本の外表紙を見てもわかるようにチェロを弾くこのものがたっりだろうと借りてみた。今年の本屋大賞の候補作だった。
全日本音楽著作権連名に努める橘樹という25歳の男が主人公でこの子は5歳から13歳までチェロを弾いていた。あることでチェロをやめていたけれど、大手音楽教室を運営するミカサの教室にスパイとして通うことを支持される。音楽教室での著作権料の支払い問題での教室の授業内容の調査目的だった。
教室に通うようになって、やがてチェロの魅力にひかれだし、という話。
この本もちろんチェロということでかりただけど、あまりこの主人公には思い入れが持てなかった。子供のころの体験(誘拐されかけた)がトラウマになっていて、性格もストレートということがなく、不眠症、引っ込み思案でどうも暗い。そしてしていることは教室での行使の盗聴と素直なチェリストとは言えない。
この作家が実際にチェロを弾くかどうかもちょっと疑問で、もし引くとなればもうすこし、演奏のことが表現されたような気がする。
でもチェロの小説なんてすくないからまあ、楽しめた。
一か所チェロのことの記述で心に残った個所。
「 そして運指に気をやり過ぎない、と浅葉(チェロ講師)が手本でチェロを弾く。
とにかくチェロは弓なんだ、というのが浅葉の口癖で、もう何度、同じセリフで注意されたかわからない。」
これは頭にいれておこう。