甥の結婚披露宴に招待され京都へ出掛けたのは2月3日の節分の日だった。
義弟の車で行く事に成り運転をしないのは気が楽かと思ったけれど、やっぱり助手席は其れなりに疲れる。
数えてみると甥とは30歳の年の差が有り彼の父親は私より若い。
最近の披露宴で良くある「お礼の言葉」がテーブルの名札の裏に書き込まれており、それが又小さい文字で細かくびっしり書いて有る。その中に「ミニ4駆で遊んでくれた」と綴られていた。
そんな事はすっかり忘れていたけれど、甥がミニ4駆にはまって居ると聞いて、清水に遊びに来るまでに、大人が経済力に物を言わせて作るとこうなるってのを見せつけた事を思い出した。高回転のモーターや高価な補助リングを付け重くなった分ボディーの肉抜きなどかなり気合を入れて完成させて彼にプレゼントした。ちょっと大人げ無かったですね。
そんな話を義弟としていたら隣に居た姪の旦那が「私もミニ四駆やってました」とライン参加してくるから分からない。
ニューヨークで働く彼と共通の話題が有るとは思わなかった。(笑)
*-*-*
2時からの披露宴も終わり用意してくれたホテルにチェックインすると一人でいる部屋はすごく静かだった。
少し転寝をしたつもりだったのが7時に成っており、お土産を探しに外へ出た。
2015年の4月。妻と桜を見に来た八坂神社に行こうと思いついた。まだ蕾も膨らんでいないのに。
通りの寿司屋の前ではどの店でも「恵方巻」を売っており、そんなに買う人が居るんだと思っていたら、今朝のニュースでは売れ残った恵方巻は廃棄すると言っていた。
回転寿司の店先でも売って居るのだから余っても可笑しくない。
ホテルから歩いてきたら意外と時間が掛かった。8時を過ぎている。
そこでまたまた思い直す。
八坂神社は自分が思っていた距離よりも遠かったので、妻と食事をしたうどん屋に行く事にした。
確かこの角を曲がった所のはず、と思って曲がったけれど無い。道を間違えて居た。
しばし立ち止まる。
今から何をするか。鴨川の袂ですっかり酔いも冷めてしまった。
そうだ。「居酒屋紀行」の太田和彦氏が言っていた「めなみ」に行って見よう。
こんな時スマホは便利だな。
程無く到着。初めての店で京都となると入り難い。昔はそんな事は思わなかったのだが年と共に臆病に成ってしまった。
何度も店の前を通り過ぎ、辞めようと思った。
でも、もし二人で来てたらカッコつけて入っただろうなと思うので思い切って入って見た。
心臓バクバク。
一人なんだけどと言うと
「ご予約ですか」と聞かれ、違うと答える。
「只今カウンターは満席です」と言われてしまった。やっぱり断られるんだと思っていると後ろに居た割烹着姿の三代目の女将さんが
「掘り炬燵の席でも良ければ空いてますが」と言ってくれた。
私は何処でも良かったのでその席に通された。
ぬる燗と鴨塩焼き、穴子の酢の物を注文する。
暫くすると酢の物は終わってしまったと言いに来たので、穴子好きの妻のために「伝助穴子焼霜」を注文する。
今日は私が代わりに食べます。
お酒とお通しが運ばれて来たので、ゆっくり飲み始めた。人気店なんだなあと思いながら冷えた体が温まって来た頃カウンター席が空いたと言うのでそちらに移る。
穴子が運ばれてくる。
半生の穴子は初めてなのでその歯応えからして美味しい。
目線を上げるとカウンターの向こうに人懐っこい笑顔でこちらを見ている焼き場担当のお兄さんと目が合い美味しいと告げると彼は嬉しそうに笑った。
披露宴の演出に新郎新婦の生い立ちを紹介する写真がスクリーンに映し出され、妻と甥が一緒に写った写真が大写しさた。
その妻の顔を見たら泣きそうになった事を穴子を食べながら思い出し、お兄さんにしんみり話した。
節分の話に成り、恵方巻を一人一本食べるのは普通の事らしいのだけど、恵方巻を包丁で切ったりしゃべりながら食べたりしないって本当の事の様だった。
この店では恵方巻は無いけれど「節分いわし」と言う焼き物が有り、この日のために大きめの鰯を塩漬けにして置き、節分の日だけの特別メニューとして出すそうだ。
そう聞くと食べたくなり注文する。残った鰯の頭はヒイラギに差玄関に飾るとか。
一人で京都の夜を過ごせて良かったし気持ちが軽くなった。
まるで宿題が一つ片付いたようだ。
