沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩59

2009年08月22日 11時36分02秒 | 手記
 彼が生きた時代は戦後朝鮮戦争の始まった年から高度経済成長政策の奔流と列島改造論による挙げての生活水準上昇 一億総中流時代の幕開け といった風景にあって健全な運動会であった学生運動の頃社会を体感し 三島事件よど号乗っ取り赤軍リンチ事件浅間山荘事件など父と子の確執であるかのような奇妙な家族関係的発露を横目に見ながら さてふとわが身に帰って省みれば多くは時代の風潮やらドサクサにまぎれて糊口を潤したばかりで 思想的にまた倫理的に格別の画期的体験が語られることはない 則天去私は理想でなく願望でもなく一つの心構えであり もしそれが秤として絶えず機能しなければ 全ての言行はいつか烏有に帰すであろうと悟ったのは実に彼の晩年であった