ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

フジ予習:キティー・デイジー&ルイス

2010-05-20 13:58:49 | フジロック
KITTY, DAISY & LEWIS / KITTY, DAISY & LEWIS

フジ予習第3弾、キティー・デイジー&ルイス。

何なんですかね?この3兄弟は!!
1st作「KITTY, DAISY & LEWIS」がリリースされた08年当時、キティが15歳、デイジーが20歳、ルイスが18歳という若さで、やっている音楽はロカビリーを中心に40年代から50年代あたりのオールドなブルースやカントリー、ジャンプ、さらにハワイアンまで。とにかくタイムスリップしたかのようなオールドタイムに徹しています。この若さでですよ! しかもデビュー・シングルを発表した時点までさかのぼれば、キティが12歳、ルイスが15歳で、デイジーが17歳だったそうですから、驚きです。恐るべき子供達です。

いやいや子供と呼ぶにはあまりにもキティとデイジーが色っぽい。何というか、ロカビリーな色気に溢れています。この3兄弟、サウンドだけではなく、ファッションを含めた容姿からも、オールドタイムな臭いを発散していて、どうやったらこんな子達が育つんだろう?みたいな。しかもアメリカではなくイギリスから登場している。しかしこのイギリスからというのが案外キー・ポイントだったりするんですよね。

例えば、オールド・ジャズを現代に甦らせたジャネット・クラインとか、古き良き南部ソウル愛の塊のようなイーライ“ペーパーボーイ”リードあたりの、時代を逆行と言うか超越した“秘境感”には通じるものがありますが、彼らはアメリカ的なエンターテイン性が濃いのに対し、キティー・デイジー&ルイスはもっとモッズ的な先鋭さを感じます。それはロカビリーをやっているからというより、もっと感覚的なもの。現代の若者が古いスカやロック・ステディを愛好するような、そんなヒップな感性に近いかもしれません。

実際に彼らは、アルバム・デビュー前からギャズ・メイオールのクラブでDJをやっていたとか。しかも78回転のSPレコードを回していたといいますから、確信犯なのか?天然なのか?どちらにしろやはり凄い子供達なのです。しかもアルバム・デビューより前に「A-Z of Kitty, Daisy & Lewis: The Roots Of Rock 'n' Roll 」という、自分セレクトのコンピ盤をリリースしているんです。ま~、恐ろしく渋い選曲なんですけどね。でも普通、アルバムを出して、それが話題になったのを受けて、そのルーツを紐解くコンピ盤を出すんじゃないんですか? それがシングルを数枚(多分2枚)しか出してない時点で、いきなりルーツ探訪のコンピ盤からリリースしてしまうという型破りさ。やはりDJ的と言うかモッズ的な感じ。 型破りといえば、デビュー作「KITTY, DAISY & LEWIS」は、通常のCD以外にSP盤5枚組というフォーマットでも発売されたらしく、そんなの一般家庭では再生出来ないでしょ?みたいな。この子達、若いのに洒落が効いてます。

さて、そんなキティー・デイジー&ルイスのデビュー作「KITTY, DAISY & LEWIS」です。ロカビリー・ナンバーはもちろん、マディ・ウォーターズで有名な「Got My Mojo Working」やサニー・ボーイ・ウィリアムソンの「Polly Put The Kettle On」、ルイ・ジョーダンの「Ooo Wee」なんかもカヴァーしています。なかでもムーン・マリカンのヒット曲「Honolulu Rock-A Roll-A」というハワイアン・テイストを取り上げるあたりに、彼らの計り知れないセンスを感じます。カヴァーに混じって2曲のオリジナル曲も収録されていますが、その1曲「Swinging Hawaii」もハワイアン! また、ブルース・ロックのキャンド・ヒート曲「Going Up The Country」をロカビリー・スタイルに仕立て上げるセンスにも脱帽です。

キティーとデイジーによるパンチの効いたヴォーカルも良い感じですが、ギター、ピアノ、ドラム、ハープ、アコーディオン、スティール・ギター、バンジョー、ウクレレ、トロンボーンなど、多彩な楽器を操るという3兄弟の芸達者振りに驚かされつつ、クール且つ瑞々しい演奏に心が躍ります。特にハワイアン曲でのスティール・ギターは、このアルバムに豊かな色彩を与えてますね。格好良いです! また、ヴィンテージなアナログ機材でレコーディングされたという音質も、現代の硬質なサウンドとはちがうふくよかさがありますね。

さて、フジロックのキティー・デイジー&ルイス、楽しみですね~。どのステージに出演するのでしょうか? たぶんヘヴンかオレンジでしょうね。でもそれ以外にもアヴァロンとか、木道亭なんかも面白そう。いや一番似合うのは深夜のパレスかも? ぜひ、複数ステージに出演して欲しいですね!



