- まあ、聞いておくんなせい。
ある日、行き慣れた「正凛亭」で酒の席があった。
少人数でコース料理であるがゆえ、料理の写真は差し控えたのが、ちょっと心残りなのだが、楽しい酒の席となった。
メンバーは4名で、全員所属も役職も年齢も大きく異なるのだが、同じ職場で働いた仲間が一人栄転すると言うことで、この会は行われた。
主賓が下戸であるため、クルマで来ていた。
元々、正凛亭の関係者に無理を承知で、君津駅までの送迎を依頼していたが、主賓の好意で同駅まで送ってもらった。
じゃー解散っ!!
と、なったところで、主賓から飛び出たのが、もう何年も見たことのない「タクチケ」 。
『コレで帰ってください』
『いやいや、オレの住む街は、ここから60キロ以上もありますから電車で帰ります。』
『いやいや遠慮なしに・・・・』
その後、数分間の押し問答があったが、結局押し切られて、タクシーで帰ることになった。
君津からでも電車とバスで帰れば、オレの居所まで1000円もかからない。
時間も夜の9時半・・・・楽勝だ。
それを、1万以上かけて帰るというのは、どうにも気が引けた。
かなり後ろ髪を引かれたが、他の2名を落とした後、いよいよ北紀行となった。
そして、ハンドルを握るタクシードライバーは、どうみても60代後半。
もしかしたら、70を超えているかも知れない。
聞くと、4年のドライバー歴であるものの、土地勘が未だおぼつかないとのこと。
昔は、新日本製鐵(株)関係者が、タクシーチケットで市原市ぐらいまで普通に乗ることもあったようだが、ここ最近の乗車は、それでもせいぜい木更津市内までらしい。
(昔といっても4年前だけど、それより年々景気後退は感じていると言うことだな)
ここにも景気の波を感じたものだが、それよりドライバーが気になって仕方がなかった。
とにかく運転自体が、ヘッタクソなのだ。
止まる直前のブレーキコントロールは、まあまあなのだが、車間は取りすぎるし、急ブレーキをかけるタイミングじゃないのに急ブレーキをバンバン踏む。
こちらは、オカマを掘られるんじゃないかとヒヤヒヤしっぱなしだった。
大した酒は当然飲んでいなかったが、段々、酔っぱらってきたオレ。
たまらず・・・
『高速使えますよね、上乗りましょう』
タクチケで乗せて貰っている以上、下で帰ろうと思っていたが、このまま1時間以上、この状態だと胃袋もキモももたない。
さらに、俺の住む街までタクシーで乗せたこともなければ、通ったこともないという。
こちらは寝られないし、落ち着かないしで、最良の選択と考えた。
挙げ句の果てには、高速の乗り口も知らないし、ETCゲートを通過したこともないというので、俺が完全フルナビゲーションするハメとなってしまった。
袖ヶ浦市内を走行中だったが、さすがに国道16号(旧道)から、国道16号バイパスに出るくらいは分かるだろうと思い、
『とりあえずバイパスに出て、千葉方面へ向かってて下さい、曲がるときが来たらお知らせしますから』
と伝えて、ケータイを眺めていた。
ところが、いくらでもバイパスに戻るルートがあるにもかかわらず、一向に登る気配がない。
まあ、そーはいっても、さすがに最後の陸橋で合流するかと思いきや、まさかの直進!!
袖ヶ浦から旧道で千葉まで帰るなんてとんでもないっ!!と思い、
『そ、そこ左に曲がって!!』
勿論、急ハンドル。
思いっきり、右側にカラダが振られ、もうグッタリ。
『そのうち、高速の乗り口案内が出ますから、そのとおり行って下さい。』
姉崎袖ヶ浦インターへ向かうには、土地勘が無くても誰でも行けるだろう・・・と思うのは当たり前なワケで・・・
・・・・その後、当然かの如く、北袖ICをスルーされてしまい、めげずに市原ICを目指してみたが、ちょっと話に夢中になり、やっぱりスルー。
無理矢理、養老大橋の手前ぐらいから、身を乗り出しながら、手振り足振りで、市原ICに遠回りしながら辿り着いた。
しかし、まだ事件は続く。
なんとETCゲート直前で止まってしまうのだ!!
『ぎゃーーーーーーー(内心)』
それも急ブレーキだぜ??
これは、会社がキチンと教えていなかったのか分からんが、あまりにあんまりだ。
高速に乗っても試練は続く。
なぜか中央線に酔ってしまうクセがあるのか眠いのか分からないが、話しかけてあげないと、ヨレヨレになる。
おまけに手元を見ると、老人特有のふるえまで確認出来た。
恐ろしいったら、ありゃしなかった。
よっぽど、オレが運転しようかと思ったぐらい。
冗談で、
『オレが変わりましょうか、運転』と言えば、
『今、捕まったら社会的制裁が厳しいですよ、お客さん』
と、マジで返される(笑)
オレ的には、社会的制裁よりも命の危険を感じているんだけど・・・・
そんなこんなで、2時間弱の北紀行。
電車で帰っても変わらない時間がかかり、命も数年縮まった。
これは貴重な経験なのか?とポジティブに考えながら、メーターを見ると・・・
23000円也
主賓者様。
申し訳ありませんでした。
袖ヶ浦か長浦までにしておけば良かったです。
-------------
■おまけ
ちょっと、あのブログみたいな構成になっちゃったけど、正凛亭を紹介するのも久々のなので・・・
中国家庭料理 正凛亭 富津本店[ウマイ!中国家庭料理] - JR内房線 青堀駅 車3分
- 〒293-0012 千葉県富津市青木84-2 ※2009年9月28日現在の情報です
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