JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

くちびるに歌を 中田 永一 著

2012-11-02 22:18:32 | 


こころほんわか本だと予想する2冊がづづけて番がまわってきた、その2冊目。

五島列島の中学、音楽教師松山先生が出産のため、彼女の友人で美しい柏木先生が一年の臨時教師として東京から赴任するところから始まります。
美しさにひかれた男子生徒、数名がそれまで女子だけだった合唱部に入部して、7月末のNHK主催の合唱コンクール予選にいたるまでの混成となった合唱部のすったもんだというお話。

かなりのお笑いになるのかなと思いつつ、読みかけの本を持って、なんとも久しぶりの出張にでかけました。



ふつうこんな写真はとらないだろうけれど、なんせ久しぶりだから撮ってみました。

さて気になった部分の引用は

「 晴れた日に、放課後の校庭で吹奏楽部が練習していた。ブォーという金管楽器の音が空高くひびきわたっていた。吹奏楽部はいつも第一音楽室を住処にしている。楽器のほかんされている音楽準備室がすぐとなりにあるからだ。吹奏楽部の住処である第一音楽室と、合唱部の住処である第二音楽室は、遠くはなれている。お互いの練習する音が、相手の邪魔にならないようにという配慮のためだろうか。 」

ってどってことないところを引用したけれど、実は私JAZZに姿勢をかたむける高校2年の半ばまで中学から吹奏楽部に入っていたのです。
中学では音楽室の裏が楽器などがしまわれている準備室で、第二音楽室なんかなかった。五島列島おそるべし。
高校では階段を登り切ったところに部室があったけれど数人でいっぱい、音楽室はひとつで、合唱部と共有、これが仲が悪い。ブラバンの顧問は誰だか忘れたけれど、合唱部の指導は女性の音楽教師、私この人にとことん嫌われたから、いやきらったからこの本のような先生うらやましいなどとつらつらと思い出したのでした。


もう一か所を引用

「 頭のなかで百回歌えば、百回同じに歌える。けれど実際の舞台ではそうならない。百回中の九十五回は平凡な演奏で、四回くらいノリの悪いダメな演奏があり、そして一回くらいは神がかったような演奏ができる。本番のステージで、どうか奇跡の一回がまわってきますようにと祈る。 」

確かにブラバンなんかはそんなもんかもしれません。私が聞きに行くライブはプロのミュージシャンであり、すごい人を選ぶので、8回ぐらいが普通の演奏で、4回ぐらいがノリの悪い演奏、88回は神がかった演奏がきけるのです。明日は神がおりてくれるかな。

行きの電車のなかで後半を読んでいったのですか、グッと話が煮詰まっていって、きっちりつじつまあわせもあり、中学の合唱部のはなしでありながら、電車のなかで泣いていました。(指定席はいつも一番前の窓側を選ぶのでほかの人は気が付かなかっただろうと勝手に思う。)

結構楽しく読めて、ほんわか本でした。TVドラマにはする必要ないな、本でお楽しみください。

帰りは再びあのジョン・コーリーと一緒でした。
コメント
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