高齢者に優しい住環境

2010年03月13日 | 住まいづくり
先日商工会議所の主催の「高齢者に優しい住環境」講習会の今期の最終会だった。

 介護保険が始まり、高齢時代が本格的になった。そんな意を受けて福祉住環境コーディネーターの出番もありきかなと2級の資格を取ったけど、私の出番などないままに今日までを過ごしてきていた。私のにわか知識より、現場を知る監督たちのほうが、ずっと実践的だ。
 それもみな実生活で介護の経験をしてきているから。

 今回の講習を通じて、あらためて私を含めて受講者の皆さんが、真剣に自分の老後を考える機会になったようだった。
  
 受講者一人ひとりが、感想を述べた際、隣席の(有)吉澤建築の八枝さんが、その時必要とされている人に、届けられる1本の手摺の価値・・・・・自分の会社ができる社会貢献です、と話された。

 その言葉に思わず拍手を送りたかった。・・・・この気持ちがなくして何の仕事もできようかであるが・・・・あらためて心にしみる言葉だった。介護保険の補助金の範囲の仕事は、採算が取れるというレベルではないから。

 出席率の悪かった私にとって感想を述べるのは心苦しかったが、一人の団塊世代の男性が、自分の老後の心配をする一方、親のオシメの交換はできない、と言った言葉がみょうに引っかかった。

 きっと我が子のオシメの交換もしたことがない年代なんだろうなとは思いつつ、これから迎える団塊世代の高齢化の現実は今より厳しいかもしれない。

 在宅でみれる限界・・・・そして老老介護

 高齢者や障害者のためのリフォームと言いつつ、手摺や段差解消だけでは、長く在宅でと思いつつも厳しい現実をみることがある。

 用意された「在宅生活が継続できる住宅とは」のテキストはどこからかのコピーであったが、それを読みながら、ちょっと中味が古いのではと・・・・
 
 換気についてである。「最近は住宅の気密性が高くなってきたこともあって、汚れた空気は以前より室内にこもりやすくなっています。したがって、窓を時々開けて空気を入れかえるのがよいのですが、これをしにくい時は換気装置を設置して強制的に空気を入れかえることが必要です。」・・・・・換気装置は義務化になっても何年もたちますから。

 高気密を建て始めた20年前から、気密と換気は表裏1体であるという認識でいる身にとって、世間一般の常識として換気に対する関心のなさに驚くことがある。

 換気装置ってピンからキリまでありますし、もし付けたとしても気密が取れていない住宅ではほとんど有効に働いていません。

 これからの時代、換気を抜きにして「快適な住まい」「住みごこち」のいい住まいは考えられない。目に見えないものだからと、時の安価のために、おろそかにされていいものではないと思う。

 バリアフリーといわれて段差解消がよく言われるけれど、1番のバリアフリーは温度差の無い住まい。
 
 真冬お風呂に入れる時・・トイレの回数だって全然違うし・・・介護する人もされる人も大変な思いをしないためにも。
 
 一緒に受講した若い人たちまでが、しっかりと老後を考えたみたいだけど・・・・暗くなりそうでそっちの方が・・・・心配。

 大丈夫よ、私たち団塊世代は、先輩世代とはちがって・・・そんなに生きられないから・・・と勝手に思っているんだけど(笑)
           依田美恵子
軽井沢・佐久で建てる外断熱・省エネ住宅 中島木材の家


【 中島木材のホームページは こちら


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