岩波文庫のコーランは上中下の3巻から成るのだが、今ちょうど半分くらい読み終えている。言えるのは・・・。
同じ内容の繰り返しが多い。ノア(ヌーフ)の箱船のエピソードが、4、5回は出てきた。アッラーの教えを伝える預言者に逆らうと、現世で罰を受けるかもしれない。たとえ今罰を受けなくとも、最後の審判の日にジャハンナム(ゲへナ)に落とされる。このように信徒を脅迫するパターンが、延々と続く。まあ、旧約聖書も似たようなものだが。
その一方で、コーランには具体的な教えの記述(有名な「泥棒した者は、男でも女でも容赦なく両手を切り落としてしまえ」(5、42)、とか)が少ないのだ。これなら、今の3分の1の長さで十分。岩波文庫でいうと、1巻だけでいいのではないか。
とにかく聖書からの引用が多い。マホメットの最大の功績は、多神教が一般的だった7世紀のアラビア人に、聖書の内容を伝えたことではないか。そんな風に思えてきたにゃ。