旅限無(りょげむ)

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米国の腐臭 其の弐

2009-03-24 19:03:21 | 外交・情勢(アメリカ)
■3月24日という日は、何かと「男」を考えさせる出来事が多かったようです。米国のロサンゼルスからの実況生中継で「侍ジャパン」が強豪韓国との死闘の末にWBC連続優勝を果たし、同じ時間帯には陣内某とかいう大阪の芸人さんが身も蓋もない離婚会見を開いていたそうですが、そのコントラストの強さが情けない男の姿をくっきりと浮かび上がらせていたとか……。夕刻の大相撲では日馬富士が朝青龍を破って見せたので、陣内某が満天下に晒した「男」の見苦しさが尚一層強調されることになったようです。この一連の流れは今夜から明日にかけてテレビの報道番組では繰り返し繰り返し放送されるのでしょうなあ。

■WBC決勝戦、試合前のセレモニーで『君が代』が流れているいる時に、一人だけ巨大なチューインガムをもぐもぐ噛み続けていた小笠原選手の姿がちょっと気になりましたが、勝てば官軍と申しますから先制タイムリー・ヒットを打ったことで誰も苦情は言わないのでしょうなあ。日韓ワールド・シリーズみたいな展開になった今回のWBCですが、両チームとも「カネよりも名誉や意地」のために頑張った感があります。本家の米国では有力選手が集まらず、最初から優勝を狙っていなかったようですが、これは何よりも「カネの問題」だったのかも知れません。剥き出しの金銭欲を解放してしまった新自由主義経済の影響なのでしょうか?


今大会の賞金は、優勝270万ドル(約2億5920万円)、準優勝170万ドル(約1億6320万円)。日本代表は第2ラウンドを1位突破したため、1位ボーナス40万ドル(約3840万円)が加算され、優勝した場合の獲得総額は310万ドル(約2億9760万円)となる。賞金は主催者(WBCI)と出場国との契約で、50%を首脳陣と選手が均等分配し、残り50%を野球振興資金(アマ団体への支援など)に充てることが決まっている。……50%を原監督以下首脳陣7人、選手29人の計36人で分配すると1人あたり約4万3056ドル(約413万円)。……これ以外に、NPB(日本プロ野球組織)から出場料として選手に200万円、首脳陣に150万円(前回は優勝後にそれぞれ倍増)が支払われる。
3月24日 サンケイスポーツ

■要するに大いなるプレッシャーに耐えながら必死て連日の死闘を勝ち抜いた金銭的な報酬は最高でも約560万円になるということです。巷の噂では米国のメジャー・リーグで活躍している有名選手ともなれば、年棒は数十億円単位になるとか……。本シーズンを前にして、単なるお祭騒ぎに駆り出され、たとえ優勝しても560万円しか貰えない代わりに、故障でもしたら大変だ!という計算と本音が透けて見えるようです。そう言えば、前回のWBC大会でも、メジャーで大活躍していた日本人選手が出場を辞退していましたが、当時の日本は小泉時代でしたなあ。

■米国人はボーナスが異様に好きなようで、オバマ新政権もボーナス問題で大揺れであります。


米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は23日……AIG幹部の高額ボーナス問題で、受給額上位20人のうち15人が返還に同意、返還額が3000万ドル(約29億円)以上になったと報じた。……他幹部の分も含めると5000万ドル(約49億円)の返還が同意済みという。エドワード・リディ会長兼最高経営責任者は10万ドル以上受け取った幹部に受給額の半分以上を返還するよう求めていた。
2009年3月24日 読売新聞

■自家用ジェット機に乗って公的資金の注入を要請しに来るような経営者が生息している奇怪な国ですから、政府が税金を使って救済しようとしている「企業」と、自分が莫大なボーナスを受け取る契約した結んでいる「企業」とは別物だと考えられる奇怪な頭脳と神経を持っている人間が増殖していても不思議ではありません。特別に法律を作って一時的に「課税」しようとする議会というのも米国特有のものなのでしょうなあ。課税法案など議論しているより、いっそのこと国名を「ユナイテッド・ステート・オブ・ボーナス」に変えたらどうでしょう?最悪の評価を下されたイラク戦争に若者を駆り出すのにもボーナス制度が活用されました。金額はWBC大会での一人当たり優勝賞金ボーナスの半分以下だったのですが……。

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