「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

流麗な藩主の筆や花芒 平川みどり

2017-12-15 06:24:39 | 日記
歴史資料館のようなところでの御作でしょう。展示ケースの書状から、藩主が治めていた領地の今に、花芒の連想があったのかもしれない。色の対比と、曲線の美しさで呼応する句。流麗な直筆は、知識として知る強いイメージを善い意味で裏切り、人となりを伝えていたのだろう。まだ若い、しっとりと濡れたような光沢をもつ穂の頃の芒原が私には見えた。(博子)