では、彼らのライヴ映像をいくつかご紹介。やっぱり彼らはライヴですよ! と言っても私は彼らのライヴは観たことないんですけどね…。


http://www.youtube.com/watch?v=hDjk0rBrpAU&feature=player_embedded
「Going Up The Country」。 やっぱり色っぽい。そして格好良い! ちなみにウッドベースはお母さん(元レインコーツ!!)、ギターがお父さん(元アイランド・レコードのエンジニア)、らしいです。跳ねるスネアが堪りません!

http://www.youtube.com/watch?v=I9De1jWDw1Q&feature=related
兄弟達の芸達者振りが伺える映像、その1。っていうかお母さんのスラッピングなタッチに痺れます。

http://www.youtube.com/watch?v=Pe8O14VTeMo&feature=related
兄弟達の芸達者振りが伺える映像、その2。



はじめて彼らの噂を聞いたとき、若さに任せたハチャメチャな兄弟なのかと想像しましたが、CDを聴き、こういった映像を観てみると、パンキッシュなDIY精神と同時に、以外と言っては失礼ですが、音楽に対する真摯な姿勢というか、真面目さの方が強く感じられたりもします。さて、ライヴが楽しみです!

サマソニのステージ割り

2010-05-18 12:38:59 | フェス、イベント
サマーソニックが早くもステージ割りの発表ですね。マリンが思いのほか黒い感じで驚きました。初日のJAY-ZとNAS、2日目のケイナーンからジェイソン・デルーロ、ア・トライブ・コールド・クエスト、そしてスティーヴィー・ワンダー!! 特に2日目のこの並びは嬉しいですね。てっきりスティーヴィー以外はメッセにアーバン・ブラック系のステージが出来るのかと思っていましたが、まさかマリンに固めれくれるとは!! 間にオリアンティやテイラー・スウィフトが入ってるところがサマソニらしいですね。ちょっとSUM 41が浮いてる気もしますが…。でもまだ枠がありそうなので、追加発表も楽しみです。

初日のマリンは、あの位置に矢沢永吉というのがなんとなく不気味ですね。ま、必ずしも出演順で並んでる訳ではないので、タイムテーブルが発表になるまでは何とも言えませんが…。マウンテンのリチャード・アシュクロフト~スマパンという流れは、全盛期は過ぎてるとは言え、豪華ですよね。あとペイヴメントが深夜枠というのはちょっと意外。昨年、雨で無念の中止となったタヒチ80は、今年もビーチですか。また雨が降ったらどうするんですかね?

2日目は、終日マリンで過ごしても良い感じですが、ソニックのブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ~ヨンシー~ピクシーズ、そしてマウンテンのマイケル・モンロー~ホール~スラッシュという流れもなかなか。でもなんだかんだで、スティーヴィーさえ観れれば、って感じですね。野外で観るスティーヴィー、楽しみですね~!

全体的に、もう少しルーツ/ワールド系やSSW系のアーティストが加わってくれると嬉しいんですけどね。あとビーチにオーガニック系のアーティストとか。

雑談的な

2010-05-17 14:30:54 | 余話
RAINBOW / RAINBOW RISING

先日、サマソニの特番観てたんですけど、JAY-Z を紹介してるとき、誰かがビヨンセの飛び入りもあり得るみたいなこと言ってましたよね~。しかも清水代表まで同調するような感じで。いや~、そういうこと言わないで欲しいですよね~。今年はスティーヴィー・ワンダーが出る日だけチケット買おうと思ってたのに、迷うじゃないですか~。でも出るかどうか分からない、っていうか出ない確率の方が恐ろしく高いビヨンセのために高いチケ買う勇気がない…。

