宇宙の終焉はいずれやってくる!

2009年12月01日 21時05分57秒 | Weblog
どうやら、宇宙の最期には宇宙が収縮しちゃう説もあるらしいんです。
太陽や月が地球に迫ってくるんですかね? こわっ!

さて、難解な宇宙のナゾを体当たりでお伝えしてきたこの連載も、
いよいよ最終回です!
ファイナルにふさわしく、今回は宇宙の終焉についてレポートします!


宇宙は膨張し続けて冷え冷えの透明になる!?


宇宙に始まりがあったなら、終わりもあるはず。宇宙は現在も膨張しているらしいけど、今の状態のまま永遠に宇宙は続いていくのか? それとも大爆発してなにもかもむちゃくちゃになるような終焉が訪れる? う~ん…わかりません。最先端の宇宙論では宇宙の終焉をどんなイメージでとらえているのでしょう? 明星大学、東京大学数物連携宇宙研究機構の佐藤勝彦先生に話を伺いました。

「宇宙にはその正体がまるでわかっていない謎のエネルギーが満ちています。この“ダークエネルギー”こそが、宇宙の終焉の鍵を握っています。ダークエネルギーは重力とは逆の反発力を周囲に及ぼすことで宇宙を膨張させており、これが今のまま一定なのか、ゼロになるのかで運命は決まります。仮に、ダークエネルギーが減少しなければ宇宙は膨張を続け、結果、宇宙の温度は徐々に下がっていきます。断熱膨張という現象です。空気の入っているペットボトルの体積を大きくすれば、中のエネルギーが失われ温度が下がりますが、それと同じことが宇宙全体で起こるんです」

宇宙は光を超えるスピードで膨張しているんですよね? 膨張しすぎて、一気に温度が下がったりしませんか!?

「宇宙にはすべての恒星を輝かせている核エネルギーがあるので、すぐに冷えていくわけではありません。ただし、どんな星も最終的には自身の核エネルギーを使い果たして輝きを失います。重い星ほどエネルギー消費量が多いから寿命は短くなります。太陽の100倍の星なら約270万年で燃え尽き、太陽の半分ほどの星なら約1700億年で燃え尽きます。ちなみに、太陽は今から50億年後に核エネルギーを使い果たして燃え尽きるといわれていますが、そのときに中心核と外層のバランスが崩れて膨張し、赤色巨星になります。赤色巨星となった太陽は地球の軌道付近まで膨張するといわれています。そうなると地球はのみ込まれてしまうかもしれません」

うーん…。いずれ地球が消滅することは “確定”してるということでファイナルアンサーですか?

「残念ながら間違いありません。太陽が近づいたときに地球がどうなるかははっきりわかりませんが、おそらくドロドロに燃えてしまうでしょう。そして、10の14乗年後(100兆年後)になると、銀河中のガスはほとんどなくなり、新たな星が生まれなくなります。そのころには今ある恒星もエネルギーを使い果たしているので、宇宙には輝きのない星とブラックホールだけの暗黒世界になります。ただ、冷え続ける宇宙のなかで、不気味に成長を続ける存在があります。ブラックホールです。銀河の中心には巨大なモンスターブラックホールがありますが、このモンスターブラックホールが10の18乗年後には周囲の星や他の小さなブラックホールをのみ込み、成長していくんです」

最終的に宇宙そのものがブラックホールにのみ込まれるんですか?

「宇宙全体がブラックホールに飲み込まれることはありません。まず、10の34乗年後には原子核をつくっている陽子や中性子が崩壊し、電子や陽電子、ニュートリノ、光子の素粒子の世界になるといわれています」

えーと…、素粒子…。あぁ、ミノフスキー粒子の仲間ですかね。わかります。ガンダムですよね。

「違います。素粒子とは物質を細分化した最小の粒子です。そして、原子核がなくなるということは、通常の“物質世界が消滅する”ことを意味します。これは、人間も地球も星も銀河も、宇宙の構造物がすべて消滅してしまうという、恐るべき事態です。さらに、10の100乗年後にはモンスターブラックホールすら蒸発してしまい、最終的に宇宙に残るのは素粒子のみ。おそらく“無色透明の世界”になるでしょうね。しかしこの間も宇宙は永遠に膨張し続け、冷え続けていくんです」

ダークエネルギーが一定で減少しない宇宙の終焉は、ゆっくりと死んでいくような凍てついた暗黒世界。それでも膨張し続ける宇宙って…なんだか背筋が寒くなってきましたよ。誰か! 誰か! 膨張を止めてください! …ん? 膨張止まったらどうなんの?

宇宙が収縮し始めたらブラックホール1点に!?

