「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

暖炉燃ゆ解きしままのリボンかな 中井由美子 「滝」2月号<瀑声集>

2015-02-18 04:03:43 | 日記
 石やレンガで出来た暖炉は暖まるまで一時間はかかるとい
われている。作者は抽斗の奥から、古いが美しいデザインの
小箱を見付け、リボンを解いている。誰から頂いたものなの
か定かな記憶が無いが、胸が高鳴る。ようやく部屋が暖まっ
てきた。雪山で撮った小さな写真とお詫びの手紙。そして記
念の品。作者の甘酸っぱい青春の思い出を一句に残したので
しょうか。暖炉の硬質感とリボンとの対比、中7の措辞に期
待と不安を感じさせるところが良いと思いました。(木下あきら)