猛烈な台風1号(ニパルタック)は7日6時現在沖縄の南海上にあり、毎時25kmで西北西に進んでいる。中心付近の気圧は900hp、最大風速は60m/s、最大瞬間風速は85m/sに達している。先島地方は強風域に入っているがこの先暴風域に入ることはないようだ。今後は丁度沖縄地方を円弧上に回り込む形で北寄りにコースを変えていく模様である。現在本島地方には全域に大雨洪水波浪高潮雷注意報が出されている。海上は当然にしけている。台風はその中心の近辺が激しい風雨のピークを示すがその外縁部にあたる方面では突風や局地的豪雨などが高い確率で発生しやすく、コースを外れたからと油断はできない。勿論海上は影響が出やすいので船舶等警戒すべき時だ。1954年に大海難事故を引き起こした洞爺丸台風のときには現在と違い気象情報の細密な伝達が為されてないこともあり、一時的な風雨の弱まりを台風通過と判断し、長年の勘などに頼った出航決断が千名を超える沈没犠牲者を出すこととなった。その事故経緯を辿ると、台風の真っただ中は勿論その前後にわたって暫くは極めて危険な状況にあったことがわかる。この時にはこのほかにも各地で甚大な被害があったことが記されている。
アベノミクスが暗礁に乗り上げるのは間違いないようだが、改憲を最大の政治テーマとしている安倍晋三が、経済政策の失敗程度で政治的ライフワークを断念する謂れはなく(国民の命より私家憲法制定という自己主張貫徹を優先するのだから)、参議院選圧勝のあといよいよ、数の論理を最大限に駆使して、いかに国民をだまくらかし、ナチス的手法で軍国の途を準備するか、という正念場に差し掛かる。しかし、大方の予想では彼の任期中にこれ(改憲)を国民投票の場に持ち出すことは出来やしない、と言われる。
しかしながら小選挙区制の重大な弊害としての、民意を反映しきれない国政が、議席を横領して得られた政治的権力の絶対的独裁的強行路線をもってナチス的優越に安堵したら、恐らくは人心流動の傾向が戦前並みのものに流れると想像されるので、今後は多岐にわたり意外と安倍晋三の思惑通りに事が運ぶだろうと踏んでおく必要がある。要するに手遅れの段階はどこかということだ。
琉球沖縄の分離独立はこの安倍政権がそのきっかけを齎すかもしれない。鳩山失政は官僚画策による宰相骨抜き頓挫という出来具合だったにしろ、県民に基地問題に関する一定の覚醒を齎したことは間違いなく、安倍晋三のそれは、その強硬強行路線そのものが、完全な反面教師となって根本的な意味の市民運動を推進させた、ということになる。
きっかけは尖閣周辺に漂っているが、対中局地戦が「満州事変」を模した(謀略的挑発)として、あとは多分安倍晋三軍がそのまま突っ走り始めるかだ(さながら関東軍のように)。勿論これが米軍を事実上の軍事行動に駆り立てるとは思えないにしろ、何らかの米中接触交渉があるだろう。何より安倍晋三軍謀略が国連のシースルーを掻い潜れるかだが、場合によっては国連脱退とならぬとも限らない。
琉球沖縄からすれば、戦争を知らない安倍晋三政権が対中脅威という幻想的理由をもって弧状諸島を軍事要塞化するというのは、琉球人が日本国民であることに遂に堪忍ならぬ心情的忌避感を持つに至る風景だろう。与那国、宮古、石垣と、彼らの先走った軍拡行為は、沖縄県民を蹴散らして進められる。辺野古の頓挫が霧に隠れてしまうような勢いだ。首長たちは安倍の息がかかって「過疎地活性化」をうたい文句に相変わらぬ愚昧な郷土の身売りに加担している。フクイチは何の意味もなくなった。人間は同じ過ちを何度でも繰り返す。(つづく)