞こえて来そうですが、最低賃金は上がらず、非正規雇用は野放しで、消費税も上がるとなったら「飢餓輸出」ならぬ「飢餓貯蓄」の覚悟が必要になりそうですなあ。飲まず喰わずで低賃金に耐え、貯金に励めば「メタボリック症候群」も解消されるとの御親切な政策なのでしょうか?
しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた……厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、都道府県を通じて実情調査。……当初計画を7万床上回る約22万床……。削減対象から外したリハビリ病棟は今後少なくともいまの1.5倍、3万床程度は必要になるとみられている。需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり、削減計画の見直しに追い込まれた。
5月24日 毎日新聞
■天災でもないのに難民や亡命者を出し続ける変な国が日本の隣にもありますが、日本では農水省が農民を難民化させ、厚労省は若者をワークングプワの労働難民にして高齢者を医療難民にしているかのようです。既に、年金難民は出始めているらしいのですが……。
全国の検察庁や裁判所、弁護士会が来年5月に始まる裁判員制度に向け、計60を超すマスコットキャラクターを独自に考案して、広報イベントやポスターに登場させている。法律家の堅いイメージからの脱皮に懸命だが、PRの専門家は「裁判員制度に結びつかないキャラクターも多く、国民の理解につながらないのでは」と首をかしげている。
■「裁判員、参上」のキャッチコピーを考えた人物は特定されないまま、鳩山法相の「センスが悪い」の一言で「裁判員、登場」とかに変わったそうですが、どっちにしてもセンスが悪いのは同じかも?そもそも、この裁判員制度というものが、どうして誰が考え出したのか、よく分かりませんからなあ。「トンデモ裁判官が増えたから」という理由なら、トンデモ裁判官を罷免する制度を整備すればよいでしょうし、「裁判を迅速化する」のが目的なら、もったいぶってモタモタ仕事をしている担当職員を罰する法律を作れば良さそうなものです。
■噂によると、弁護士出身のクリントン大統領の時代に始まった「構造協議」の中に、米国で余りに余っている弁護士が日本で仕事が出来るように、米国型の裁判制度が望ましい、などという我田引水の暴論が含まれていたのが、紆余曲折を経て「陪審員制度」という立派な翻訳語があるのに、わざわざ「裁判員」などというピリッとしない新語を作って対応したのだとか……。既に、あちこちから「絶対に失敗する」という断言口調の予想が出ているのに、干拓工事やダム工事と同じで「官が一度決めた事」は、何が何でも実行!するという太政官制度の真髄が見られそうですなあ。
23日、東京・霞が関の法務省で、緑のインコの「サイバンインコ」、シカの「なっち」、桜島の形の「かちけん君」が鳩山法相を表敬訪問した。福岡高検、奈良地検、鹿児島地検がそれぞれ裁判員制度のPR用に作製したものだ。法相はサイバンインコの着ぐるみに入ってみせたが、「統一したキャラクターを作る必要はないの?」とも話した。
■最悪の評判を取った奈良県の無気味な護法童子キャラクターを越えるインパクトは無いにしても、「サンバンイン・コ」とは何というセンスの悪さ!シカの「なっち」も桜島の「かちけん」も、裁判員制度と、一体、どんな関係があるのかさっぱり分かりませんが、共通しているのはセンスの悪さと公費を無駄遣いしている点なのでしょうなあ。
キャラクターに最も熱心なのは検察庁。落花生をモチーフにした「らっか正義君」(千葉地検)、新選組の隊士に似せた「まこと君!」(京都地検)など、40の地検・高検で計60……。イチゴの形の「べりぃちゃん」(宇都宮地検)、「浪花のたこべぇ」(大阪地検)……「わらなっちゃん」(水戸地検)は「納豆のように粘り気があり、裁判で議論したら納得するまで引かない」、雪だるまの「ユーキー」(札幌地検)は「YOU KEYという英語で、裁判員制度はあなたが鍵という意味を込めた」……千葉地裁は……落花生に法服を着せた「ピー太くん」「ナツ実ちゃん」……長野地裁もライチョウの「トライくん」「ライムちゃん」を携帯電話のストラップに……日本弁護士連合会は今月21日、統一キャラクターとして、サイにてんびんを持たせたデザインの「サイサイ」を発表。「信念を曲げない強さでサイ判員制度に臨む」(広報室)と説明する。
5月24日 読売新聞
■その場の雰囲気を一瞬で凍らせる強引なダジャレは「オヤジ・ギャグ」との蔑称で呼ばれるそうですなあ。こんな馬鹿馬鹿しい事をやっているから、一般の国民が参加する「裁判員制度」が必要なのだ!というキャンペーン用に並べられているのなら、大変な策士が存在することになりますが、居酒屋で酩酊状態になったわけでもなく、クソ真面目な顔をして立派な建物の中で、一体、どんな会議を開いて決定したのやら……。これは法務省の管轄を飛び出して、文科省が日本語能力の崩壊というテーマで研究した方が良さそうですなあ。
■どんなサンプル調査をして「38万床の半分は不要」などという結論が出て来たのでしょう?そこに加えて「終末医療相談」という露骨な文言が盛り込まれているそうですから、実質的には日本人の最高齢を75歳に決めました、というような恐ろしい印象を受けてしまいます。生き残りたい者は貯金しろ!というメッセージも聞こえて来そうですが、最低賃金は上がらず、非正規雇用は野放しで、消費税も上がるとなったら「飢餓輸出」ならぬ「飢餓貯蓄」の覚悟が必要になりそうですなあ。飲まず喰わずで低賃金に耐え、貯金に励めば「メタボリック症候群」も解消されるとの御親切な政策なのでしょうか?
