そこは彼にしてみれば禁断の地のような匂いに満ちて別種の空間であり 禁句のようなささやきに支配された僻遠の地としてのみ頭骸の陰にほんのちょっぴりひそんでいた 悲痛な叫びは迸る涙を呑んでいつしかアッケラカンとしたサンシンの弦の上に南国特有の軽々とした旋律を奏でる 65年前の嵐のような血みどろの殺し合いと信じがたい祖国の裏切り いうに言われぬ恐るべき差別 そして今に至る妄想に満ちた核の傘というアメリカ支配 腑抜けと化した祖国の為政者たちは飼い犬さながら盲従し この地を蝕むにまかせこの地の人々を蹂躙し 今また薄弱な希望の挙句に裏切りの地獄への第1歩を偽善的に歩ませようとする 怒れ怒れ怒れ 死していかれ いまや涙のままに爆発的に噴煙をあげ 足踏み鳴らしてプロテクトせよ
彼は言葉足らずの感情の湧き上がるさなか 仇敵を凝視する柔弱な青侍のように頼りなくだが これから起こらんとするこの国の歴史を確かに少しも見逃すまいと身構えた
彼は言葉足らずの感情の湧き上がるさなか 仇敵を凝視する柔弱な青侍のように頼りなくだが これから起こらんとするこの国の歴史を確かに少しも見逃すまいと身構えた