宇宙の終焉の鍵を握るのは、宇宙を膨張させている“ダークエネルギー”だとか。このダークエネルギーが一定のまま存続を続けた場合、宇宙は膨張して温度は下がり続け、最終的には素粒子だけの無色透明な世界になってしまうらしい…。じゃあ、逆にダークエネルギーがなくなったら、宇宙はどうなるんでしょうか? さっそく、明星大学、東京大学数物連携宇宙研究機構の佐藤勝彦先生に話を伺いました。

「もし、未来にダークエネルギーが消滅したら、膨らんだ風船がしぼんでいくように、宇宙が収縮に転じる可能性があります。要するにビッグバンで宇宙が膨張したときと、まったく逆のことが起こるんです」

ビッグバンに戻るってことは、ついでに時間も巻き戻っちゃったりして?

「そんなことは起こりません。実はかつてホーキング博士が同様のことを主張しましたが、それは誤りで、彼自身も数年後にこの説を取り下げています」

おぉ、奇しくもホーキングがボクと同じ過ちを!

「宇宙が収縮し、銀河の間の距離が短くなれば銀河同士の衝突や合体がひんぱんに起こります。星やブラックホールは衝突によって飛び散り、いずれ銀河は解体されてしまうでしょう。さらに、宇宙が収縮すると宇宙の温度は上昇します。例えば、空気入れで体積の少ないタイヤに空気を入れると温度が上がるのと同じように、宇宙の温度が上昇していきます。宇宙の収縮が進むと宇宙空間は灼熱になり、地球は溶けて蒸発してしまうでしょう」

結局、灼熱地獄で人類は滅びるのか…。で、その後の宇宙は?

「宇宙の温度が4000℃を超え始めると、宇宙のガスは完全に電離してしまい、電子が自由に飛び回れるようになります。自由に動ける電子は光と衝突するため、光は宇宙空間を直進することができなくなります。こうして宇宙は不透明になり、遠くの宇宙を見ることもできなくなるんです。これは、ビッグバンから約38万年後に初めて光が直進できるようになった“宇宙の晴れ上がり”の、逆の過程です。そして、宇宙ですべての星が蒸発してガスになってもブラックホールだけは残ります。ブラックホールは周囲のガスなどを吸い込み、どんどん大きくなっていきます」

なんと、収縮してもブラックホールは残るんですね。最強ですね、ブラックホールマン。

「その通り、ブラックホールだけが生き残るんです。宇宙の終焉の1秒から1マイクロ秒(100万分の1秒!)前になると、すべてのブラックホール同士が合体し始めます。そして一瞬のうちに合体を終え、最後には宇宙全体がブラックホール1点(特異点)となり、時空がつぶれ、宇宙はついに終焉を迎えます。まさに宇宙の大往生といえるでしょう。これを“ビッグクランチ”と呼びます。ちなみに、この特異点は相対性理論を含め、すべての物理法則が適用できないので、その先はわかりません」

膨大な時を経て、宇宙に星や生物が生まれても、ダークエネルギーがなくなれば、ふりだしに戻る…。そのうちまた膨張し始めちゃったり?

「かつて、多くの科学者がビッグクランチによる宇宙の終焉を避けるため、宇宙終焉の寸前で、宇宙が跳ね返るように収縮から膨張に転じるモデルを考えました。このモデルでは、これまでつくられた宇宙の構造は消去されますが、火の玉から不死鳥のごとく新たな宇宙が生まれるんです。さらに、膨張に転じた宇宙がまた収縮に向かい、宇宙が永遠に膨張と収縮を繰り返す“振動宇宙モデル”も考えられました」

分解されたりつぶされたりじゃ、たまらんですけどね、中にいる我々としては…。

「実はこの振動宇宙モデルは相対性理論に基づいた議論によって、すでに否定されています。ただし、まだ可能性は残されています。現在、研究が進められている素粒子物理学の分野で、宇宙を複数の膜と考える“ブレーン宇宙論”があります。このブレーン宇宙論では、高次元時空に浮かぶ宇宙の膜同士が衝突してビッグバンが起こったと考えられています。そこで、2枚の膜宇宙が永遠に衝突を繰り返す“エキピロティック宇宙モデル”が生まれました。このモデルでは、ビッグクランチで宇宙の膜同士が衝突しても、また宇宙が再生する可能性があるんです」

ほほう…エロティックな膜によって宇宙は再生すると? ゴクッ。

「エキピロティックです。ただし、この素粒子物理学は未完成の分野です。現時点では、ビッグクランチを迎えた宇宙は特異点になって、終焉を迎えるといわざるを得ないのです」

いずれの説にせよ、地球どころか宇宙の消滅そのものが避けられないことは確かみたい。まぁ相当先の話みたいですけど…。

http://r25.jp/b/report/a/report_details/id/110000007962/part/2

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