あさって19日は、ローリング・ストーンズ「メインストリートのならず者」のデラックス・エディションが発売されますね。アナログ盤とDVDなど特典満載のスーパーデラックス・エディションも気になりますけど、18,000円は私にはハードルが高過ぎる。っていうか個人的にアナログ盤には興味がないんですけど、DVDは観たい!CDとDVDだけのセットってないんですかね~。なんかもう少し待てば出てくるような気もしますが…。う~ん迷う。そう言えば、「GET YER YA-YA'S OUT」のボックス・セットも、買ったきり開けてないな…。

昨日は妻と一緒に御徒町凧さんの詩の朗読会を聴きに行きました。御徒町さんって、森山直太朗さんの楽曲の多くで作詞を担当してる人です。代官山の「晴れたら空に豆巻いて」で行われたのですが、会場内に入ると、既に御徒町さんがアコギの弾き語りで歌ってる。しかもお客さんはそれを半ば無視して、ドリンクの注文したり雑談したり、ガヤガヤしてる。「何これ?」って妻に聞くと、「こういうもんだから、まだ始まってないから!」。そうなの?って感じで私も御徒町さんの歌を無視してドリンクを注文し、妻と雑談。そうこうしているうちに客電が落ち、朗読が始まりました。日常や思い出の断片を切り取ったような詩の数々、御徒町さんの朗読も素朴で、なかなか良かったです。途中、休憩が入ったのですが、その間も御徒町さんは歌ってました。

なにかと3Dの映画が話題ですが、私は元々映画に疎いせもあり、あまりそそられないというか、乗り遅れています。アバターもアリスも観に行ってません。ですが、今度はあのムーミンが3D映画になるそうで、これは観に行きたい!しかも主題歌はビョーク!!!! もう絶対観に行きます! 3Dのムーミンて、モコモコしてるんですかね? それともツルツルかな~? ネバネバだったらやだな…。

最近、ツイッターなるものを始めてみました。いまだに使い方がよく分からないし、なにをつぶやけば良いかも分からない…。っていうか私のつぶやきを読みたい人っているのかな?という根本的な疑問を感じつつ、適当につぶやいてます。それより、お気に入りのアーティストのつぶやきを読むのが楽しいです。やっぱりプリシラ・アーンかな~。

最後は悲しいお話。レインボーやブラック・サバス、そして自身のバンド、ディオなどで活躍したロニー・ジェイムス・ディオが、16日、胃がんのため亡くなられたそうです。私は中学生の頃、ヘヴィ・メタルが大好きで、なかでもレインボーの大ファンでした。フェイヴァリット・アルバムは「RAINBOW RISING」でした。そんな私にとって、ロニー・ジェイムス・ディオと言えば、リッチー・ブラックモア、コージー・パウエルに並んで神に近い存在でした。今ではほとんどヘヴィ・メタルを聴かなくなってしまいましたが、今日は「RAINBOW RISING」と「HEAVEN & HELL」を聴こう。ロニー・ジェイムス・ディオさん、安らかに。


こだま和文@新宿タワレコ

2010-05-15 18:54:23 | ワールド・ミュージック
今日はダブ・トランペッター、こだま和文さんのインストア・ライヴを観に、新宿タワーレコードに来ています。今回はCDではなく、エッセイ集の発売を記念してのインストア・ライヴということですが、どんなライヴになるのでしょうか。ステージにはDJ卓と親指ピアノが用意されています。もうすぐ始まりす!


帰宅後追記:

実はこだま和文さんのライヴは初めて観ましたが、えらい格好良かったです。DJ がインストアとは思えない大きな音で繰り出すリディムと、何処か哀愁のあるこだま和文さんのトランペットの響き。良いですね~。「ジェンカ」のダブ・ヴァージョンは特に染みました。そしてこだまさんはトランペットだけではなく、リディムに合わせて朗々と語ったりもする。エッセイの話や、ナンシー関さんの話など。それが独特の酩酊感があってまた格好良いんですよ! 今度は暗いところで観たいですね。

フジ予習:コリーヌ・ベイリー・レイ

2010-05-15 13:29:14 | フジロック
CORINNE BAILEY RAE / THE SEA

フジロック予習特集第2弾、UK出身の黒人女性SSW、コリーヌ・ベイリー・レイです。

06年のデビュー・アルバム「CORINNE BAILEY RAE」はホント素敵なアルバムでした。1曲目「Like A Star」が柔らか~く始まる瞬間から、彼女の優しくしっとりとした歌世界に引き込まれちゃいますよね。程よくジャジーでブルージーな黒さと、オーガニック系のSSWシーンにも通じるナチュラルな空気感。「Till It Happens To You」や「Put Your Records On」も良い曲でしたよね~。