義弟の車で行く事に成り運転をしないのは気が楽かと思ったけれど、やっぱり助手席は其れなりに疲れる。
数えてみると甥とは30歳の年の差が有り彼の父親は私より若い。
最近の披露宴で良くある「お礼の言葉」がテーブルの名札の裏に書き込まれており、それが又小さい文字で細かくびっしり書いて有る。その中に「ミニ4駆で遊んでくれた」と綴られていた。
そんな事はすっかり忘れていたけれど、甥がミニ4駆にはまって居ると聞いて、清水に遊びに来るまでに、大人が経済力に物を言わせて作るとこうなるってのを見せつけた事を思い出した。高回転のモーターや高価な補助リングを付け重くなった分ボディーの肉抜きなどかなり気合を入れて完成させて彼にプレゼントした。ちょっと大人げ無かったですね。
そんな話を義弟としていたら隣に居た姪の旦那が「私もミニ四駆やってました」とライン参加してくるから分からない。
ニューヨークで働く彼と共通の話題が有るとは思わなかった。(笑)
*-*-*
2時からの披露宴も終わり用意してくれたホテルにチェックインすると一人でいる部屋はすごく静かだった。
少し転寝をしたつもりだったのが7時に成っており、お土産を探しに外へ出た。
2015年の4月。妻と桜を見に来た八坂神社に行こうと思いついた。まだ蕾も膨らんでいないのに。
通りの寿司屋の前ではどの店でも「恵方巻」を売っており、そんなに買う人が居るんだと思っていたら、今朝のニュースでは売れ残った恵方巻は廃棄すると言っていた。
回転寿司の店先でも売って居るのだから余っても可笑しくない。
ホテルから歩いてきたら意外と時間が掛かった。8時を過ぎている。
そこでまたまた思い直す。
八坂神社は自分が思っていた距離よりも遠かったので、妻と食事をしたうどん屋に行く事にした。
確かこの角を曲がった所のはず、と思って曲がったけれど無い。道を間違えて居た。
しばし立ち止まる。
今から何をするか。鴨川の袂ですっかり酔いも冷めてしまった。
そうだ。「居酒屋紀行」の太田和彦氏が言っていた「めなみ」に行って見よう。
こんな時スマホは便利だな。
程無く到着。初めての店で京都となると入り難い。昔はそんな事は思わなかったのだが年と共に臆病に成ってしまった。
何度も店の前を通り過ぎ、辞めようと思った。
でも、もし二人で来てたらカッコつけて入っただろうなと思うので思い切って入って見た。
心臓バクバク。
一人なんだけどと言うと
「ご予約ですか」と聞かれ、違うと答える。
「只今カウンターは満席です」と言われてしまった。やっぱり断られるんだと思っていると後ろに居た割烹着姿の三代目の女将さんが
「掘り炬燵の席でも良ければ空いてますが」と言ってくれた。
私は何処でも良かったのでその席に通された。
ぬる燗と鴨塩焼き、穴子の酢の物を注文する。
暫くすると酢の物は終わってしまったと言いに来たので、穴子好きの妻のために「伝助穴子焼霜」を注文する。
今日は私が代わりに食べます。
お酒とお通しが運ばれて来たので、ゆっくり飲み始めた。人気店なんだなあと思いながら冷えた体が温まって来た頃カウンター席が空いたと言うのでそちらに移る。
穴子が運ばれてくる。
半生の穴子は初めてなのでその歯応えからして美味しい。
目線を上げるとカウンターの向こうに人懐っこい笑顔でこちらを見ている焼き場担当のお兄さんと目が合い美味しいと告げると彼は嬉しそうに笑った。
披露宴の演出に新郎新婦の生い立ちを紹介する写真がスクリーンに映し出され、妻と甥が一緒に写った写真が大写しさた。
その妻の顔を見たら泣きそうになった事を穴子を食べながら思い出し、お兄さんにしんみり話した。
節分の話に成り、恵方巻を一人一本食べるのは普通の事らしいのだけど、恵方巻を包丁で切ったりしゃべりながら食べたりしないって本当の事の様だった。
この店では恵方巻は無いけれど「節分いわし」と言う焼き物が有り、この日のために大きめの鰯を塩漬けにして置き、節分の日だけの特別メニューとして出すそうだ。
そう聞くと食べたくなり注文する。残った鰯の頭はヒイラギに差玄関に飾るとか。
一人で京都の夜を過ごせて良かったし気持ちが軽くなった。
まるで宿題が一つ片付いたようだ。
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