こういうのを、9割がた反対する沖縄県ぐるみ、まとめて籠絡する国策というのであろう。
その最初のきっかけは、先の政権が夜討朝駆けで奇襲するという、一昨年年末未明に起こった「環境アセス」評価書の県庁への強引なねじ込みであり、これに対する数百に及ぶ知事意見に基づく、昨年年末の評価書補正投げやり提出だった。
ここで政権が交替したわけだが、こうした流れに便乗して安倍政権は、今年3月、到底県知事許可を得られそうもない「辺野古沖公有水面埋め立て」承認申請提示になだれ込み、今は、本来「普天間返還」とパッケージ化しない「嘉手納以南基地返還」の期限明示を米国政府に要求し、これをもって「負担軽減」の実を上げたという「口説き文句」にすり替えて、県に「辺野古移設」を呑ませる肚のわけだ。
沖縄県の誰に?県知事に?県民の暴発なんてことは考えないのだろうか。「普天間返還」は9年後を目処に調整するということだが、この期限自体、ここまでの「普天間」を巡る経緯においては一切守られたためしはない。つまりこの9年後、という安倍政権の「かのような」こと振り(自明の理のごとく収拾している事案、であるかのように見せかける)は、「辺野古移設」という条件を無責任にも決定事項のごとく切り札にし「普天間返還」の犯罪的遅延をさも沖縄側の不手際のごとく見せかける挙に、決定的に打って出たのである。
マスコミ・マスメデアもこうした流れを不作為に垂れ流し、さも自民政権の手で「普天間問題」はいよいよ解決の方向へ向かっているとでも言いたげだ。こういうこの国の翼賛傾向を危惧し論陣を張るジャーナリズム精神はこの国には見当たらない。
何故抵抗しないのだ?挙国的に流れていく国家に楔を打ち込むのは君らの役目じゃないのか。人民は非暴力的に「座り込んで」国家権力に抵抗する。この方法しかない。しかし大量にかつ万人向けに情報を提供する君らは、重大なオピニオン上の代表者的言論の責任を負っているのである。いずれにしろ沖縄の住民の闘いは日々絶え間なく続けられる。(つづく)