そして今年リリースされた2nd作「THE SEA」(写真)。これがまた良いんですよ! 1st作には、心地よい癒しや、彼女独特の可愛らしさがありましたが、この2nd作はもっとアーバンで、ねっとりとした大人な印象を受けます。楽曲は前作にも増してヴァラエティに富み、以外とアップ・テンポな曲が多いことに驚かされます。そしてその曲調に絡むコリーヌの感情表現が前作より遥かにエモーショナル!! これはディープです。

ニューソウルなコード進行とベースラインがメチャクチャ格好良い「Feels Like The First Time」では、浮遊しながらもブルージーにグルーヴする歌唱が素晴らしい。クエストラヴがドラムを叩くアッパーな「The Blackest Lily」ではロック的なエッジを立てて妖艶に歌う。ヒップ・ホップ・ライクなファンク・チューン「Closer」では抑制の効いたファルセットが堪らなく黒い!! そしてスロー・ナンバー「I'd Do It All Again」でのサビへ向けてのエモーショナルの発露は何度聴いても鳥肌もの。

正直な話、デビュー作を聴いたとき、シンガーとしてはちょっと軽い印象を受けもしてたんです。でもその軽さがコリーヌ独特の空気感を作っていた訳なんですけどね。もちろん今作でもそんなコリーヌらしい、オーガニックで、甘く、ちょっぴりアンニュイな表情はしっかり残ってはいるんですけど、それ以上に楽曲ごとに見せるディープな質感には、やはり驚きました。まるで祈るように歌うサビが印象的な「Love's On Its Way」など、その深い歌声は神秘的ですらあります。

で、この話にはどうしても触れない訳にいかないのですが、コリーヌは一昨年、事故で夫を亡くすという悲しい体験に見舞われてしまいました。私には想像もできないほど辛く苦しい日々を過ごしたことでしょう。そのうえで新しい曲を書き、そして歌ったコリーヌの思いは、とても複雑なものだったと思います。まるで美しい鎮魂歌のような「I Would Like To Call It Beauty」。優しさと悲しさが交差するようなコリーヌの歌声に思わず泣きたくなっちゃいますね。特に「あなたが励ましてくれた」と繰り返すところ。胸を締め付けられます。私は普段、歌詩は気にせずに聴く方なんですが、この曲は対訳を読みながら聴きました。

そしてそのあとには「Paris Nights / New York Mornings」や「Paper Dolls」のような、前作にはなかったタイプのポップ・チューンが続きます。重くなりすぎないところがコリーヌ・ベイリー・レイらしいですね。最後を優しくふわりと包み込むようなタイトル曲「The Sea」も素晴らしい!! このアルバム、聴けば聴く程、曲の並びとか、トータル的な素晴らしさも染みてきます。また国内盤につく、内本順一さんによる愛情溢れるライナーも絶品です。

さて、フジロックで観るコリーヌ・ベイリー・レイ、本当に楽しみです。知名度的にはグリーンかもしれませんが、出来れば奥の方で聴きたいですね。きっと彼女の歌声と山の霊気が溶け合った素晴らしいライヴになることでしょう。



では、いくつかコリーヌのライヴ映像をご紹介。

http://www.youtube.com/watch?v=FhJKSseiPXE&feature=related
07年のグラミー賞での「Like A Star」。この時、『Record Of The Year』『Song Of The Year』『Best New Artist』という3っつの主要部門にノミネートされていました。この放送を見ていて、コリーヌは歌い出した瞬間にその場の空気を自分の色へ染めることの出来る希有なシンガーだと思ったことを覚えています。

http://www.youtube.com/watch?v=oZfp7Txyk_Y&feature=related
最新作から「I'd Do It All Again」。イギリスのTV番組からのスタジオ・ライヴ。ギター弾き語りにピアノのみサポートというシンプルさが良いですね。生々しいコリーヌの歌声にグッときます。

http://www.youtube.com/watch?v=vRzDWXnm07A&feature=related
最新作から「Closer」。これもTV番組ですかね? CDでは音が現代的で硬く聴こえますが、ここではバンドの演奏もコリーヌの歌も緩めで、より人間的でソウルフルな味わいです。


フジロック第6弾!

