JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

51回の歓び やれやれ KETIL BJORNSTAD / RAINBOW SESSIONS

2006-12-20 13:40:09 | 聞いてますCDいいと思う
出張の帰りに銀座の山野楽器に寄ってみました。フラフラしていると、前作“Floating”がとても良かった“ketle bjornstaad”の“RAINBOW SESSIONS”というアルバムが有るのを発見。

http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20060517

包装の外側からは三つのセッションの3枚のアルバムと曲名だけが解ります。ずいぶん曲が多いことが気になりますが、メンバーが解らない。SESSONSなんてあるといろんな人がいるのかと思ったりしてしまいます。3枚組4,120円という値段だけが解ります。拾わなければ、後で悩むし、どこかで聴けるわけでもないし、もうすぐクリスマスだし(関係ないか)ということで買ってみました。
中を見てみればこれがなんと、ピアノソロが51曲演奏されているアルバムでした。それだけで引いてしまう人が多いでしょうね。よっぽどビヨルンスタが好きで、レインボースタジオ録音に思い入れがないと手がでないと思います。私も全部ピアノソロと知っていたら止まっていたかもしれません。でもこの人好きなのです。
この3つのセッションにはそれぞれ意味が有るようです。1枚目“THE LONG FAREWELL”と名の付いたSESSIONは、旧レインボースタジオの最後のSESSIONで、2004年6/23の録音です。
次の“THE RAINBOW”は新しくなったスタジオの最初のSESSIONです。2004年8/9の録音です。
そして最後の“THE WAY THROUGH THE WOODS”というアルバムは、この新しいスタジオに新しく入ったSTEINWAY D-Modelの2004年12/20の初録音だそうです。
大好きな“FLOATING”は同じレインボーで2005年の録音ですからこの後の録音になり、同じレーベルなのに順序が逆になっているのもいまいちです。やはり3枚組販売を躊躇したのですしょうか。
ビヨンスタがRAINBOW STUDIOの変化の証人として選ばれた感じです。
ビヨンスタがその大役を務めるのは、うれしい事ですが、それを聴く方は、その違いが解るのでしょうか。よっぽっど耳が録音にシビアでないと解るはずないよ、と聴く前から予防線を張っておきます。大好きなんですよビヨンスタ,というスタイルで望むことにしました。それにしてもこのアルバム2日がかりに成りそうです。
ビヨンスタとサウンドエンジニアのレインボーの巨匠“Jan Eric Kongshaug"はしかし素晴らしい仕掛けを残してくれました。
CD1の最後の曲とCD2の最初の曲、CD2の最後の曲とCD3の最初の曲はそれぞれ同じ曲目になっています。おかげさんで違いがわかってくるし、3枚組の意味もでてくるというものです。
まず旧スタジオの録音では、全体がレインボーの不思議なベールに包まれたような音で、クラシカルな雰囲気の強い感じをうけました。
そしてCD2になると音の一つ一つが明晰に拾われる感じです。高い音の収録能力が増した感じがします。ただし音の感じは硬質になっています。弾いているビヨルンスタもタッチを強く弾いてる感じでそれが見合っているのでしょう。ピアノがそれを必要としていると感じます。
CD3になるとピアノが変わりました。この変化が一番明確です。ピアノの表情が豊かになり、やわらかいタッチで全ての音域がバランスよく絡み合います。上品になりながら、なおかつ強く弾いてもピアノ自体に余裕が感じられます。CD2ではビヨルンスタの意思と技量を感じますが、この新しいSTEINWAYでは、このピアノ自体の実力と個性を、そこに人間がいる様に感じます。
上手い具合に3枚の変化を聞くことが出来てよかったとほっとしました。
51曲の中から気に入った曲を1枚コンピしたらこれ、良く聴く重要な1枚になるんじゃないかと思います。
やれやれとタイトルに書きましたが、本心、やれやれは抜けています。

 RAINBOW SESSIONS / KETIL BJORNSTAD

KETIL BJORONSTAD piano

1 THE LONG FAREEWELL     全15曲
2 THE RAINBOW        全19曲
3 THE WAY THROUGH THE WOODS 全17曲


コメント (6)
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