しかし一連の病床削減策は、入院先を求めて住み慣れた地域をやむなく離れたり、自宅にお年寄りを引き取った家族が介護に悲鳴を上げるケースなどを生んだ。「患者追い出しを誘導し、行き場のない医療難民を大量に生む」との強い批判も招いた……厚労省は07年4月、医療型療養病床のうち回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外したうえで、都道府県を通じて実情調査。……当初計画を7万床上回る約22万床……。削減対象から外したリハビリ病棟は今後少なくともいまの1.5倍、3万床程度は必要になるとみられている。需要数を合わせると現状と同じ25万床前後となり、削減計画の見直しに追い込まれた。
5月24日 毎日新聞
■天災でもないのに難民や亡命者を出し続ける変な国が日本の隣にもありますが、日本では農水省が農民を難民化させ、厚労省は若者をワークングプワの労働難民にして高齢者を医療難民にしているかのようです。既に、年金難民は出始めているらしいのですが……。
全国の検察庁や裁判所、弁護士会が来年5月に始まる裁判員制度に向け、計60を超すマスコットキャラクターを独自に考案して、広報イベントやポスターに登場させている。法律家の堅いイメージからの脱皮に懸命だが、PRの専門家は「裁判員制度に結びつかないキャラクターも多く、国民の理解につながらないのでは」と首をかしげている。
■「裁判員、参上」のキャッチコピーを考えた人物は特定されないまま、鳩山法相の「センスが悪い」の一言で「裁判員、登場」とかに変わったそうですが、どっちにしてもセンスが悪いのは同じかも?そもそも、この裁判員制度というものが、どうして誰が考え出したのか、よく分かりませんからなあ。「トンデモ裁判官が増えたから」という理由なら、トンデモ裁判官を罷免する制度を整備すればよいでしょうし、「裁判を迅速化する」のが目的なら、もったいぶってモタモタ仕事をしている担当職員を罰する法律を作れば良さそうなものです。
■噂によると、弁護士出身のクリントン大統領の時代に始まった「構造協議」の中に、米国で余りに余っている弁護士が日本で仕事が出来るように、米国型の裁判制度が望ましい、などという我田引水の暴論が含まれていたのが、紆余曲折を経て「陪審員制度」という立派な翻訳語があるのに、わざわざ「裁判員」などというピリッとしない新語を作って対応したのだとか……。既に、あちこちから「絶対に失敗する」という断言口調の予想が出ているのに、干拓工事やダム工事と同じで「官が一度決めた事」は、何が何でも実行!するという太政官制度の真髄が見られそうですなあ。
23日、東京・霞が関の法務省で、緑のインコの「サイバンインコ」、シカの「なっち」、桜島の形の「かちけん君」が鳩山法相を表敬訪問した。福岡高検、奈良地検、鹿児島地検がそれぞれ裁判員制度のPR用に作製したものだ。法相はサイバンインコの着ぐるみに入ってみせたが、「統一したキャラクターを作る必要はないの?」とも話した。
■最悪の評判を取った奈良県の無気味な護法童子キャラクターを越えるインパクトは無いにしても、「サンバンイン・コ」とは何というセンスの悪さ!シカの「なっち」も桜島の「かちけん」も、裁判員制度と、一体、どんな関係があるのかさっぱり分かりませんが、共通しているのはセンスの悪さと公費を無駄遣いしている点なのでしょうなあ。
キャラクターに最も熱心なのは検察庁。落花生をモチーフにした「らっか正義君」(千葉地検)、新選組の隊士に似せた「まこと君!」(京都地検)など、40の地検・高検で計60……。イチゴの形の「べりぃちゃん」(宇都宮地検)、「浪花のたこべぇ」(大阪地検)……「わらなっちゃん」(水戸地検)は「納豆のように粘り気があり、裁判で議論したら納得するまで引かない」、雪だるまの「ユーキー」(札幌地検)は「YOU KEYという英語で、裁判員制度はあなたが鍵という意味を込めた」……千葉地裁は……落花生に法服を着せた「ピー太くん」「ナツ実ちゃん」……長野地裁もライチョウの「トライくん」「ライムちゃん」を携帯電話のストラップに……日本弁護士連合会は今月21日、統一キャラクターとして、サイにてんびんを持たせたデザインの「サイサイ」を発表。「信念を曲げない強さでサイ判員制度に臨む」(広報室)と説明する。
5月24日 読売新聞
■その場の雰囲気を一瞬で凍らせる強引なダジャレは「オヤジ・ギャグ」との蔑称で呼ばれるそうですなあ。こんな馬鹿馬鹿しい事をやっているから、一般の国民が参加する「裁判員制度」が必要なのだ!というキャンペーン用に並べられているのなら、大変な策士が存在することになりますが、居酒屋で酩酊状態になったわけでもなく、クソ真面目な顔をして立派な建物の中で、一体、どんな会議を開いて決定したのやら……。これは法務省の管轄を飛び出して、文科省が日本語能力の崩壊というテーマで研究した方が良さそうですなあ。