2010-05-13 13:04:23 | フジロック
Emeline Michel - Hope For Haiti Now (Many Rivers To Cross)


フジロック・フェスティヴァルの出演アーティスト、第6弾の発表が公式サイトでありました! 今回は妙に少なめで5組です。

7/30
BROKEN BELLS
THE ENTRANCE BAND
GREEN VELVET

7/31
EMELINE MICHEL

8/1
Y.Sunahara

エメリーヌ・ミッシェルって、ハイチのチャリティー・ライヴでもの凄く感動的な歌を歌ってた人ですよね?これは観たいですね~。でも土曜日なので、なんか被りそう…。そしてデンジャー・マウスのブロークン・ベルズ。私、ザ・シンズは結構好きなのでこれは気になります。あとはブルージーなサイケデリック・ロック・トリオ というジ・エントランス・バンド。ブルージーという言葉に惹かれますが、果たして…。

そしてひっそりMIIKE SNOW と CODEINE VELVET CLUB の出演日変更もアナウンスされました。CODEINE VELVET CLUB はかなり観たいんですけど、金曜から日曜に変更されたことによって、スケジュールにどう響くか? これで金曜は個人的にかなりまったりな感じになったかな?

あと自分にはまったく関係ないんですけど、「フジロック丸」の復活はなんか嬉しいですね!


ちなみにサマソニも第8弾が発表されました。今回は1組だけ。なんと矢沢永吉だそうです。JAY-Z が出る日みたいですけど、昨年のB’z のような位置づけですかね。マリンで永ちゃん~ JAY-Z って流れになるのかな~? なんか凄いな…。





The Entrance Band - Grim Reaper Blues

ジ・エントランス・バンド。いつの時代ですか? なんか古い「BEAT CLUB」かなんかの映像かと思いました。でもちょっと観たいかも。


フジ予習:ジョン・バトラー・トリオ

2010-05-11 14:33:10 | フジロック
THE JOHN BUTLER TRIO / APRIL UPRISING

さて、ゴールデン・ウィークも終わったことですし、今年も張り切ってまいりますよ!フジロック予習特集~!栄えある 第1回目はジョン・バトラー・トリオです!

07年にリリースされた「GRAND NATIONAL」は傑作でした。ジョン・バトラーの操る多彩な弦楽器による音像と、それに絡み付くようにグルーヴするリズム。カントリー、ブルース、ソウル、レゲエ、ヒップ・ホップ、あらゆるジャンルを飲み込みながら緻密かつ奔放に編み上げられた楽曲群。オーガニックな質感と土の香り、それらをジャム・バンド的なスリルを伴ってダイナミックに駆け抜ける。ジョンの暖かい歌心とプログレッシヴな感覚のバランスも見事でした。私はこのアルバムでジョン・バトラーを好きになりました。

そして今年の3月に発売されたばかりの最新作「APRIL UPRISING」。これが予想外にポップで驚きました。前作「GRAND NATIONAL」のルーツ色やスピリチュアルな広がりをもっと深化させたような作品になるのでは?と思っていただけに。もちろんポップと言っても、音楽性自体はこれまでのジョン・バトラー・トリオを裏切るものではありません。ジョン・バトラーは相変わらず11弦ギターを中心に、ラップ・スティールやバンジョー、マンドリンなどを取っ替え引っ替え弾いてますし、彼ら独特のルーツ&ヒップな感覚やフォーキーな高揚感で満たされています。ただ初めはどうしても「One Way Road」、「C'Mon Now」、「Don't Wanna See Your Face」などの陽性で楽しい曲や、エレキ・ギターがリードする「Close To You」のようなロッキッシュな曲が耳に残ります。でも何度も繰り替えし聴いてるうちにアルバムの全体像が見えてきます。

実は今作、ジョン・バトラー以外のメンバーが新しくなっているということが、物理的以上の作用をもたらしたのかもしれません。ドラムスにニッキー・ボンバ(ジョンの義兄で「SUNRISE OVER SEA」でも叩いてました)、そしてベースにはバイロン・ルイターズ(もうすぐグリーンルームで来日するザ・レイ・マン・スリーのベーシスト)、という新生トリオです。

