引き続き

2016-10-02 17:46:53 | 

「 古代の格闘技 」 を読む。長田龍太著。新紀元社。

 「 スパルタではボクシングやパンクラチオンが行われていなかったという事実も、これら格闘技が戦場で効果を発揮しない技術である ( それどころか逆に邪魔になる ) という、当時の考え方を示しているのだろう 」( 119ページ )。

 本当にそれは、「 事実 」 なのか? 古代オリンピックは、現代のとは違い、「 平和の祭典 」 などではなかった。「 ゼウスに捧げる運動競技の祭典 」 であり、宗教行事だった。たとえ戦争中であっても、これを怠ると神罰が下る。当時のギリシア人はそう考えていた。だから、一時休戦してオリンピックを開催した。その結果、平和が実現したに過ぎない。
 そのようなオリンピックで、アテナイやテーバイはボクシングやパンクラチオンの選手を出しているのに、スパルタだけ出さないとしたら・・・・・・。それではゼウスの怒りを買うことになると、スパルタ人は考えなかったのだろうか?

 また、当時のオリンピックは、各種の格闘技や重装歩兵、戦車の競走・・・・・・といった競技の内容からもわかるように、「 国威の発揚 」 という意味合いが濃厚だった。オリンピックで自分たちの能力を誇示して、戦争相手の戦意を挫くことができる。だから、ボクシングやパンクラチオンで他国の選手を負かすことには、十分実用的な意味があったのだ。
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