ようやく進むか「地方交通のキャッシュレス化」 交通系ICカード以外の方法も 2019.04.07 乗りものニュース編集部
【交通系ICの利便性とは】
今年の3月末に当方は、東京から名古屋を経由し、岐阜から高山までバスでの一人旅を敢行したのだけど、そこで感じたのは、やはり清算時における利便性の良し悪しだった。
千葉の都市部を居所としている当方にとっては、鉄道・バスの移動にsuica決済で各改札を通過している。
suicaをはじめとする交通系ICは、一言でいえば、何度も利用できるプリペイドカードともいえる代物で、クレジットカードでいうところのデビッドカードみたいなもの。
都市部において、まずこれらが使えないところなど、現在においてないほうが珍しいくらいだという認識は間違っていないことだろう。
【博多・名古屋は当たり前だったな】
昨年末では博多と北九州を旅した当方だが、福岡の地下鉄や市内のバスも普通に使えたsuica。
そして、先日の名古屋でも市営バスはもちろん駅のコインロッカーもsuica対応型だった。
まあいわゆる都市部であれば、今のご時世なら対応できるということだが実はまだ多くのところで課題がある。
たとえばICカードの制限地域を超えたり跨いだりのしようができないことなどが挙げられるだろうか。
【岐阜は都市部でない?】
名古屋から岐阜までの移動は、今回JRを使用したが、都市圏であるため鉄路におけるsuicaの利用はOK。
しかし、事前に調べていたので当然suicaは使用しなかったが、岐阜市内を展開する岐阜バスは名鉄系のバス会社であるものの、交通系ICは独自ICのみ使用できる仕様となっていた。
つまり、相互利用ができるICは、岐阜バスにおいて利用できないということだった。
過去ログでも語ったが、岐阜バスのサービスは、バス停からバスの車内まで都市部では見られないほど近代的だったのに、相互利用可能なICカードの利用はできないという不便さを持っていた。
岐阜は岐阜でも県庁所在地だよなぁ・・・
と、ぼやいてしまったけど「郷に入っては郷に従え」だから仕方ないけれど。
【観光地であっても】
岐阜は岐阜でも、一級の観光地「飛騨高山」周辺ではICカードについて、鉄路は勿論、路線バス全般が利用できない。
使えるのは、コンビニくらいだろうか。
しかし、高山ほどのインバウンドの旅行者がわんさか沸いている場所においては、なんらかの対策を練ったほうがいいかと思っている。
高山市内を走る周遊バスは、外国人利用者もかなりになることを実際に体験してきたこともある。
そんな彼らの一部は、どこぞで入手したクーポン券だか回数券を駆使してバスの利用の円滑化に貢献していたようだが、やはりそれも日本語が読めないので、丸ごと運転手に渡して対応しているのが現状だった。
また日本人のほうが、圧倒的に1000円札を両替して利用という効率の悪い決済に貢献していることが把握できたことから、観光地ほど何らかの対策を行ったほうがいい気がするのだが。
【高山は要対策?】
高山において日本人向けには、フリーパスなどで現金決済を回避させるようなサービスも展開しているが、実際のところ、フリーパスを使っている旅行者には出会わなかった。
その答えは簡単で、主に駅の東側を巡る‘まちなみバス‘の使い勝手が悪いことが挙げられるだろう。
本数が少ないこともあって、そこまでの移動ならバスでなくてもいいように思ってしまうからだ。
自分も今回、展開が向いたら一度くらい乗車する気満々だったが、時刻表通りにも動いていなし、そのバス停から次の目的地へ向かいたいときにちょうどいいのが一回もなかったから使う機会がなかった。
実際に今回自身の徒歩旅で、一度たりとも追い抜かれることもなかったしね。
当初はまちなみバス優先で旅程も立てたが、それほどメリットがなかったため使わなかったというのが答えだ。
【鶏が先か卵が先か】
もし電子決済を取り入れるのならば、相互ICのように先払いか、コード決裁のように後払いなのかは議論が分かれるところか。
日本人向けなら圧倒的にICだろうが外国人はそうもいくまい。
かといって、バスの運転手のやることが増えるようでは円滑な運行の妨げにもなる。
いまや日本では、コード決裁も対応機関が乱発生していて一本化の様相はないし、海外もしかりだろうか。
こうなってくると、ALL現金のほうが万国共通でやっぱり理にかなっているのかもね。
誰にでも通じることは大きいメリット。
あまりに便利さに慣れてしまったがゆえに、便利さへの様々な提案が出てくるのは仕方のないことだが、地方であれば不便さありきの地方決済という割り切り方でもいいのかもしれない(オレはIC推奨派だけどね)。
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