そんなジョン・バトラーにとって心機一転の作品となった今作、その1曲目は「Revolution」。革命です。聴く者の深層心理にジワジワと訴えかけてくるような力強さを感じる曲。ジョン・バトラーの意図する「革命」の意味は、私ごときには量り知れないものがありますが、ただこの曲から始まり、「One Way Road」、「C'Mon Now」、と続く展開には、その躍動感溢れるリズムや、抜群の開放感から、何か新しいものに立ち向かう、フレッシュな勇気を与えられたような気分になります。そんな新鮮な気分とメンバーを一新したトリオの境遇が重なります。

このアルバム発売直前に、ジョン・バトラー・トリオはプロモ来日し、代官山UNITにてショーケース・ライヴを行いました。幸運にも私はそのライヴを観ることが出来たのですが、それはバンドの演奏が観客の心を喚起させ、会場全体が一体となって幸福感を味わうような素晴らしいライヴでした。一つ一つの小さな喚起が大きなエネルギーを生むような。そしてこのアルバム「APRIL UPRISING」にもまさにそんな力を感じます。

大地を感じさせるニッキー・ボンバのドラムスと、ジョン・バトラーのバンジョーがリードする「Ragged Mile」。ストリングスが美しい「Fool For You」。ジョンの12弦ギターの広がりが秀逸な「Mystery Man」。これぞジョン・バトラーなレゲエ&ラップ曲「Gonna Be A Long Time」。ニッキー・ボンバがアコーディオンやスティール・パンでオーガニックな土っぽさを演出する「Johnny's Gone」。エモーショナル且つオルタナティヴな力強さを持つ「I'd Do Anything」や「To Look Like You」など、生命力溢れる曲が並びます。

そしてファンキー・ラップな「Don't Wanna See Your Face」に、ドライヴ感抜群の「Close To You」、ラップ・スティールによるパーカシッヴなバッキングが冴え渡る「One Way Road」。一見ポップなこれらの曲にこそ、現在のジョン・バトラー・トリオが持つ革命的なエネルギーが詰まっているのです。

先のショーケース・ライヴではこれらの新曲も沢山披露してくれました。過去の名曲も、新しいポップな曲も、それぞれが違和感なく極上のグルーヴとヴァイヴで奏でられていました。そして何よりトリオの一体感から来る高揚感が堪らないのです。しかもフジでは新作からの曲がさらなる盛り上がりを見せることは必定。アルバムで聴くより絶対良いです! もちろん、ジョンの圧倒的な弦裁きにも注目ですね!


果たしてフジではどのステージに登場するのか? 夜のヘヴンが絶対似合うと思うんですけど、ジョン・フォガティと被りそうで怖い…。



~関連過去ブログ~ お時間有ったらぜひ!

 10.03.07 ジョン・バトラー・トリオ@代官山UNIT
 07.08.01 フジ・ベスト・アクト第5位

GREENROOM FESTIVAL'10

2010-05-09 10:15:24 | フェス、イベント
G LOVE & SPECIAL SAUCE / PHILADELPHONIC

5月22日、23日に横浜で開催されるGREENROOM FESTIVAL'10 のタイムテーブルが発表になりましたね。春フェスの顔といった感じになってきたこのフェスティヴァル。ボードカルチャーの祭典という根っこの部分を維持しながら、以前程それに拘らない多彩なメンツは、ボードをまったくやらない私みたいな人にも親近感の沸くフェスになってきた感じです。そしてそのメンツが豪華!! とは言え残念ながら私は行けないんですけどね…。でもタイムテーブルを見ると、妄想シュミレーションをせずにはいられないのです!

まず初日、渋さ知らズオーケストラからスタート。そしてOvall、David Tamaoka、らぞく、って感じですかね。夕方はThe Ray Mann Three、Leyona あたりを観て、いよいよ G.Love & Special Sauce、MOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO と続き、最後はArrested Developmentです!! いい流れですね。Gラヴとアレステッドの間にキリマンジャロが入っているところが良いですね!!

そして2日目。この日の前半は、The Ska Flames、COOL WISE MAN、MOOMIN、Likkle Mai など邦レゲエ勢が充実。しかしその裏でDouble Famous、SOIL&"PIMP"SESSIONS、PE'Z、Dachambo と言った強豪がひしめいてる。どれを観ようか迷いますね~。そして後半はまず Blue King Brown から。これは外せませんよ! そしてORIGINAL LOVE かな。メインは 10cc と Rickie Lee Jones !! リッキー・リーは観たいですね~。

嗚呼、Gラヴとリッキー・リーが同じ日だったら多少無理してでも行ったんですけどね~。それと、海外からのアーティストの演奏時間はもう少し長くして欲しいな~、と思ったり。10cc がやけに短く見えるのは目の錯覚でしょうか…?

