沖縄を考える

ブログを使用しての種々の論考

詩554 辺野古のこと 3 琉球民族という先住民族に対する日本国政府の怠慢な差別醸成

2014年08月30日 20時41分31秒 | マスコミジャーナリズム

 国連人種差別撤廃委員会による最終見解、というもの。委員稟議による委員会としての合意決議ということであろう。2001年、2010年に続いて3度目の日本国政府への「勧告」となっている。更に委員会はこの勧告に対する政府回答をも求めている(当然3度目となれば十分に説得力ある回答が求められるだろう)。前回2010年時の「勧告」に相違して「米軍基地」に関する言及はない。もしかするとそのときの日米政府の回答が彼等委員会においては了承済みのこととなっているのだろうか(我々はそこにこの委員会の根本的な人権保護上の脆弱さ、無力さを見ないわけにはいかない....当然それはとりわけて米国主導の世界観に拠っているのだ)。「米軍基地」への勧告でない以上、具体性を欠いた見解ということになりはしないか。というよりも糸数参議院議員の演説が、とりわけ現行辺野古移設の具体的な進展が有する危機感を十分に伝えきれなかった、ということなのか。

 琉球沖縄の人民を先住民族と見做すことは、外来的な国家(日本国)政府による国家的な囲い込みに基づく異民族(琉球民族)の従属化が、人類学的自然発生的にはこれを差別的に処遇する結果を生起する、という認識であろう。「琉球処分」以降、日本国政府はその対琉球施策において歴史的に在来人民とは隔絶する性質の強い傾向化を促進してきた、と見做すことだ。つまり「民俗差別」の意味である。琉球民族にあって円満な日本国帰属をもって是とする民意であるならば、自然発生的な差別性を具体的に是正するには在来人民よりも更に一段とその民意を確実に汲み取りかつ両者間の、時間をかけた協議実質を具現する必要がある、と考えなければならない、ということになる。しかし、日本国政府と米国はこの「先住民族」の「頭越しに」合意した結論や、正確には民意(80%の県民が反対している)を表現していない県知事の「埋め立て承認」だけを根拠に、いわば強引、かつ強行に現行、辺野古移設における具体的な自然体(大浦湾)への破壊的アプローチを試みていることになる。これに対しての「勧告」と取るべきところであろうし、そうでなければこの「勧告」は何の意味もない。(つづく) 


詩548 日米政府官僚が沖縄に対してやっていることの正体 琉球新報社説

2014年08月30日 06時59分46秒 | マスコミジャーナリズム

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230837-storytopic-11.html

 ことほどさように、自民党政権下では「なんでもあり」で突き進む。あの腐れ知事が居丈高に「辺野古推進」を叫び始めたのは、この政治家が到底おのれの出した条件のクリアが不可能な状況に慌てふためく様子を示している。こんな野郎を三度知事に選んだなら琉球沖縄のマブイは地に落ち、救いがたい本土と同等の立ち位置に自ら追い込むことになるだろう。彼が言う「事務的な手続き」は責任逃れでしかなく、本来人間が当然に示すべき超法規的な自律の精神こそ声高に叫ばねばならないことなのだ。彼は結局自治権さえこの文言の下に放棄してしまった。沖縄の自律の精神とは、あらゆる国家的な暴虐威圧に対して、その歴史的抵抗の証しを立てることにしかなく、それがまさしく現在辺野古で住民、市民、県民、有志が「チルダイ」することなく海に陸に繰り返している国家権力との人権闘争なのである。


詩554 辺野古のこと 2 あきれ返った国家

2014年08月29日 17時51分11秒 | 政治論

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81433

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81425

http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=81416

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-230798-storytopic-3.html

 日本国政府、外務防衛官僚、安倍内閣、米国政府、オバマ、国防総省が、本土から僻遠の地で、本土人に安保の実態が見えにくく、軍事基地近接ストレス異国の軍隊支配性が齎す屈辱感といったものを、本土人がまず絶対に実感し得ないこの琉球島嶼に、息継ぐ間もなくかくも前近代的な帝国主義的植民地主義の実践としての現代的な国家犯罪行為に邁進している現在の辺野古のことを、本土の日本人は同朋の悲惨な実態としてよくも心して覚えておかねばならない。

 彼らは上記報道にある県内民主制代議員が次々と決議し抗議している事実には全く目もくれず、日々抗議活動する一般市民に官憲と命令絶対遵守職員による暴力的威圧を加えながら、人民と自然環境に対する永久的罪過の痕跡を大浦湾に刻み付けている。我々はこの反歴史的な、国家による低劣な暴虐を決して忘れないし、このようなポチ国家というものになんらの価値も見いだせはしないということに改めて気づくのである。およそこの国のどこにも精神的な尊厳ある人間の在り様というものを我々は見出し得ない。つまりこの国の政治が国民に耐えがたい絶望感を投げつけている。