旅限無(りょげむ)

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パンドラの箱の蓋 其の八

2010-05-31 07:38:01 | 政治
……「私は普天間の問題を大騒ぎしてるが、昨日、鳩山君がだらだらした長ったらしい訳の分からんあいさつの中で『北朝鮮、北朝鮮』と。幸か不幸か知らんが、北朝鮮にいま緊張が生まれてね。(韓国の)哨戒鑑を北朝鮮が小型潜水艦で撃沈した。……緊張が高まっているときに(鳩山首相が)『北朝鮮に対する抑止力が、沖縄に大変に必要でございます』って。そんなことの前に、肝心の日本の領土、沖縄県下の目と鼻の先、石垣島のわずか先にある尖閣諸島を、モンデールが言ったようにアメリカが同じ民主党の政権になり、かつてと同じように守る意志がないというのならば、普天間の問題を議論したってしようがないじゃないか! 何のためにアメリカ軍は日本に駐在してるんですか?」

■鳩山サセテイタダク首相の「友愛の海」発言などは、あまりに馬鹿馬鹿しくてコメントするに値しないと思っている石原都知事は、何を仕出かすか分からない北朝鮮よりも、何をしようとしているのか明白なチャイナの動きが気になって仕方がありません。鳩山首相とは正反対の方向を見ていることになります。もしも本気で東シナ海を「友愛の海」にする意志と覚悟と能力がある首相ならば、黄海の緊張を解く動きを見せているはずですから、あれもやっぱり個人的に「言ってみただけ」なのでしょうなあ。


「……アメリカは沖縄を返還しましたが、占領中に尖閣諸島を爆撃(訓練)のターゲットにして、爆弾を落として射撃していた。その間、あれ(尖閣諸島)は日本の領土だから持ち主である女性がいて、沖縄の人と結婚して那覇に住んでた。その人にずっと慰謝料というか、使用料を払っていた。私たちは、尖閣は非常に微妙な問題になってきたから、青嵐会としてあの島を買おうじゃないかということで、あそこに小さな灯台を建てた。その後、青年社という右翼が金持ちで、後を次いで立派な灯台を建ててくれた。灯台としても立派だけど、足りないところもあって、私がいた運輸省の水路部に行って調べさせて『足りない所があったら完璧な灯台にさせますから。その後に(海図に)記載し下さい』と言って直した。ところが、自民党政権下の外務省は腰抜けでね。中国が尖閣問題でぐちゃぐちゃ言ってるもんだから、日本の領土に、日本人が立派な灯台を建ててもね『灯台としてチャートに記載するのを時期尚早』と。何が時期尚早だ! ずっとほったらかしにしていたんですよ」
2010年5月29日 産経新聞

■自民党政権下でなくても、日本の外務省は憲法9条遵守という便利な言い訳で、外交に欠かせない後詰の軍事力を放棄している国の役所としては、相手が怒ることや嫌がることはやらないと勝手に決め込んでいるらしく、世界中でも珍しい何とも気楽な仕事をしているのでありましょう。数年前、福田ホイホイ元総理などは外務省直伝の「相手の嫌がることはやらない」外交政策を公式に宣言していましたなあ。似合わない野球のユニフォームを着てチャイナの首脳とキャッチボールを楽しそうにやっておりましたっけ。


「……やっと、この2、3年前に尖閣の灯台が正式にチャートに記載された。この話の連脈で、モンデールの事例もあるし、同じ(民主党)政権がアメリカが支配している。この時期に普天間(基地)が戻ってきて、しかも尖閣を最近、中国が『あれは本当はおれたちのものだ』と領有権を正式に主張したんでしょう? そして日本の海上保安庁の船を、向こうの船が『お前たち領海から出ていけ。侵犯だ』と。どういう訳か知らんが、相手も軍艦じゃなかったが『そうですか』ということで(自らの)領海を離れたんです。変な国だね」

■「集団的自衛権」がどうのこうのという議論も決着がつかずに続いているのですが、「自衛権」だけでも日本政府として正常な統一見解を出して欲しいものです。罷免された福島党首は「憲法9条が最大の抑止力だ」と言っているそうですから、閣僚を辞めさせる前に尖閣問題の特命大使に任命して「憲法9条」を使って解決する神業を見せて欲しかったのですが、政権から去ってしまって残念であります。

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