マウントシュガー@代々木公園

2010-05-08 13:45:04 | フェス、イベント
今日は暖かくて良い天気。こんな日はピクニックですよね!という訳で、代々木公園でマウントシュガーのピクニック・ライヴです!いや~、晴れて良かった。って言うか、新緑の季節、しかもこんな良い天気の日に代々木公園に来たのはたぶん初めてですが、めちゃくちゃ綺麗で超気持ち良いです。でもピクニックは一人で参加するものではないですね。なんか微妙に孤独を感じています…。早くライヴ始まらないかな~。


帰宅後追記:

木陰で始まったマウントシュガーのアコースティック・ライヴ。はじめは森さんのギターとアリサさんの歌のみで、数曲目からゲストにカセットコンロスのフケさん、ダブルフェイマスの藤堂さんを向かえて。フケさんはカホンとジャンベ、藤堂さんはアコーディオン、ハーモニカ、マンドリンを曲ごとに使い分ける。木々の匂いと、新緑の香り、心地よい風、そして思い思いに時を過ごす人々。そんな午後の公園というのんびりとした空気。そんな空気を森さんが弾く暖かいギターの音色と、アリサさんのエモーショナルな歌声が捉えていく。野外でマウントシュガー、ホント気持ちよかったです。二人でやった「農家の嫁」も良かった。「野生」や「純情フリーウェイ」もグッときた。アンコールの最後にやった「太陽」は素晴らしかった! マイクを通さないアリサさんの歌声はいつも以上にナチュラルで、そして良い意味でアリサさんは土や木が良く似合ってました!

いや~、なんだかんだで良い午後を過ごさせて頂きました。主催の「LIFE」さんのクレープも美味しかったです! こういうライヴ、また観たいです。



MOUNT SUGAR / ワンピース
先月、 配信オンリーでリリースされたマウントシュガーのニューEP 。「スニーカー」も聴きたかったな~。

グレイス・ポッター

2010-05-06 12:38:25 | ルーツ・ロック
Grace Potter & The Nocturnals - Tiny Light



来月リリースされるグイス・ポッター&ノクターナルズの新作が待ち遠しいです。YouTubeで新曲「Tiny Light」のPVが見れるんですが、これが格好良いんですよ!!!

はじめのうちはしっとりとした感じで、サビも聴きやすく、あ~、良い曲だな、なんて思ってるといきなりグレイスのロング・シャウトが炸裂し、スコット・ターネットがガリガリとギター・ソロを弾きまくる。怒濤のごとく攻め寄せるドラミングに、さらにシャウトを重ねるグレイス・ポッター!! 惚れました。ま、とっくの昔から惚れてますけど…。

この曲を聴く限り、グイス・ポッター&ノクターナルズは前作よりさらにロックな骨太さを磨いた感じがしますね。ついでに近年のライヴ映像なんかも色々探して観てみたんですけど、07年のフジロックの時より、俄然バンドとしての魅力を感じますね。もちろんフジの時も格好良かったのですが、あの頃よりさらにギタリストのスコット・ターナーもなんかも味わいと迫力を増してる感じですし、それとベースが女性に変わったことにより、華やかさというか、艶やかな怪しさに包まれた感じ。アメリカーナなルーツ色だけではない、ロック的な毒をも感じさせてくれる。あ~、ライヴが観たい!! 祈来日!! その前に早くアルバムが聴きたい~!!!!




http://www.youtube.com/watch?v=Y3Yrq0Q8XSE
「Tiny Light」のTVライヴ。グレイスのシャウトに痺れます!

http://www.youtube.com/watch?v=Jho7GXtD5pw&feature=related
ちょっと昔の曲で05年の2nd作収録曲「Some Kind Of Ride」。2本のギターがファンキーで格好良いです!! そして後半の盛り上がりが堪らない。

http://www.youtube.com/watch?v=mESdO3NH6Nw&feature=related
こちらも2nd作収録のブルース「2:22」。ブルースを歌うグレイスには思わず「姉御!!」と叫びたくなります。スコットのギターも良いですね~。

http://www.youtube.com/watch?v=VWDnqdzLPvw&feature=related
フジロックでも印象的だった「If I Was From Paris」。最新作の1曲目に収録されてるみたいですね。