「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

うなづきて傘に入りけり生姜市 鴨 睦子 「滝」12月号<滝集> 

2013-12-28 05:19:07 | 日記
 「生姜市」は、芝大神宮の祭礼にたつ市で、十一日間も行
われることから「だらだら祭り」と言われ、
「だらだらとだらだらまつり秋淋し 久保田万太郎」
と詠まれています。
今日こそはと出掛けてきたが、降り出した雨に傘から帰り
を促す目くばせ。それに頷く作者。そんな感じでしょうか。
生姜市は歌川広重によっていくつか描かれており、その広
重は「雨の詩人」といわれるほど雨の風景を好んで描いてい
ます。そんな連想が働いての「傘」かとも思われますね。(H)