沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩 29

2007年08月29日 13時39分22秒 | 手記
 スポーツマン金太郎、まぼろし探偵、月光仮面、怪傑ハリマオ、少年ジェット、ビリーパック、七色仮面、ナショナルキッド、誓いの魔球、少年NO.1、背番号0、いなずま君、いがぐり君、矢車剣之助、赤銅鈴之助、彼らの上を季節が巡る、夏や正月や、冬が、ふと湧き上がる思い、鉄人28号、鉄腕アトム、魔人ガロン、不思議な少年、テレビが普及し始めた時代にテレビを入れなかったために生じた妙な引け目、

詩 28

2007年08月28日 23時22分49秒 | 手記
 無邪気無条件、敗北敗残、復権、人生。

 人間回復、人間復興、ルネサンス、起死回生、なんか違うな、今更どうしようというのだ、心臓逼迫、呼吸困難、生きている以上死ぬほどという表現はうそっぽい、死は眠り、眠り込みたい、もう何十篇となく繰り返した独言、

 失敗、ところで歴史は個人を如何に救うかという問題について、

 アレキサンダー、ナポレオン、チンギスハーン、虐殺者はホロコーストによって効率的に英雄となった、ヒトラーは頭の中にできた腫瘍のようなアーリア優越説を実行し計算違いで狂人またはただの悪魔的人間に、さてかれらに蹂躙された無数の個人は、統計学により分類されるがしかし、何の救いもない、言い知れぬため息のような思いのなか、忘れ去られるに違いない、とすれば歴史は個人の敵か、かもしれない、

 この進歩的歴史性から個人が生き延びる道について、

 詩、物語、伝承、あらゆる叫び、いや叫びじゃあだめだ、矯めてためて、

 凡人が何を言うか、

 

詩 27

2007年08月26日 01時04分50秒 | 手記
 この川は時々溢れては庭に海を作ったが、騒動の末床下浸水程度で事なきを得た、嵐が去った翌日には泥鰌ばかりか小さな水生動物をももたらし、庭にできた海に多大の好奇心をつのらせた、が、しばらくするうちにそれは泥沼と化しやがてただのぬかるみになった、

詩 26

2007年08月25日 02時39分47秒 | 手記
 大雪の日の夕方にはトップリ暮れた凍てつく夜道をカシャカシャと踏みながら帰るのだが、手足はすでに痛いほどに冷えて、手袋や足袋はなんの効果もなかった、戦闘帽のような両耳の覆いが付いた帽子にはサングラスめいた緑色のセルロイドのめがねも付いていたが、これも残念ながらその内側の綿毛にもかかわらず、雪の上を吹き渡る北風にはただの冷たい布切れに過ぎない、

詩 25

2007年08月22日 15時12分23秒 | 手記
 虫を奪うねずみ男、この色の足りない上級生は薄茶の髪にねずみの目をしていた、我々の捕らえたバッタやコウロギを袋ごと取り上げ、面白そうににやつくのだが、どういうわけかあまりくやしくない、できのよくない孤独な影がみえていて、同情すらしていたかもしれない、

 長い秋の退屈な教室、

 

詩 24

2007年08月21日 13時57分22秒 | 手記
 雨

 この不思議な水分は音と明暗を基調に五感を巧妙に刺激し、子供の情景に独特の伝説をもたらした、湿気と熱気に翻弄される学校の廊下、薄暗がりに諸処たむろする影、ふと見やれば素通しガラスの向こうにパアっと、しらじら光る空気、たまり水に雨脚が踊り、止む気配のない低気圧にホッとする子供のきまぐれ、

詩 23

2007年08月20日 02時19分53秒 | 手記
 彼は彼の一生を振り返り、ある場所から一度も抜け出せなかったことを知ったが、それが何処なのかはついにわからなかった、それはつまり彼の一生が「ある阿呆の一生」だったことを意味しているが、自ら獅子の口に飛び込む勇気は殊更なかった、荒涼とした原っぱにぼろぼろ風にやぶれながら死にいくあの烏のように亡びたら、あるいは少しは霧の晴れるように彼の一生もみえてくるやも、

詩 21

2007年08月16日 09時12分08秒 | 手記
 子供の世界

 手首を切る、兄が手当てする、兄の放った矢が腿に刺さる、兄と夜、月の光のしたでバドミントンをする、兄とピンポン玉で野球をする、たらいの水を回転させると中の木切れが争って回転する、競泳だあ、山中、大崎、ブリーン、ローズ...
N君と物置小屋でちょっとした家を作り、そこでローソクに火をともし、くぐもった冬の日の遊び、眠りこけてた目を覚まされると、玄関先に購読してる小学生月刊学習雑誌がおかれてある、靴下がはきたい、いくつかの思い出には負のイメージがあり、彼の表情に曇りを与える、重い一生ものの枷、一生ものの憂鬱は人生の重大な基調となり、一度全部ひっくり返して取り出し、お得意のおとぼけを決め込むってえのはどうか、無意識の放置された傷は化膿して、子供の世界は終わる、終わったものに手を加えて今更なにを取り返すのか、君のけちな道徳感に付き合ってる暇はない、

詩 20

2007年08月09日 14時42分45秒 | 手記
 彼は新学年の真新しい教科書の匂いが好きだった、それは前学年の3学期に配布された、講堂に並べられたいくつかの机の上にやや無造作に置かれたそれを、各自自分の分だけ取り集めるのだった、そして春休みのある日、それらに目を通すとき
その字面からくる強い意志を感じた、しかし新学期が始まると、それらは退屈なお荷物と化した、

 夏の終業式の日、隣の教室の友達が廊下で待っている中、今日のプールを思いながらやがて教師の挨拶が終わり、放校されるやいなや長い休みへと飛び込んでいった、

 秋は様々な記憶に満ちている、

 冬もまた、...

詩 19

2007年08月09日 00時50分18秒 | 手記
 彼の人生は霧がかかったどこか熟柿のようなにおいのする明け方の路上に近い、いつも派手な大団円に巻き込まれながら、後の祭りのように終末の侘しさにつつまれている、もし最初からやりなおせるなら、...全く無意味であろう、人生がいちいち物語りのように意味と形式をもっているのなら、もしなんの衒いもなく赤々と燃える火であるのなら、死は何故全てを永遠に過去へと葬り去るのか、弁護士カートンは一人の女のために自ら断頭台を選び、...あのキリストさえ自らエルサレムに赴いたではないか、孤独のなかで末期の目を閉じるわけにはいかない、 

詩 18

2007年08月05日 18時48分22秒 | 手記
 ぼんくらあの頭に社会が鉄槌を下したと思ったら、いつか脳漿は流れ出し、心臓から止め処なく青臭い血が溢れ、おのが体液の海に溺れて、何もかもわからなくなったのか、すでに地位を得た連中のなかでおろおろした人生であった、自殺は決着のつかぬところに決着をつけることだと知って、おんが規範に舞い戻ってみると、
うかうか過ごす人生により意外にすみやかに死はやってくるのかしらん、